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大阪大学 1961年 文系 第1問 解説

数学A/図形の性質数学2/三角関数テーマ/図形総合
大阪大学 1961年 文系 第1問 解説

方針・初手

「4点 $C, D, E, F$ が同一円周上にある」という条件を、角度の関係式に翻訳することが第一歩である。 四角形 $ABCD$ と、4点 $C, D, E, F$ からなる四角形がそれぞれ円に内接する性質(対角の和が $180^\circ$、または方べきの定理)を組み合わせることで、特定の角の大きさを求めることができる。そこから三角形の形状を決定し、線分 $AB$ の長さを導く。

解法1

4点 $C, D, E, F$ が同一円周上にある。 直線 $ADF$ と 直線 $AEC$ はこの円に対する割線であるから、点 $A$ に関する方べきの定理より $AD \cdot AF = AE \cdot AC$ が成り立つ。 これより $AD : AC = AE : AF$ であり、$\angle DAE$ は共通であるから、$\triangle ADE \sim \triangle ACF$ である。 ゆえに、対応する角は等しく、$\angle ADE = \angle ACF$ が成り立つ。

ここで、点 $E$ は線分 $BD$ 上にあるため $\angle ADE = \angle ADB$ である。 また、3点 $F, C, B$ はこの順に一直線上にあるため、$\angle ACF = 180^\circ - \angle ACB$ である。 したがって、$\angle ADB = 180^\circ - \angle ACB$ が得られる。

一方で、四角形 $ABCD$ は円に内接しているため、弧 $AB$ に対する円周角は等しく、$\angle ADB = \angle ACB$ が成り立つ。 上の2式より、

$$ \begin{aligned} \angle ACB &= 180^\circ - \angle ACB \\ 2\angle ACB &= 180^\circ \\ \angle ACB &= 90^\circ \end{aligned} $$

$\angle ACB = 90^\circ$ であるから、円に内接する四角形 $ABCD$ において、弦 $AB$ に対する円周角が直角である。 すなわち、線分 $AB$ はこの円の直径である。 円の半径は $r$ であるから、求める長さは $2r$ となる。

解法2

点 $F$ は四角形 $ABCD$ の外部にあり、点 $E$ は四角形 $ABCD$ の内部にある。 したがって、直線 $CD$ に関して点 $F$ と点 $E$ は反対側にあるため、4点 $F, C, E, D$ をこの順に結ぶと凸四角形 $FCED$ ができる。 条件より、四角形 $FCED$ は円に内接するため、向かい合う内角の和は $180^\circ$ となる。 したがって、$\angle FDE + \angle FCE = 180^\circ$ が成り立つ。

3点 $F, D, A$ はこの順に一直線上にあり、点 $E$ は線分 $BD$ 上にあるから、$\angle FDE = 180^\circ - \angle BDA$ である。 同様に、3点 $F, C, B$ はこの順に一直線上にあり、点 $E$ は線分 $AC$ 上にあるから、$\angle FCE = 180^\circ - \angle BCA$ である。 これらを先ほどの式に代入すると、

$$ \begin{aligned} (180^\circ - \angle BDA) + (180^\circ - \angle BCA) &= 180^\circ \\ \angle BDA + \angle BCA &= 180^\circ \end{aligned} $$

が得られる。 一方で、四角形 $ABCD$ は円に内接するため、弧 $AB$ に対する円周角は等しく、$\angle BDA = \angle BCA$ が成り立つ。 上の2式より、

$$ \begin{aligned} 2\angle BCA &= 180^\circ \\ \angle BCA &= 90^\circ \end{aligned} $$

$\angle BCA = 90^\circ$ であるから、線分 $AB$ は円の直径である。 円の半径は $r$ であるから、求める長さは $2r$ となる。

解説

「4点が同一円周上にある」という条件の扱い方がポイントである。 円に内接する四角形の対角の和が $180^\circ$ になる性質や、方べきの定理といった円の基本性質を適切に引き出せるかが問われている。 解法1のように方べきの定理の逆から相似を見つけるアプローチと、解法2のように実直に角度を追っていくアプローチのどちらからでも結論にたどり着くことができる。 最終的に $\angle ACB = 90^\circ$ を導いた後、「円周角が $90^\circ$ ならばその弦は直径である」という性質を用いて $AB = 2r$ と結論づける流れは、図形問題における典型的な着地である。

答え

$$ 2r $$

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