東北大学 1969年 理系 第3問 解説

方針・初手
放物線またはだ円の接線の方程式を傾き $m$ を用いて表し、それがもう一方の曲線にも接する条件から $m$ に関する方程式を導く。その後、2つの接線が直交するという条件(傾きの積が $-1$)を適用して $p$ の値を決定する。
解法1
だ円 $\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$ に接し、傾きが $m$ である直線の方程式は次のように表される。
$$ y = mx \pm \sqrt{a^2 m^2 + b^2} $$
一方、放物線 $y^2 = 4px$ に接し、傾きが $m$ ($m \neq 0$)である直線の方程式は次のように表される。
$$ y = mx + \frac{p}{m} $$
これらが同一の直線(共通接線)となるための条件は、切片が一致することであるから、
$$ \frac{p}{m} = \pm \sqrt{a^2 m^2 + b^2} $$
両辺を2乗して整理する。
$$ \frac{p^2}{m^2} = a^2 m^2 + b^2 $$
$$ a^2 m^4 + b^2 m^2 - p^2 = 0 $$
この $m$ についての方程式が、共通接線の傾きを与える。 $X = m^2$ とおくと、方程式は $X$ についての2次方程式となる。
$$ a^2 X^2 + b^2 X - p^2 = 0 $$
$a^2 > 0$ かつ定数項 $-p^2 < 0$ ($p>0$より)であるから、この2次方程式は正の実数解と負の実数解を1つずつもつ。 $X = m^2 \ge 0$ であるため、適する解は正の解のみである。これを $\alpha$ ($\alpha > 0$)とする。 $m^2 = \alpha$ より、共通接線の傾き $m$ は $\sqrt{\alpha}$ と $-\sqrt{\alpha}$ の2つ存在し、これに対応して共通接線も2本存在する。
これら2本の共通接線が直交するとき、その傾きの積は $-1$ となるため、
$$ \sqrt{\alpha} \cdot (-\sqrt{\alpha}) = -1 $$
$$ -\alpha = -1 $$
$$ \alpha = 1 $$
すなわち、$m^2 = 1$ が先ほどの $X$ の方程式を満たす。これを代入すると、
$$ a^2 \cdot 1^2 + b^2 \cdot 1 - p^2 = 0 $$
$$ p^2 = a^2 + b^2 $$
$p > 0$ であるから、
$$ p = \sqrt{a^2 + b^2} $$
解法2
放物線 $y^2 = 4px$ の接線の方程式を設定し、それがだ円に接する条件を判別式から求めるアプローチをとる。
放物線 $y^2 = 4px$ に接する直線で $y$ 軸に平行なものは存在しない。したがって、接線の傾きを $m$ ($m \neq 0$)とおくことができる。 接点における接線の方程式は $y = mx + \frac{p}{m}$ となる。
これがだ円 $\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$ にも接する条件を求める。 だ円の方程式に接線の式を代入する。
$$ \frac{x^2}{a^2} + \frac{1}{b^2} \left( mx + \frac{p}{m} \right)^2 = 1 $$
両辺に $a^2 b^2$ を掛けて分母を払う。
$$ b^2 x^2 + a^2 \left( m^2 x^2 + 2px + \frac{p^2}{m^2} \right) - a^2 b^2 = 0 $$
$x$ について整理する。
$$ (a^2 m^2 + b^2) x^2 + 2a^2 p x + a^2 \left( \frac{p^2}{m^2} - b^2 \right) = 0 $$
この $x$ の2次方程式が重解をもつので、判別式を $D$ とすると $D=0$ となる。
$$ \frac{D}{4} = (a^2 p)^2 - (a^2 m^2 + b^2) a^2 \left( \frac{p^2}{m^2} - b^2 \right) = 0 $$
$a^2 > 0$ であるから $a^2$ で割り、右側の項を展開する。
$$ a^2 p^2 - \left( a^2 p^2 - a^2 b^2 m^2 + \frac{b^2 p^2}{m^2} - b^4 \right) = 0 $$
整理すると、
$$ a^2 b^2 m^2 - \frac{b^2 p^2}{m^2} + b^4 = 0 $$
$b^2 > 0$ であるから $b^2$ で割り、両辺に $m^2$ ($m \neq 0$)を掛ける。
$$ a^2 m^4 + b^2 m^2 - p^2 = 0 $$
これは解法1で得られたものと同一の $m^2$ に関する2次方程式である。 $X = m^2$ とおいた方程式 $a^2 X^2 + b^2 X - p^2 = 0$ は正の解 $\alpha$ を1つだけもち、共通接線の傾きは $m = \pm \sqrt{\alpha}$ となる。 2つの接線が直交する条件から傾きの積が $-1$ となり、$\alpha = 1$ を得る。 よって $m^2 = 1$ を代入して、
$$ a^2 + b^2 - p^2 = 0 $$
$p > 0$ より、
$$ p = \sqrt{a^2 + b^2} $$
解説
2つの曲線の共通接線を求める典型的な問題である。2つの曲線のうち、接線の方程式を傾き $m$ を用いて簡潔に表せるものから出発し、もう一方の曲線に接する条件を課すアプローチが定石である。 解法1のようにだ円の接線の公式 $y = mx \pm \sqrt{a^2 m^2 + b^2}$ を用いる手法は強力であり、計算量を大幅に削減できる。 また、「2つの接線が直交する」という条件から傾きの積を考え、$m^2$ の値が直接定まるという論理の流れも、2次曲線の接線問題において頻出である。
答え
$$ p = \sqrt{a^2 + b^2} $$
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