数学1 必要条件十分条件 問題 1 解説

方針・初手
与えられた2つの条件を $P, Q$ とおき、命題 $P \implies Q$ と $Q \implies P$ の真偽をそれぞれ判定する。 真であることを示すには証明を与え、偽であることを示すには反例を1つ挙げる。 条件式は、あらかじめ同値変形を行って扱いやすい形にしておくことがポイントである。
解法1
(1)
$P: a=b=c$ $Q: a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca=0$ とする。
$P \implies Q$ について、 $a=b=c$ のとき、条件 $Q$ の左辺に代入すると
$$ a^2+a^2+a^2-a^2-a^2-a^2 = 0 $$
となり成立する。よって真である。
$Q \implies P$ について、 条件 $Q$ の等式の両辺を2倍すると
$$ 2a^2+2b^2+2c^2-2ab-2bc-2ca=0 $$
項を組み替えて平方完成すると
$$ (a^2-2ab+b^2) + (b^2-2bc+c^2) + (c^2-2ca+a^2) = 0 $$
$$ (a-b)^2 + (b-c)^2 + (c-a)^2 = 0 $$
$a, b, c$ は実数であるから、$(a-b)^2 \geqq 0$, $(b-c)^2 \geqq 0$, $(c-a)^2 \geqq 0$ である。 したがって、これらの和が $0$ になるのは
$$ a-b=0 \text{ かつ } b-c=0 \text{ かつ } c-a=0 $$
すなわち $a=b=c$ のときのみである。 よって $Q \implies P$ も真である。
以上より、$P \implies Q$ かつ $Q \implies P$ が成り立つため、$a=b=c$ は $a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca=0$ であるための必要十分条件である。
(2)
$P: a-b=0$ $Q: |a-b|=|a+b|$ とする。
条件 $Q$ について、両辺はともに $0$ 以上であるから、両辺を2乗しても同値である。
$$ (a-b)^2 = (a+b)^2 $$
展開して整理すると
$$ a^2-2ab+b^2 = a^2+2ab+b^2 $$
$$ 4ab = 0 $$
よって、$ab=0$ すなわち「$a=0$ または $b=0$」と同値である。
$P \implies Q$ について、 反例として $a=1, b=1$ を考えると、$a-b=0$ を満たすが、$ab = 1 \neq 0$ となり $Q$ を満たさない。 よって偽である。
$Q \implies P$ について、 反例として $a=1, b=0$ を考えると、$ab=0$ を満たすが、$a-b = 1 \neq 0$ となり $P$ を満たさない。 よって偽である。
以上より、$P \implies Q$ も $Q \implies P$ も偽であるため、$a-b=0$ は $|a-b|=|a+b|$ であるための必要条件でも十分条件でもない。
解説
必要条件・十分条件の判定は、条件を分かりやすい形に同値変形してから $P \implies Q$ および $Q \implies P$ の真偽をそれぞれ確かめるのが基本である。
(1)の $a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca=0 \iff a=b=c$ は、式変形の典型手法として非常によく用いられる。有名不等式 $a^2+b^2+c^2 \geqq ab+bc+ca$ の等号成立条件としても知られているため、結果ごと覚えておくとよい。
(2)は、絶対値の等式 $|X|=|Y|$ が与えられたとき、両辺が $0$ 以上であることを利用して $X^2=Y^2$ と両辺を2乗して処理する手法が有効である。同値変形を正しく行うことで、「$a=0$ または $b=0$」という簡潔な条件に帰着できる。
答え
- [ア] ③
- [イ] ④
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