数学2 微分の基本 問題 4 解説

方針・初手
- (1) は、導関数の定義式に $g(x)=xf(x)$ を代入し、極限の計算において $f'(x)$ の定義式が現れるように式変形を行う。その際、$f(x)$ が微分可能であれば連続であるという性質も用いる。
- (2) は、(1) で証明した性質を帰納法のステップで活用する。自然数 $n=k$ での成立を仮定した関数を $f(x) = x^k$ とおき、$n=k+1$ での関数を $g(x) = x^{k+1} = xf(x)$ とみることで、(1) の関係式がそのまま利用できる。
解法1
(1) 導関数の定義に従って $g'(x)$ を計算する。
$$g'(x) = \lim_{h \to 0} \frac{g(x+h) - g(x)}{h}$$
$g(x) = xf(x)$ であるから、代入して分子を展開する。
$$g'(x) = \lim_{h \to 0} \frac{(x+h)f(x+h) - xf(x)}{h}$$
$$g'(x) = \lim_{h \to 0} \frac{xf(x+h) + hf(x+h) - xf(x)}{h}$$
項を組み替え、$x$ でくくれる部分をまとめる。
$$g'(x) = \lim_{h \to 0} \left\{ x \frac{f(x+h) - f(x)}{h} + f(x+h) \right\}$$
ここで、$f(x)$ は導関数 $f'(x)$ をもつので微分可能であり、微分可能であれば連続である。したがって、$\lim_{h \to 0} f(x+h) = f(x)$ が成り立つ。
また、導関数の定義より $\lim_{h \to 0} \frac{f(x+h) - f(x)}{h} = f'(x)$ である。
それぞれの極限をとると、次が導かれる。
$$g'(x) = x f'(x) + f(x)$$
よって示された。
(2) 数学的帰納法を用いて、命題「自然数 $n$ について、$g(x) = x^n$ のとき $g'(x) = nx^{n-1}$ である」を証明する。
(i) $n=1$ のとき
$g(x) = x^1 = x$ である。導関数の定義より計算する。
$$g'(x) = \lim_{h \to 0} \frac{(x+h) - x}{h} = \lim_{h \to 0} \frac{h}{h} = 1$$
一方、$nx^{n-1}$ に $n=1$ を代入すると $1 \cdot x^{1-1} = 1 \cdot x^0 = 1$ となり、微分した結果と一致する。 よって、$n=1$ のとき命題は成り立つ。
(ii) $n=k$ ($k$ は自然数)のとき成り立つと仮定する。
すなわち、関数を $f(x) = x^k$ としたとき、$f'(x) = kx^{k-1}$ が成り立つと仮定する。
このとき、$n=k+1$ の場合を考える。 関数を $g(x) = x^{k+1}$ とすると、$g(x) = x \cdot x^k = x f(x)$ と表すことができる。
(1) の結果を用いると、$g(x)$ の導関数 $g'(x)$ は次のように計算できる。
$$g'(x) = x f'(x) + f(x)$$
仮定より $f(x) = x^k$, $f'(x) = kx^{k-1}$ であるから、これらを代入する。
$$g'(x) = x \left( kx^{k-1} \right) + x^k$$
$$g'(x) = kx^k + x^k$$
$$g'(x) = (k+1)x^k$$
これは、命題が $n=k+1$ のときにも成り立つことを示している。
(i), (ii) より、すべての自然数 $n$ について、$g(x) = x^n$ のとき $g'(x) = nx^{n-1}$ となることが示された。
解説
- 微分法における基本的な公式 $x^n$ の微分と、積の微分法の一部を自力で導出する問題である。
- (1) では、定義式から $f(x+h) - f(x)$ の形を作り出すための項の分割がポイントとなる。また、極限の計算において「関数が微分可能なら連続である」という性質を用いて $\lim_{h\to 0}f(x+h) = f(x)$ と処理する論理の記述が欠かせない。
- (2) は (1) を誘導として用いる典型的な数学的帰納法の問題である。帰納法の仮定で登場する $x^k$ を $f(x)$ として設定し、(1) で示した関係式 $g(x) = xf(x)$ に当てはめることで簡潔な証明が可能になる。
答え
(1) 導関数の定義式において分子を $x\{f(x+h) - f(x)\}$ と $hf(x+h)$ に分割し、$f(x)$ が微分可能であることから $\lim_{h \to 0} f(x+h) = f(x)$ となることを用いて示された。
(2) 数学的帰納法を用い、$n=1$ での成立を定義から直接示し、$n=k$ での成立を仮定した $f(x)=x^k$ に対して $g(x)=xf(x)$ として (1) の結果を利用することで、$n=k+1$ での成立が示された。
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





