数学2 微分の基本 問題 2 解説

方針・初手
微分の定義式 $f'(a) = \lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(a)}{h}$ を利用できるように、分子に $f(3)$ を引いて足す変形を行う。その後、極限をとる部分が定義式と一致するように分母を調整する。
解法1
求める極限の式の分子に $-f(3) + f(3)$ を補って変形する。
$$\lim_{h \to 0} \frac{f(3+3h) - f(3-2h)}{h}$$
$$= \lim_{h \to 0} \frac{f(3+3h) - f(3) - \{f(3-2h) - f(3)\}}{h}$$
$$= \lim_{h \to 0} \left\{ \frac{f(3+3h) - f(3)}{h} - \frac{f(3-2h) - f(3)}{h} \right\}$$
微分の定義式を使える形にするため、分母の $h$ の係数を分子のカッコ内と合わせる。
$$= \lim_{h \to 0} \left\{ 3 \cdot \frac{f(3+3h) - f(3)}{3h} - (-2) \cdot \frac{f(3-2h) - f(3)}{-2h} \right\}$$
ここで $h \to 0$ のとき $3h \to 0$、$ -2h \to 0$ であるから、微分の定義より以下のようになる。
$$= 3f'(3) + 2f'(3)$$
$$= 5f'(3)$$
一方で、与えられた関数 $f(x) = \frac{1}{5}x^5 - \frac{1}{3}x^3 + x - 1$ を微分すると、導関数は次のようになる。
$$f'(x) = x^4 - x^2 + 1$$
$x = 3$ を代入して $f'(3)$ を求める。
$$f'(3) = 3^4 - 3^2 + 1 = 81 - 9 + 1 = 73$$
したがって、求める極限値は次のようになる。
$$5f'(3) = 5 \times 73 = 365$$
解法2
分子全体を $h$ の関数 $g(h)$ とおいて微分の定義式に帰着させる。
$$g(h) = f(3+3h) - f(3-2h)$$
とおく。このとき $g(0) = f(3) - f(3) = 0$ である。
求める極限は、関数 $g(h)$ の $h=0$ における微分係数 $g'(0)$ の定義式そのものとなる。
$$\lim_{h \to 0} \frac{f(3+3h) - f(3-2h)}{h} = \lim_{h \to 0} \frac{g(h) - g(0)}{h} = g'(0)$$
合成関数の微分法を用いて $g(h)$ を $h$ で微分する。
$$g'(h) = f'(3+3h) \cdot 3 - f'(3-2h) \cdot (-2) = 3f'(3+3h) + 2f'(3-2h)$$
したがって、$h=0$ を代入すると次のようになる。
$$g'(0) = 3f'(3) + 2f'(3) = 5f'(3)$$
$f(x) = \frac{1}{5}x^5 - \frac{1}{3}x^3 + x - 1$ より $f'(x) = x^4 - x^2 + 1$ であるから、
$$f'(3) = 3^4 - 3^2 + 1 = 73$$
よって、求める値は次のようになる。
$$5 \times 73 = 365$$
解説
微係数の定義を問う頻出の基本問題である。
解法1のように分子に $f(a)$ を補って $\frac{f(a+ph)-f(a)}{ph}$ の形を作り出す変形は、このタイプの極限を求める際の定石である。分母と分子の $h$ の係数を一致させることがポイントとなる。
一般に、微分可能な関数 $f(x)$ について $\lim_{h \to 0} \frac{f(a+ph) - f(a+qh)}{h} = (p-q)f'(a)$ が成り立つ。この結果を公式として知っておくと、見通しが良くなり計算ミスを防ぐための検算にも役立つ。
答え
365
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