トップ 基礎問題 数学2 微分法 グラフ・増減・極値 問題 3

数学2 グラフ・増減・極値 問題 3 解説

数学2 グラフ・増減・極値 問題 3 解説

方針・初手

関数が与えられた区間で増加関数であるための条件は、その区間において導関数が常に $0$ 以上となることである。 まずは関数を微分し、導関数が $0$ 以上となる不等式を立てる。その後、定数 $a$ を分離して最大・最小を考えるか、あるいは導関数を2次関数とみなしてグラフの配置問題として処理する。

解法1

与えられた関数を $f(x)$ とおく。

$$f(x) = x^3 - 3ax^2 - 12x + 3$$

$f(x)$ を $x$ で微分する。

$$f'(x) = 3x^2 - 6ax - 12$$

関数 $f(x)$ が閉区間 $1 \leqq x \leqq 2$ で増加関数であるための条件は、この区間において常に $f'(x) \geqq 0$ が成り立つことである。

$$3x^2 - 6ax - 12 \geqq 0$$

両辺を $3$ で割って整理する。

$$x^2 - 2ax - 4 \geqq 0$$

定数 $a$ について解くために、$a$ を含む項を移項する。

$$2ax \leqq x^2 - 4$$

いま、$1 \leqq x \leqq 2$ を考えているので、$x > 0$ である。よって、両辺を $2x$ で割っても不等号の向きは変わらない。

$$a \leqq \frac{x^2 - 4}{2x} = \frac{1}{2}x - \frac{2}{x}$$

この不等式が $1 \leqq x \leqq 2$ で常に成り立つための条件は、定数 $a$ が区間 $1 \leqq x \leqq 2$ における関数 $g(x) = \frac{1}{2}x - \frac{2}{x}$ の最小値以下となることである。 $g(x)$ を微分する。

$$g'(x) = \frac{1}{2} + \frac{2}{x^2}$$

$1 \leqq x \leqq 2$ において常に $g'(x) > 0$ であるから、$g(x)$ はこの区間で単調に増加する。 したがって、$g(x)$ の最小値は $x = 1$ のときの値である。

$$g(1) = \frac{1}{2} - 2 = -\frac{3}{2}$$

ゆえに、求める $a$ の範囲は以下のようになる。

$$a \leqq -\frac{3}{2}$$

解法2

解法1と同様に導関数を求め、整理した不等式から出発する。

$$x^2 - 2ax - 4 \geqq 0$$

左辺を $h(x)$ とおく。

$$h(x) = x^2 - 2ax - 4 = (x - a)^2 - a^2 - 4$$

$y = h(x)$ のグラフは、軸が直線 $x = a$ で下に凸の放物線である。 閉区間 $1 \leqq x \leqq 2$ において常に $h(x) \geqq 0$ が成り立つための条件は、この区間における $h(x)$ の最小値が $0$ 以上となることである。 軸 $x = a$ の位置によって、以下のように場合分けを行う。

(i) $a < 1$ のとき 区間 $1 \leqq x \leqq 2$ において、$h(x)$ は単調に増加する。よって最小値は $h(1)$ である。

$$h(1) = 1 - 2a - 4 = -2a - 3 \geqq 0$$

これを解いて $a \leqq -\frac{3}{2}$ を得る。これは場合分けの条件 $a < 1$ を満たす。

(ii) $1 \leqq a \leqq 2$ のとき 区間 $1 \leqq x \leqq 2$ において、$h(x)$ の最小値は頂点の $y$ 座標である。

$$h(a) = -a^2 - 4 \geqq 0$$

これを解くと $a^2 \leqq -4$ となるが、これを満たす実数 $a$ は存在しない。

(iii) $a > 2$ のとき 区間 $1 \leqq x \leqq 2$ において、$h(x)$ は単調に減少する。よって最小値は $h(2)$ である。

$$h(2) = 4 - 4a - 4 = -4a \geqq 0$$

これを解いて $a \leqq 0$ を得るが、これは場合分けの条件 $a > 2$ と矛盾するため不適である。

(i), (ii), (iii) より、求める $a$ の範囲は以下の通りとなる。

$$a \leqq -\frac{3}{2}$$

解説

関数が増加関数である条件を導関数の符号に帰着させる基本的な問題である。 得られた不等式が特定の区間で常に成り立つ条件を求める際、解法1のように「定数分離」を用いると、場合分けが不要になり計算量が減ることが多い。特に、分離した後の関数が今回のように単調な関数である場合は非常に見通しが良くなる。 解法2の2次関数の最小値による場合分けは、どのような問題にも適用できる汎用性の高い標準的な手法である。軸の位置と区間の位置関係を視覚的に捉えて漏れなく場合分けを行う必要がある。

答え

$a \leqq -\frac{3}{2}$

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