東北大学 1968年 理系 第1問 解説

方針・初手
与えられた等式の左辺は $S$ の式として $(x+y+z)^2 = S^2$ と表すことができます。右辺の $ax+by+cz$ について、$x, y, z$ の符号の条件と $a, b, c$ の大小関係を用いて、不等式による評価を行います。具体的には、$a, b, c$ の最大値である $a$ と最小値である $c$ で置き換えて上限と下限を調べます。
解法1
$S = x+y+z$ であり、条件 $x \geqq 0$、$y > 0$、$z \geqq 0$ より、
$$ S > 0 $$
である。
次に、与えられた等式の右辺 $ax+by+cz$ と $cS$ の大小関係を比較する。
$$ \begin{aligned} (ax+by+cz) - cS &= ax+by+cz - c(x+y+z) \\ &= (a-c)x + (b-c)y \end{aligned} $$
条件 $a > b > c$ より $a-c > 0$ かつ $b-c > 0$ である。 さらに、条件 $x \geqq 0$、$y > 0$ より $(a-c)x \geqq 0$ かつ $(b-c)y > 0$ となるため、
$$ (a-c)x + (b-c)y > 0 $$
が成り立つ。したがって、
$$ cS < ax+by+cz $$
となる。
同様にして、$ax+by+cz$ と $aS$ の大小関係を比較する。
$$ \begin{aligned} aS - (ax+by+cz) &= a(x+y+z) - (ax+by+cz) \\ &= (a-b)y + (a-c)z \end{aligned} $$
条件 $a > b > c$ より $a-b > 0$ かつ $a-c > 0$ である。 さらに、条件 $y > 0$、$z \geqq 0$ より $(a-b)y > 0$ かつ $(a-c)z \geqq 0$ となるため、
$$ (a-b)y + (a-c)z > 0 $$
が成り立つ。したがって、
$$ ax+by+cz < aS $$
となる。
以上の結果から、次の不等式が得られる。
$$ cS < ax+by+cz < aS $$
問題の条件より $(x+y+z)^2 = ax+by+cz$ であり、左辺は $S^2$ であるから、
$$ cS < S^2 < aS $$
ここで、$S > 0$ であるため、各辺を $S$ で割っても不等号の向きは変わらない。よって、
$$ c < S < a $$
が得られる。
解説
複数の変数の和の形になっている式を、係数の最大値や最小値にそろえて不等式を作る手法は、数学において非常に重要かつ頻出の評価方法です。
本問で注意すべき点は、不等号に等号が含まれるかどうかの確認です。$x$ と $z$ は $0$ になる可能性がありますが、$y > 0$ という条件があるため、評価の過程で現れる $(b-c)y$ や $(a-b)y$ は必ず正の値をとります。これにより、最終的な不等式にも等号がつかず、厳密な大小関係を導くことができます。
答え
$$ c < S < a $$
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