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大阪大学 1978年 文系 第2問 解説

数学C/平面ベクトル数学A/図形の性質数学1/図形計量テーマ/図形総合テーマ/不等式の証明
大阪大学 1978年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) 点が線分を直径とする円の内部または周上にある条件を、角度の条件($90^\circ$ 以上であること)に言い換える。背理法を用いて、周りの3つの角の和が $360^\circ$ になることと矛盾を導く。

(2) 与えられたベクトル方程式の幾何学的な意味を考える。$\frac{\vec{b}-\vec{a}}{p}$ と $\frac{\vec{c}-\vec{a}}{q}$ はそれぞれ $\vec{AB}$ と $\vec{AC}$ と同じ向きの単位ベクトルであることに着目し、それらの和のベクトルがどのような向きになるかを考察する。

解法1

(1)

3角形の頂点を $A, B, C$ とする。

点 $P$ が辺 $BC$ を直径とする円に含まれる(内部または周上にある)ための条件は、

$$ \angle BPC \geqq 90^\circ $$

である。同様に、辺 $CA, AB$ を直径とする円に含まれるための条件は、それぞれ $\angle CPA \geqq 90^\circ, \angle APB \geqq 90^\circ$ となる。

点 $P$ は $\triangle ABC$ の内部にあるので、周りの角の和について

$$ \angle BPC + \angle CPA + \angle APB = 360^\circ $$

が成り立つ。また、点 $P$ が内部にあることから、これらの3つの角はいずれも $180^\circ$ 未満である。

ここで、点 $P$ が各辺を直径とする3つの円のうち、最大でも1つにしか含まれないと仮定する。

これは、$\angle BPC, \angle CPA, \angle APB$ のうち、少なくとも2つが $90^\circ$ 未満であることを意味する。一般性を失わず、$\angle BPC < 90^\circ$ かつ $\angle CPA < 90^\circ$ と仮定してよい。

このとき、残りの角 $\angle APB$ について

$$ \angle APB = 360^\circ - (\angle BPC + \angle CPA) > 360^\circ - (90^\circ + 90^\circ) = 180^\circ $$

となるが、これは $\angle APB < 180^\circ$ であることに矛盾する。

したがって、背理法により、点 $P$ は各辺を直径とする3つの円のうち、少なくとも2つに含まれることが示された。

(2)

与えられた位置ベクトルを $\vec{r}$ とおく。

位置ベクトルの定義より、$\vec{AB} = \vec{b} - \vec{a}$, $\vec{AC} = \vec{c} - \vec{a}$ であり、問題の条件より $p = |\vec{AB}|, q = |\vec{AC}|$ である。

よって、与えられた式は次のように変形できる。

$$ \vec{r} = \vec{a} + t \left( \frac{\vec{AB}}{|\vec{AB}|} + \frac{\vec{AC}}{|\vec{AC}|} \right) $$

ここで、$\frac{\vec{AB}}{|\vec{AB}|}$ と $\frac{\vec{AC}}{|\vec{AC}|}$ はそれぞれ、$\vec{AB}$ 方向、$\vec{AC}$ 方向の単位ベクトルである。

大きさが等しい2つのベクトルの和は、その2つのベクトルが作るひし形の対角線となるため、2つのベクトルがなす角の二等分線に平行なベクトルとなる。したがって、ベクトル $\frac{\vec{AB}}{|\vec{AB}|} + \frac{\vec{AC}}{|\vec{AC}|}$ は、$\angle BAC$ の二等分線と同じ向きのベクトルである。

$\vec{r}$ は点 $A$ を始点とし、この角の二等分線の向きのベクトルを $t$ 倍したものを加えた位置ベクトルである。$t \geqq 0$ であるから、$\vec{r}$ を位置ベクトルとしてもつ点は、点 $A$ を端点とし、$\angle BAC$ を二等分する半直線上を動く。

解説

(1) は幾何学的な位置関係を角度の不等式に翻訳し、背理法を用いることで簡潔に証明できる。円周角の定理の逆の拡張(点と円の位置関係)が基礎となる。

(2) はベクトル方程式の幾何学的意味を問う典型問題である。ベクトルの大きさを $1$ に揃える(単位ベクトル化する)ことでひし形を作り出し、角の二等分線方向のベクトルを構成する処理は非常によく使われるため、確実に押さえておきたい。

答え

(1)

題意の通り証明された。

(2)

$\angle BAC$ の二等分線のうち、点 $A$ を端点とする半直線。

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