名古屋大学 1976年 文系 第3問 解説

方針・初手
与えられた条件を満たす5つの自然数の和 $S$ について、とりうる最小値と最大値を求める。さらに、その最小値から最大値までのすべての整数値を $S$ がとりうることを、和を $1$ ずつ増やす具体的な操作を示すことで証明する。
解法1
5つの自然数の和を $S = a_1 + a_2 + a_3 + a_4 + a_5$ とおく。
条件 $1 \leqq a_1 < a_2 < a_3 < a_4 < a_5 \leqq n$ より、$S$ が最小になるのは各 $a_k$ が可能な限り小さい値をとるときである。すなわち、$(a_1, a_2, a_3, a_4, a_5) = (1, 2, 3, 4, 5)$ のときであり、最小値は
$$ 1 + 2 + 3 + 4 + 5 = 15 $$
となる。
同様に、$S$ が最大になるのは各 $a_k$ が可能な限り大きい値をとるときである。すなわち、$(a_1, a_2, a_3, a_4, a_5) = (n-4, n-3, n-2, n-1, n)$ のときであり、最大値は
$$ (n-4) + (n-3) + (n-2) + (n-1) + n = 5n - 10 $$
となる。
次に、$S$ が $15$ 以上 $5n-10$ 以下のすべての整数値をとりうることを示す。
ある条件を満たす組 $(a_1, a_2, a_3, a_4, a_5)$ の和が $S$ であり、$S < 5n - 10$ であるとする。このとき、この組は最大値を与える組 $(n-4, n-3, n-2, n-1, n)$ とは一致しない。
したがって、「$a_k + 1 < a_{k+1}$ ($1 \leqq k \leqq 4$)」または「$a_5 < n$」の少なくとも一方が成り立つ。なぜなら、これらがすべて成り立たないと仮定すると、「すべての $1 \leqq k \leqq 4$ で $a_k + 1 = a_{k+1}$」かつ「$a_5 = n$」となり、組が $(n-4, n-3, n-2, n-1, n)$ に一致してしまうからである。
上記の条件を満たすような番号 $k$ (ただし $a_5 < n$ の場合は $k=5$ とみなす)のうち、最大のものを $l$ とする。このとき、$a_l$ を $a_l + 1$ に置き換えた新しい組
$$ (a_1, \dots, a_{l-1}, a_l + 1, a_{l+1}, \dots, a_5) $$
を考える。$l$ の選び方から、この新しい組もまた条件 $1 \leqq a_1 < a_2 < a_3 < a_4 < a_5 \leqq n$ を満たす。そして、この新しい組の要素の和は元の和 $S$ よりちょうど $1$ だけ大きい $S+1$ となる。
この操作を繰り返すことにより、最小値 $15$ から最大値 $5n - 10$ までのすべての整数を和として実現できることがわかる。
したがって、求める自然数の個数は、$15$ 以上 $5n - 10$ 以下の整数の個数に等しく、
$$ (5n - 10) - 15 + 1 = 5n - 24 $$
となる。
解説
とりうる値の最小値と最大値を求めることは容易だが、「その間にあるすべての整数値をとれること(値の連続性)」を確認し、論述することが求められる問題である。直感的には明らかだと思っても、「ある和 $S$ が得られているとき、$a_k$ のいずれかを $1$ 増やして $S+1$ を作れる」という論理を答案に明記することが重要である。
答え
$5n - 24$ 個
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