東北大学 2013年 文系 第1問 解説

方針・初手
$f(x)=x^2-2(a+1)x+3a$ とおく。放物線 $y=f(x)$ は上に開くので、2つの異なる実数解が区間 $[-1,3]$ にともに入る条件は、放物線の軸が区間内にあり、両端での値が 0 以上になることを用いて判定できる。
解法1
まず、2次方程式
$$ x^2-2(a+1)x+3a=0 $$
の判別式を調べる。
$$ \begin{aligned} D&={-2(a+1)}^2-4\cdot 1\cdot 3a \\ &=4(a+1)^2-12a \\ &=4(a^2-a+1) \\ &=4\left{\left(a-\frac12\right)^2+\frac34\right}>0 \end{aligned} $$
したがって、この方程式は $a$ の値によらず常に 2 つの異なる実数解をもつ。
よって、あとはその 2 解がともに $-1\le x\le 3$ に入る条件を求めればよい。
放物線 $y=f(x)$ は上に開き、その軸は
$$ x=\frac{2(a+1)}{2}=a+1 $$
である。2解がともに区間 $[-1,3]$ にあるための必要十分条件は、
$$ f(-1)\ge 0,\qquad f(3)\ge 0,\qquad -1\le a+1\le 3 $$
である。
実際に計算すると、
$$ \begin{aligned} f(-1)&=(-1)^2-2(a+1)(-1)+3a \\ &=1+2(a+1)+3a \\ &=5a+3 \end{aligned} $$
より、
$$ 5a+3\ge 0 \iff a\ge -\frac35 $$
また、
$$ \begin{aligned} f(3)&=3^2-2(a+1)\cdot 3+3a \\ &=9-6(a+1)+3a \\ &=3-3a \end{aligned} $$
より、
$$ 3-3a\ge 0 \iff a\le 1 $$
さらに軸の条件は
$$ -1\le a+1\le 3 \iff -2\le a\le 2 $$
である。
したがって、これらを合わせると
$$ -\frac35\le a\le 1 $$
となる。
次に、この範囲で頂点の $y$ 座標の範囲を求める。
放物線 $y=x^2-2(a+1)x+3a$ の頂点の $x$ 座標は $a+1$ であるから、頂点の $y$ 座標を $Y$ とすると、
$$ \begin{aligned} Y&=f(a+1) \\ &=(a+1)^2-2(a+1)^2+3a \\ &=-(a+1)^2+3a \\ &=-a^2+a-1 \\ &=-\left(a-\frac12\right)^2-\frac34 \end{aligned} $$
ここで $a$ は
$$ -\frac35\le a\le 1 $$
を動く。
$Y=-\left(a-\frac12\right)^2-\frac34$ は下に開く2次式であるから、最大値は $a=\frac12$ のときにとる。
$$ Y_{\max}=-\frac34 $$
最小値は区間の端で調べればよい。
$$ Y\left(-\frac35\right)=-\frac{9}{25}-\frac35-1=-\frac{49}{25} $$
$$ Y(1)=-1 $$
したがって最小値は
$$ Y_{\min}=-\frac{49}{25} $$
である。
よって、頂点の $y$ 座標の取りうる範囲は
$$ -\frac{49}{25}\le Y\le -\frac34 $$
である。
解説
この問題の要点は、まず判別式を見て「異なる実数解をもつ」という条件が実は常に満たされることを確認する点にある。そのうえで、解が指定区間に入る条件を、上に開く放物線の端点での符号と軸の位置に言い換えるのが自然である。
(1) では根を直接求めて不等式処理をしてもよいが、端点条件
$$ f(-1)\ge 0,\qquad f(3)\ge 0 $$
を使う方が簡潔である。
(2) では頂点の $y$ 座標を $a$ の式で表し、平方完成して最大・最小を判定するのが基本である。
答え
(1)
$$ -\frac35\le a\le 1 $$
(2)
頂点の $y$ 座標の取りうる範囲は
$$ -\frac{49}{25}\le y\le -\frac34 $$
である。
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