九州大学 1961年 文系 第5問 解説

方針・初手
放物線と直線が接するという条件を、それぞれの式から $y$ を消去して得られる2次方程式の判別式が $0$ になることとして処理する。これにより $a, b, c$ についての条件式が2つ得られるので、連立させて $b, c$ を $a$ で表す。(2) では頂点の座標 $(X, Y)$ を $a$ を用いて表し、媒介変数 $a$ を消去することで軌跡の方程式を求める。その際、元の図形が「放物線」であることから $a \neq 0$ であることに注意し、軌跡から除外される点を正確に求める。
解法1
(1)
放物線 $y = ax^2 + bx + c$ について、これが放物線であるための条件より $a \neq 0$ である。
この放物線が直線 $y = 2x - 1$ と接するので、方程式 $ax^2 + bx + c = 2x - 1$ 、すなわち
$$ax^2 + (b-2)x + c+1 = 0$$
は重解をもつ。この2次方程式の判別式を $D_1$ とすると、$D_1 = 0$ より
$$(b-2)^2 - 4a(c+1) = 0 \quad \cdots \text{①}$$
が成り立つ。
同様に、直線 $y = -x - 4$ と接するので、方程式 $ax^2 + bx + c = -x - 4$ 、すなわち
$$ax^2 + (b+1)x + c+4 = 0$$
は重解をもつ。この2次方程式の判別式を $D_2$ とすると、$D_2 = 0$ より
$$(b+1)^2 - 4a(c+4) = 0 \quad \cdots \text{②}$$
が成り立つ。
① $-$ ② より $c$ を消去すると、
$$(b-2)^2 - (b+1)^2 - 4a(c+1) + 4a(c+4) = 0$$
$$(b^2 - 4b + 4) - (b^2 + 2b + 1) + 12a = 0$$
$$-6b + 3 + 12a = 0$$
$$b = 2a + \frac{1}{2}$$
これを①に代入して $c$ を求める。
$$\left( 2a - \frac{3}{2} \right)^2 - 4a(c+1) = 0$$
$$4a^2 - 6a + \frac{9}{4} - 4ac - 4a = 0$$
$$4ac = 4a^2 - 10a + \frac{9}{4}$$
$a \neq 0$ であるから、両辺を $4a$ で割って
$$c = a - \frac{5}{2} + \frac{9}{16a}$$
(2)
放物線 $y = ax^2 + bx + c$ の式を平方完成すると
$$y = a \left( x + \frac{b}{2a} \right)^2 - \frac{b^2 - 4ac}{4a}$$
となる。頂点の座標を $(X, Y)$ とすると
$$X = -\frac{b}{2a}$$
$$Y = -\frac{b^2 - 4ac}{4a} = c - \frac{b^2}{4a}$$
(1) で求めた $b, c$ をそれぞれ代入する。まず $X$ について、
$$X = -\frac{2a + \frac{1}{2}}{2a} = -1 - \frac{1}{4a} \quad \cdots \text{③}$$
次に $Y$ について、
$$\begin{aligned} Y &= \left( a - \frac{5}{2} + \frac{9}{16a} \right) - \frac{\left( 2a + \frac{1}{2} \right)^2}{4a} \\ &= a - \frac{5}{2} + \frac{9}{16a} - \frac{4a^2 + 2a + \frac{1}{4}}{4a} \\ &= a - \frac{5}{2} + \frac{9}{16a} - \left( a + \frac{1}{2} + \frac{1}{16a} \right) \\ &= -3 + \frac{1}{2a} \quad \cdots \text{④} \end{aligned}$$
③より
$$\frac{1}{4a} = -X - 1$$
$a \neq 0$ より $\frac{1}{4a} \neq 0$ であるから、
$$-X - 1 \neq 0 \iff X \neq -1$$
である。
また、$\frac{1}{4a} = -X - 1$ を④に代入して媒介変数 $a$ を消去すると、
$$Y = -3 + 2 \cdot \frac{1}{4a} = -3 + 2(-X - 1) = -2X - 5$$
したがって、頂点の軌跡は直線 $y = -2x - 5$ であり、条件 $X \neq -1$ から点 $(-1, -3)$ を除いた図形となる。
解説
接する条件の立式から文字を消去していく代数的な処理と、媒介変数表示された軌跡を求める標準的な問題である。(2) で文字 $a$ を消去して $X, Y$ の関係式を導く際、$a \neq 0$ という隠れた前提条件(放物線であるため)が $X$ の変域に制限を与える点に注意が必要である。この隠れた条件を見落とすと、除外点がないと答えてしまい減点対象となる。
答え
(1)
$$b = 2a + \frac{1}{2}, \quad c = a - \frac{5}{2} + \frac{9}{16a}$$
(2) 直線 $y = -2x - 5$ (ただし、点 $(-1, -3)$ を除く)
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