トップ 大阪大学 1978年 文系 第1問

大阪大学 1978年 文系 第1問 解説

数学2/指数対数数学1/方程式不等式テーマ/不等式の証明テーマ/場合分け
大阪大学 1978年 文系 第1問 解説

方針・初手

対数を含む不等式を解く問題である。まずは何よりも「真数条件」を確認する。その後、異なる底 $8, 64, 4$ を持つ対数が含まれているため、底の変換公式を用いて底を最も扱いやすい素数である $2$ に統一して計算を進める。

解法1

真数は正であるから、

$$ 2-x > 0 \quad \text{かつ} \quad x+1 > 0 \quad \text{かつ} \quad x > 0 $$

これを解くと、

$$ x < 2 \quad \text{かつ} \quad x > -1 \quad \text{かつ} \quad x > 0 $$

すなわち、求める真数条件は

$$ 0 < x < 2 \cdots \text{①} $$

である。

次に、与えられた不等式の底を $2$ に統一する。底の変換公式より、

$$ \log_8 (2-x) = \frac{\log_2 (2-x)}{\log_2 8} = \frac{1}{3} \log_2 (2-x) $$

$$ \log_{64} (x+1) = \frac{\log_2 (x+1)}{\log_2 64} = \frac{1}{6} \log_2 (x+1) $$

$$ \log_4 x = \frac{\log_2 x}{\log_2 4} = \frac{1}{2} \log_2 x $$

これらを与式に代入すると、

$$ \frac{1}{3} \log_2 (2-x) + \frac{1}{6} \log_2 (x+1) \geqq \frac{1}{2} \log_2 x $$

両辺を $6$ 倍して分母を払うと、

$$ 2 \log_2 (2-x) + \log_2 (x+1) \geqq 3 \log_2 x $$

対数の性質を用いて係数を真数の指数に移動し、左辺を $1$ つの対数にまとめる。

$$ \log_2 (2-x)^2 + \log_2 (x+1) \geqq \log_2 x^3 $$

$$ \log_2 \left\{ (2-x)^2 (x+1) \right\} \geqq \log_2 x^3 $$

底 $2$ は $1$ より大きいので、真数の大小関係は不等号の向きと一致する。

$$ (2-x)^2 (x+1) \geqq x^3 $$

左辺を展開して整理する。

$$ (4 - 4x + x^2)(x+1) \geqq x^3 $$

$$ 4x + 4 - 4x^2 - 4x + x^3 + x^2 \geqq x^3 $$

$$ -3x^2 + 4 \geqq 0 $$

両辺に $-1$ を掛けて符号を反転させると、

$$ 3x^2 - 4 \leqq 0 $$

$$ x^2 \leqq \frac{4}{3} $$

これを解くと、

$$ -\frac{2}{\sqrt{3}} \leqq x \leqq \frac{2}{\sqrt{3}} $$

有理化して、

$$ -\frac{2\sqrt{3}}{3} \leqq x \leqq \frac{2\sqrt{3}}{3} \cdots \text{②} $$

最後に、真数条件 ① と不等式の解 ② の共通範囲を求める。ここで、$\frac{2\sqrt{3}}{3} = \sqrt{\frac{12}{9}} = \sqrt{\frac{4}{3}}$ であり、$1 < \frac{4}{3} < 4$ であるから、$1 < \frac{2\sqrt{3}}{3} < 2$ であることがわかる。

したがって、① と ② の共通範囲は、

$$ 0 < x \leqq \frac{2\sqrt{3}}{3} $$

となる。

解説

対数方程式・不等式における定石を忠実に実行する問題である。 第一に「真数条件」の確認である。これを忘れたり後回しにしたりすると、無縁根が混入する可能性が高まるため、必ず最初に立式しておく習慣をつけたい。 第二に「底の統一」である。底の変換公式を用いて、式に登場する底の最大公約数的な素数(本問では $2$)に統一することで、式全体の見通しが良くなる。 第三に、対数を外して真数同士を比較する際、底が $1$ より大きい場合は不等号の向きがそのまま維持され、底が $0$ より大きく $1$ より小さい場合は不等号の向きが逆転する点に注意する。本問では底を $2$ としたため、不等号の向きはそのままとなる。 最後に求まった範囲と真数条件の共通範囲をとる際、無理数($\frac{2\sqrt{3}}{3}$)と有理数($2$)の大小関係を比較するステップがあるが、2乗して比べるなどして正確に判断する必要がある。

答え

$$ 0 < x \leqq \frac{2\sqrt{3}}{3} $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。