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北海道大学 1962年 理系 第4問 解説

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北海道大学 1962年 理系 第4問 解説

方針・初手

(1)は陰関数の微分を用いるか、接線の条件(重解)を用いて公式を導出する。

(2)は(1)の結果を用いて、2つの接線の交点 $Q$ の座標を文字で表す。直線 $AO$ と直線 $BO$ が直交するという条件からパラメータの間に成り立つ関係式を導き、$Q$ の座標に代入して軌跡を求める。

解法1

(1) 放物線 $y^2 = 4dx$ について、$d \neq 0$ とする($d=0$ のときは放物線にならないため)。

(i) $y_1 \neq 0$ のとき

$y^2 = 4dx$ の両辺を $x$ について微分すると、

$$ 2y \cdot y' = 4d $$

$$ y' = \frac{2d}{y} $$

したがって、点 $P(x_1, y_1)$ における接線の傾きは $\frac{2d}{y_1}$ となる。接線の方程式は、

$$ y - y_1 = \frac{2d}{y_1} (x - x_1) $$

$$ y_1 y - y_1^2 = 2d (x - x_1) $$

点 $P$ は放物線上の点であるから $y_1^2 = 4dx_1$ が成り立つ。これを代入して整理すると、

$$ y_1 y - 4dx_1 = 2dx - 2dx_1 $$

$$ y_1 y = 2d (x + x_1) $$

(ii) $y_1 = 0$ のとき

点 $P$ は原点 $(0,0)$ である。このときの接線は $y$ 軸、すなわち $x = 0$ である。 これは (i) で求めた式 $y_1 y = 2d (x + x_1)$ に $x_1 = 0, y_1 = 0$ を代入した式 $0 = 2dx$($d \neq 0$ より $x = 0$)と一致する。

以上より、求める接線の方程式は、

$$ y_1 y = 2d (x + x_1) $$

(2) 放物線上の点 $A, B$ の座標をそれぞれ $A(x_A, y_A), B(x_B, y_B)$ とおく。$A, B$ は頂点 $O(0,0)$ と異なるため、$y_A \neq 0$ かつ $y_B \neq 0$ である。 このとき、$x_A = \frac{y_A^2}{4d}$、$x_B = \frac{y_B^2}{4d}$ と表せる。

直線 $AO$ の傾きは $\frac{y_A}{x_A} = \frac{y_A}{\frac{y_A^2}{4d}} = \frac{4d}{y_A}$ であり、同様に直線 $BO$ の傾きは $\frac{y_B}{x_B} = \frac{4d}{y_B}$ である。 $AO$ と $BO$ が直交することから、傾きの積は $-1$ となる。

$$ \frac{4d}{y_A} \cdot \frac{4d}{y_B} = -1 $$

$$ y_A y_B = -16d^2 $$

次に、点 $A, B$ における接線をそれぞれ $l_A, l_B$ とおく。(1)より、これらの方程式は以下のようになる。

$$ \begin{cases} l_A : y_A y = 2d(x + x_A) \\ l_B : y_B y = 2d(x + x_B) \end{cases} $$

2接線の交点 $Q$ の座標を $(X, Y)$ とおくと、これらは以下の連立方程式を満たす。

$$ \begin{cases} y_A Y = 2d(X + x_A) \quad \cdots ① \\ y_B Y = 2d(X + x_B) \quad \cdots ② \end{cases} $$

①から②を辺々引くと、

$$ (y_A - y_B)Y = 2d(x_A - x_B) $$

$x_A, x_B$ を $y_A, y_B$ で表して右辺を変形する。

$$ (y_A - y_B)Y = 2d \left( \frac{y_A^2}{4d} - \frac{y_B^2}{4d} \right) = \frac{1}{2}(y_A^2 - y_B^2) = \frac{1}{2}(y_A - y_B)(y_A + y_B) $$

$y_A y_B = -16d^2 < 0$ より $y_A \neq y_B$ であるため、両辺を $y_A - y_B$ で割ることができる。

$$ Y = \frac{1}{2}(y_A + y_B) $$

これを①に代入して $X$ について解く。

$$ 2dX = y_A Y - 2dx_A = y_A \cdot \frac{1}{2}(y_A + y_B) - 2d \cdot \frac{y_A^2}{4d} $$

$$ 2dX = \frac{1}{2}y_A^2 + \frac{1}{2}y_A y_B - \frac{1}{2}y_A^2 = \frac{1}{2}y_A y_B $$

ここで、直交条件 $y_A y_B = -16d^2$ を代入する。

$$ 2dX = \frac{1}{2}(-16d^2) = -8d^2 $$

$d \neq 0$ より、両辺を $2d$ で割って、

$$ X = -4d $$

したがって、交点 $Q$ の座標は $\left(-4d, \frac{y_A + y_B}{2}\right)$ となる。すなわち、$Q$ は直線 $x = -4d$ 上にある。

ここで、$Y$ がすべての実数値をとり得るか(軌跡上の存在範囲に制限がないか)を確認する。 $y_A, y_B$ は和が $2Y$、積が $-16d^2$ であるため、$t$ についての二次方程式 $t^2 - 2Yt - 16d^2 = 0$ の2つの実数解である。 この二次方程式の判別式を $D$ とすると、

$$ \frac{D}{4} = (-Y)^2 - 1 \cdot (-16d^2) = Y^2 + 16d^2 > 0 \quad (d \neq 0 より) $$

したがって、任意の実数 $Y$ に対して、条件を満たす異なる2つの実数 $y_A, y_B$(どちらも $0$ ではない)が常に存在する。

よって、求める軌跡は直線 $x = -4d$ である。

解説

二次曲線における接線の方程式と、その交点の軌跡を求める標準的な問題である。(1)の接線の公式は暗記事項として扱われることも多いが、本問のように導出を求められる場合があるため、微分を用いた証明手順を身につけておく必要がある。

(2)では、交点の座標を2つの接点の $y$ 座標の和と積で表すことができるかどうかがポイントとなる。放物線 $y^2 = 4px$ における2つの接線の交点の $x$ 座標は、2つの接点の $x$ 座標の相乗平均(符号を考慮)に等しく、$y$ 座標は相加平均に等しくなるという性質がある。また、$y_A y_B$ の値が定数になることから $X$ が定数となり、軌跡が直線になるという流れは二次曲線の軌跡問題における典型的な処理である。最後に軌跡の限界(実数解の存在範囲)の確認を忘れないことが論理的な完答の条件となる。

答え

(1) $y_1 y = 2d(x + x_1)$

(2) 直線 $x = -4d$

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