数学1 背理法 問題 3 解説

方針・初手
(1) は背理法を用いて証明する典型問題である。$b \neq 0$ と仮定して矛盾を導く。
(2) は (1) の結果を利用する。与えられた等式を $A + B\sqrt{2} = 0$($A, B$ は有理数)の形に整理し、(1) で証明した性質を適用して連立方程式に帰着させる。$\sqrt{8}$ や $\sqrt{18}$ を $a\sqrt{2}$ の形に直すのが最初のステップとなる。
解法1
(1) $b \neq 0$ と仮定する。 $a + b\sqrt{2} = 0$ より、移項して以下を得る。
$$ b\sqrt{2} = -a $$
$b \neq 0$ であるから、両辺を $b$ で割ることができる。
$$ \sqrt{2} = -\frac{a}{b} $$
ここで、$a, b$ は有理数であるから、$-\frac{a}{b}$ も有理数である。 しかし、これは $\sqrt{2}$ が無理数であるという事実に矛盾する。 したがって、仮定は誤りであり、$b = 0$ でなければならない。
$b = 0$ を $a + b\sqrt{2} = 0$ に代入すると、
$$ a + 0 \cdot \sqrt{2} = 0 $$
よって、$a = 0$ となる。 以上より、有理数 $a, b$ が $a + b\sqrt{2} = 0$ を満たすとき、$a = 0$ かつ $b = 0$ であることが証明された。
(2) 与えられた等式は以下の通りである。
$$ (3+\sqrt{8})a + (2-\sqrt{2})b = 1 + \sqrt{18} $$
$\sqrt{8} = 2\sqrt{2}$、$\sqrt{18} = 3\sqrt{2}$ であるから、これを代入して展開する。
$$ (3+2\sqrt{2})a + (2-\sqrt{2})b = 1 + 3\sqrt{2} $$
$$ 3a + 2a\sqrt{2} + 2b - b\sqrt{2} = 1 + 3\sqrt{2} $$
右辺を左辺に移項し、有理数部分と $\sqrt{2}$ の係数部分に分けて整理する。
$$ (3a + 2b - 1) + (2a - b - 3)\sqrt{2} = 0 $$
ここで、$a, b$ は有理数であるから、$3a + 2b - 1$ および $2a - b - 3$ も有理数である。 したがって、(1) で証明した性質により、以下の連立方程式が成り立つ。
$$ \begin{cases} 3a + 2b - 1 = 0 \\ 2a - b - 3 = 0 \end{cases} $$
第2式より $b = 2a - 3$ となるので、これを第1式に代入する。
$$ 3a + 2(2a - 3) - 1 = 0 $$
$$ 3a + 4a - 6 - 1 = 0 $$
$$ 7a = 7 $$
よって、$a = 1$ を得る。 これを $b = 2a - 3$ に代入して、$b = 2 \cdot 1 - 3 = -1$ となる。
解説
「無理数の相等」あるいは「無理数の独立性」と呼ばれる重要な性質の基本定理を自ら証明し、それを利用する問題である。
(1) での背理法を用いた証明は、数学Aの整数分野あるいは数学Iの数と式の分野における代表的な論法であるため、淀みなく記述できるようにしておきたい。
(2) において (1) の結果を用いる際、「$3a+2b-1$ と $2a-b-3$ がともに有理数である」という断り書きは論理展開上必須である。この記述を省略すると、減点の対象となる可能性が高いため注意が必要である。
答え
- (1) 解法1を参照
- (2) $a = 1, b = -1$
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