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九州大学 2001年 文系 第4問 解説

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九州大学 2001年 文系 第4問 解説

方針・初手

(1) は「互いに素」の定義を答える問題であり、以降の証明の土台となります。 (2), (3), (4) はすべて証明問題であり、背理法が有効です。特に (3) と (4) は前の小問の結論を順番に利用していく誘導形式になっています。 (3) では「有理数である」という条件を「既約分数(分母と分子が互いに素な整数)」で表し、(2) の結果を利用して分母が $1$ になることを導きます。 (4) では「少なくとも 2 つ」という条件を否定して背理法に持ち込み、(3) の結果を適用して「自然数の平方の差」に関する矛盾を導きます。

解法1

(1)

$2$ つの自然数 $a, b$ の最大公約数が $1$ であること。

(2)

$a^2$ と $b^2$ が互いに素でないと仮定する。 このとき、$a^2$ と $b^2$ はある素数 $p$ を共通の約数として持つ。 $a^2$ が素数 $p$ の倍数であるから、$a$ も $p$ の倍数である。 同様に、$b^2$ も素数 $p$ の倍数であるから、$b$ も $p$ の倍数である。 これは、$a$ と $b$ が互いに素である(共通の約数が $1$ のみである)ことに矛盾する。 したがって、$a^2$ と $b^2$ は互いに素である。

(3)

$\sqrt{n}$ が有理数であると仮定すると、互いに素な自然数 $p, q$ を用いて次のように既約分数で表せる。($n$ は自然数であり $\sqrt{n} > 0$ であるため、$p, q$ は自然数としてよい)

$$\sqrt{n} = \frac{q}{p}$$

両辺を $2$ 乗して整理すると

$$n = \frac{q^2}{p^2}$$

$$n p^2 = q^2$$

となる。 $p$ と $q$ は互いに素であるから、(2) の結果より $p^2$ と $q^2$ も互いに素である。 等式 $n p^2 = q^2$ より $p^2$ は $q^2$ の約数であるが、$p^2$ と $q^2$ が互いに素であるためには、$p^2 = 1$ でなければならない。 $p$ は自然数であるから、$p = 1$ である。 したがって、$\sqrt{n} = q$ となり、$q$ は自然数であるから、$\sqrt{n}$ は自然数である。

(4)

「$\sqrt{n}, \sqrt{n+1}, \sqrt{n+2}$ のうち少なくとも $2$ つは無理数である」という命題の否定は、「$\sqrt{n}, \sqrt{n+1}, \sqrt{n+2}$ のうち $2$ つ以上が有理数である」となる。 この否定命題を仮定して矛盾を導く。

(3) の結果より、$n$ が自然数のとき「根号つきの数が有理数ならば自然数となる」ことが示されている。 したがって、仮定より $\sqrt{n}, \sqrt{n+1}, \sqrt{n+2}$ のうち $2$ つ以上が自然数となる。 このうちの $2$ つの自然数を $x, y$ ($x < y$)とすると、根号の中身の差は $1$ または $2$ であるから

$$y^2 - x^2 = 1 \quad \text{または} \quad y^2 - x^2 = 2$$

が成り立つ。左辺を因数分解すると

$$(y - x)(y + x) = 1 \quad \text{または} \quad (y - x)(y + x) = 2$$

となる。 ここで、$x, y$ は自然数であり、$x < y$ であるから、$x \geqq 1$, $y \geqq 2$ が成り立つ。 よって、$y - x \geqq 1$ かつ $y + x \geqq 3$ であるから

$$(y - x)(y + x) \geqq 1 \times 3 = 3$$

となるが、これは $(y - x)(y + x)$ が $1$ または $2$ であることに矛盾する。 したがって仮定は誤りであり、$\sqrt{n}, \sqrt{n+1}, \sqrt{n+2}$ のうち少なくとも $2$ つは無理数であることが示された。

解説

整数と背理法の典型的な融合問題です。前の小問の結果を次の小問の証明で利用する、美しい誘導となっています。 (2) は背理法と「素数 $p$ が $k^2$ を割り切るなら、$p$ は $k$ を割り切る」という性質を用いて鮮やかに証明できます。 (3) は有理数であることを「互いに素な整数を用いた既約分数」で設定する定石の手法です。(2) の結果を用いることで、分母が $1$ にならざるを得ないことが自然に導かれます。 (4) は「少なくとも〜」の証明であるため、背理法の利用が第一感となります。(3) の結果から「有理数なら自然数」と言い換えることができ、平方数の差に関する議論に帰着させることができます。

答え

(1) 2つの自然数の最大公約数が $1$ であること。(または、公約数が $1$ のみであること) (2) (略)※解法1を参照 (3) (略)※解法1を参照 (4) (略)※解法1を参照

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