数学2 グラフ・増減・極値 問題 2 解説

方針・初手
絶対値記号を外すために、絶対値の中身である $x$ の正負で場合分けを行う。それぞれの場合で関数を微分して導関数を求め、関数全体の増減表を作成する。$x=0$ における微分可能性に注意しつつ、極値を判定する。
解法1
$f(x) = |x|(x^2 - 5x + 3)$ について、$x$ の符号により場合分けをする。
(i) $x \geqq 0$ のとき
$$f(x) = x(x^2 - 5x + 3) = x^3 - 5x^2 + 3x$$
これを $x$ で微分すると、
$$f'(x) = 3x^2 - 10x + 3 = (3x - 1)(x - 3)$$
$f'(x) = 0$ となるのは、$x = \frac{1}{3}, 3$ のときである。これらはともに $x \geqq 0$ を満たす。
(ii) $x < 0$ のとき
$$f(x) = -x(x^2 - 5x + 3) = -x^3 + 5x^2 - 3x$$
これを $x$ で微分すると、
$$f'(x) = -3x^2 + 10x - 3 = -(3x^2 - 10x + 3) = -(3x - 1)(x - 3)$$
$x < 0$ の範囲では、$3x - 1 < 0$ かつ $x - 3 < 0$ であるため、$(3x - 1)(x - 3) > 0$ となる。 したがって、常に $f'(x) < 0$ である。
また、$x = 0$ の前後での微係数を調べると、
$$\lim_{x \to +0} f'(x) = 3, \quad \lim_{x \to -0} f'(x) = -3$$
となり、左側微分係数と右側微分係数が一致しないため、$x = 0$ において $f(x)$ は微分不可能である。しかし、関数 $f(x)$ 自身は $x = 0$ で連続であり、$x=0$ の前後で $f'(x)$ の符号が負から正へ変化するため、$x = 0$ で極小値をとる。
以上より、$f(x)$ の増減表は次のようになる。
| $x$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ | $\frac{1}{3}$ | $\cdots$ | $3$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $-$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ | |
| $f(x)$ | $\searrow$ | $0$ | $\nearrow$ | $\frac{13}{27}$ | $\searrow$ | $-9$ | $\nearrow$ |
極値となる $y$ の値は以下の通りである。
$$f\left(\frac{1}{3}\right) = \frac{1}{3} \left(\frac{1}{9} - \frac{5}{3} + 3\right) = \frac{13}{27}$$
$$f(3) = 3 (9 - 15 + 3) = -9$$
$$f(0) = 0$$
また、$x$ 軸との交点は $f(x) = 0$ を解いて得られる。
$$|x|(x^2 - 5x + 3) = 0$$
これを解くと、$x = 0$ または $x^2 - 5x + 3 = 0$ より、
$$x = 0, \frac{5 \pm \sqrt{13}}{2}$$
グラフの概形は、上記の増減表と $x$ 軸との交点をもとに描かれる、$x=0$ で尖点(折れ曲がる点)を持つ曲線となる。
解説
絶対値を含む関数のグラフを描く典型問題である。絶対値の中身の正負で区間を分け、それぞれの区間で微分して増減を調べる手順を確実に行う必要がある。 特に、$x=0$ のように場合分けの境界となる点では、導関数が定義されない(微分不可能である)ことがあるが、関数の連続性と前後の導関数の符号変化から極値の判定を行うことができる。この点で記述に抜けが生じないよう注意したい。
答え
$x = \frac{1}{3}$ のとき、極大値 $\frac{13}{27}$
$x = 0$ のとき、極小値 $0$
$x = 3$ のとき、極小値 $-9$
グラフの概形は、増減表の通りである($x$ 軸との交点は $x = 0, \frac{5 \pm \sqrt{13}}{2}$)。
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