数学1 背理法 問題 8 解説

方針・初手
(1) は無理数であることの証明であるため、背理法を用いるのが定石である。$\log_3 4$ が有理数であると仮定し、対数の定義に従って累乗の形に直すことで、整数の性質(偶奇や素因数分解の一意性)による矛盾を導く。
(2) は (1) が誘導になっていると考えるのが自然である。(1) で無理数であることが示された $\log_3 4$ を指数 $b$ として用い、累乗の結果が有理数になるような無理数の底 $a$ を探す。
解法1
(1)
$\log_3 4$ が有理数であると仮定する。 $\log_3 4 > 0$ であるから、互いに素な自然数 $p, q$ を用いて
$$ \log_3 4 = \frac{p}{q} $$
と表すことができる。 対数の定義より、
$$ 3^{\frac{p}{q}} = 4 $$
両辺を $q$ 乗すると、
$$ 3^p = 4^q $$
$$ 3^p = 2^{2q} $$
$p, q$ は自然数であるから、左辺の $3^p$ は奇数であり、右辺の $2^{2q}$ は偶数となるため、これは矛盾である。 したがって、$\log_3 4$ は無理数である。
(2)
(1) の結果より、$b = \log_3 4$ は無理数である。 ここで、底 $a$ として無理数である $\sqrt{3}$ を選ぶと、
$$ \begin{aligned} a^b &= (\sqrt{3})^{\log_3 4} \\ &= \left( 3^{\frac{1}{2}} \right)^{\log_3 4} \\ &= 3^{\frac{1}{2} \log_3 4} \\ &= 3^{\log_3 4^{\frac{1}{2}}} \\ &= 3^{\log_3 2} \\ &= 2 \end{aligned} $$
$2$ は有理数であるから、組 $(a, b) = (\sqrt{3}, \log_3 4)$ は $a, b$ がともに無理数で $a^b$ が有理数となる条件を満たす。
解法2
(2)の別解
$b = \log_2 3$ とおく。これが無理数であることを示す。 $\log_2 3 = \frac{p}{q}$ ($p, q$ は互いに素な自然数)と仮定すると、
$$ 2^{\frac{p}{q}} = 3 $$
$$ 2^p = 3^q $$
左辺は偶数、右辺は奇数となり矛盾する。よって $b = \log_2 3$ は無理数である。 ここで、底 $a$ を $\sqrt{2}$ (無理数)とする。ただし、指数をそのまま $b$ にすると $a^b = \sqrt{3}$ となり無理数となってしまうため、指数を $2b = 2\log_2 3$ とする。 無理数の $2$ 倍である $2\log_2 3$ も無理数である。
$$ \begin{aligned} a^{2b} &= (\sqrt{2})^{2\log_2 3} \\ &= \left( (\sqrt{2})^2 \right)^{\log_2 3} \\ &= 2^{\log_2 3} \\ &= 3 \end{aligned} $$
$3$ は有理数である。 したがって、組 $(a, b) = (\sqrt{2}, 2\log_2 3)$ も条件を満たす。
解説
(1) は、無理数の証明において背理法を用いる非常に典型的な問題である。対数を指数方程式に変換し、整数問題に帰着させる手法は確実にマスターしておきたい。
(2) は、「無理数の無理数乗が有理数になり得るか」という数学的に有名なテーマを題材にしている。(1) が強力な誘導となっており、証明済みの無理数をうまく利用して逆算的に底を決定するのが最も確実なアプローチである。 別解に示したように、対数の性質を用いれば条件を満たす組は無数に構成することができる。
答え
(1) 本文参照(背理法により証明)
(2) $(a, b) = (\sqrt{3}, \log_3 4)$ (※条件を満たす組の一例)
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