トップ 基礎問題 数学1 命題と集合 命題の証明 問題 2

数学1 命題の証明 問題 2 解説

数学1 命題の証明 問題 2 解説

方針・初手

「少なくとも1つは〜」という条件を含む命題の真偽を考える際は、対偶をとるか背理法を用いると見通しが良くなる。 命題「$P \implies Q$」とその対偶「$\overline{Q} \implies \overline{P}$」の真偽は一致する。 また、考える対象が整数である場合、「$a, b$ のうち少なくとも1つは $n$ 以上」の否定は「$a, b$ はともに $n-1$ 以下」と表せることに注意する。

解法1

(1)

求める最大の整数を $n$ とする。 与えられた命題「正の整数 $a, b$ について、$ab \geqq 50$ ならば、$a, b$ のうち少なくとも1つは $n$ 以上である」の対偶を考える。

対偶は、「正の整数 $a, b$ について、$a, b$ がともに $n-1$ 以下であるならば、$ab < 50$ である」となる。

この対偶が真となるような最大の正の整数 $n$ を求めればよい。 $a \leqq n-1$ かつ $b \leqq n-1$ のとき、$a, b$ は正の整数であるから、$ab$ が最大となるのは $a = n-1, b = n-1$ のときである。 したがって、対偶が真となる条件は、

$$ (n-1)^2 < 50 $$

を満たすことである。 $n$ は正の整数であるから、$n-1 \geqq 0$ となり、これを満たす最大の整数 $n-1$ は $7$ である。

$$ n-1 \leqq 7 $$

すなわち、

$$ n \leqq 8 $$

となる。 よって、あてはまる最大の整数は $8$ である。

(2)

命題Aおよび命題Bについて、それぞれ対偶を考える。

命題Aの条件

命題Aの対偶は、「正の整数 $a, b, c$ について、$a, b, c$ がすべて $9$ 以下であるならば、$abc < k$ である」となる。

$a \leqq 9, b \leqq 9, c \leqq 9$ を満たす正の整数 $a, b, c$ について、$abc$ が最大となるのは $a=b=c=9$ のときであり、その最大値は、

$$ 9^3 = 729 $$

である。 したがって、対偶が常に真となるための条件は、

$$ 729 < k $$

すなわち、

$$ k \geqq 730 $$

である。

命題Bの条件

命題Bの対偶は、「正の整数 $a, b, c$ について、$a, b, c$ がすべて $11$ 以上であるならば、$abc > k$ である」となる。

$a \geqq 11, b \geqq 11, c \geqq 11$ を満たす正の整数 $a, b, c$ について、$abc$ が最小となるのは $a=b=c=11$ のときであり、その最小値は、

$$ 11^3 = 1331 $$

である。 したがって、対偶が常に真となるための条件は、

$$ 1331 > k $$

すなわち、

$$ k \leqq 1330 $$

である。

最大値と最小値

命題Aと命題Bがともに真となるための条件は、上の2つの条件を同時に満たすことであるから、

$$ 730 \leqq k \leqq 1330 $$

となる。 したがって、これを満たす正の整数 $k$ のうち、最大のものは $1330$、最小のものは $730$ である。

解説

「少なくとも〜」という条件の処理の基本である、対偶を利用する典型的な論理問題である。 直接証明しようとすると、たとえば (1) では $a \geqq 8$ の場合、$b$ は任意の正の整数を取りうるなど、条件の扱いが煩雑になるため得策ではない。 対偶をとる際、整数の不等式の否定について、「$n$ 以上」の否定が「$n-1$ 以下」になること、「$n$ 以下」の否定が「$n+1$ 以上」になることを正確に言い換えられるかがポイントである。

答え

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。