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大阪大学 1963年 理系 第1問 解説

数学A/図形の性質数学2/三角関数テーマ/接線・法線テーマ/図形総合
大阪大学 1963年 理系 第1問 解説

方針・初手

円外の点から引いた接線とその接線上の点を用いた幾何問題である。 (1) では、直線 $PA$ が円 $O$ の接線であることに着目し、点 $M$ を基点として方べきの定理を用いる。さらに $M$ が $PA$ の中点であるという条件($MA=MP$)を組み合わせて比の式を作り、三角形の相似を見出すのが定石である。その後、接弦定理を用いて角を移していく。 (2) では、(1) で示した $\angle APD = \angle PDB$ が錯角の等式になっていることに気づき、$PA \parallel BD$ を導くのが初手となる。円の中心と接線、平行な弦の関係を図形的に処理すると計算を大幅に減らすことができる。

解法1

(1)

直線 $PA$ は円 $O$ の接線であり、$A$ はその接点であるから、点 $M$ と割線 $MB$ について方べきの定理を用いると、

$$MA^2 = MC \cdot MB$$

が成り立つ。

条件より、点 $M$ は線分 $PA$ の中点であるから $MA = MP$ である。これを代入して、

$$MP^2 = MC \cdot MB$$

これより、辺の比について

$$MP : MB = MC : MP$$

が成り立つ。

ここで、$\triangle MPC$ と $\triangle MBP$ について考える。 $\angle PMC = \angle BMP$ (共通)であり、上記の辺の比が等しいことから、2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しいため、

$$\triangle MPC \sim \triangle MBP$$

が成り立つ。

相似な図形の対応する角は等しいので、

$$\angle MPC = \angle MBP$$

すなわち、

$$\angle APD = \angle PBC$$

となる。

次に、直線 $PB$ も円 $O$ の接線であり、$B$ はその接点である。弦 $BC$ と接線 $PB$ のなす角について接弦定理を用いると、弧 $BC$ に対する円周角と等しくなるため、

$$\angle PBC = \angle CDB$$

が成り立つ。

点 $P, C, D$ は同一直線上にあるため、$\angle CDB = \angle PDB$ である。 したがって、

$$\angle APD = \angle PDB$$

となり、題意は証明された。

(2)

(1) の結果より、直線 $PA$ と直線 $BD$ に交わる直線 $PD$ についての錯角が等しい($\angle APD = \angle PDB$)ため、

$$PA \parallel BD$$

である。

円 $O$ の中心を $O$ とし、直線 $OA$ と直線 $BD$ の交点を $H$ とする。 直線 $PA$ は接点 $A$ における円 $O$ の接線であるから、半径 $OA$ と垂直に交わる。すなわち $OA \perp PA$ である。 $PA \parallel BD$ であるから、

$$OA \perp BD$$

となる。したがって、円の中心 $O$ から弦 $BD$ に下ろした垂線は弦を垂直に二等分するため、$H$ は弦 $BD$ の中点となる。

次に、四角形 $PAOB$ について考える。 接線と半径の性質より $\angle PAO = \angle PBO = 90^\circ$ である。 四角形の内角の和は $360^\circ$ であり、条件より $\angle APB = 45^\circ$ であるから、中心角 $\angle AOB$ は、

$$\angle AOB = 360^\circ - (90^\circ + 90^\circ + 45^\circ) = 135^\circ$$

となる。

$\angle AOB > 90^\circ$ であり、$OA \perp BD$ であるから、点 $B$ から直線 $OA$ に下ろした垂線の足 $H$ は、線分 $OA$ 上ではなく、点 $O$ を端点として $A$ とは反対側に伸びる半直線 $OA$ の延長上にある。 直角三角形 $\triangle OBH$ において、

$$\angle BOH = 180^\circ - \angle AOB = 180^\circ - 135^\circ = 45^\circ$$

である。

円 $O$ の半径は $1$ であるから $OB = 1$ となり、

$$BH = OB \sin 45^\circ = 1 \cdot \frac{1}{\sqrt{2}} = \frac{\sqrt{2}}{2}$$

となる。

$H$ は $BD$ の中点であるから、求める線分 $BD$ の長さは、

$$BD = 2 BH = 2 \cdot \frac{\sqrt{2}}{2} = \sqrt{2}$$

である。

解説

本問は、接線の一部の中点が登場する構図において「方べきの定理」から「相似」を作り出す、大学入試における図形問題の非常に美しく典型的な手筋を問うている。(1) では $MA=MP$ を用いて $MA^2=MC \cdot MB$ を $MP^2=MC \cdot MB$ に置き換える発想がすべてである。 (2) は (1) の結論が「$PA$ と $BD$ の平行」を意味していることに気がつけるかがポイントである。平行線と円の性質(中心からの垂線が弦を二等分する)を組み合わせることで、余弦定理などの煩雑な計算を回避し、直角三角形の三角比のみで簡潔に解答することができる。

答え

(1) 略(解説参照) (2) $\sqrt{2}$

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