数学2 グラフ・増減・極値 問題 5 解説

方針・初手
関数 $f(x)$ が $x=\alpha$ で極値をとるための必要条件は $f'(\alpha) = 0$ である。この性質を用いて連立方程式を立て、$a, b, c, d$ の値を求める。
求めた値はあくまで「極値をとる候補」となるための必要条件から導かれたものにすぎないため、最後にその関数が実際に $x=1$ で極大、$x=3$ で極小となるかどうかの十分性を確認することが不可欠である。
解法1
与えられた関数は以下の通りである。
$$f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d$$
これを $x$ で微分すると導関数が得られる。
$$f'(x) = 3ax^2 + 2bx + c$$
$f(x)$ は $x=1$ で極大値 $1$、$x=3$ で極小値 $0$ をとるため、以下の4つの条件が成り立つ。
$$\begin{aligned} f'(1) &= 0 \\ f'(3) &= 0 \\ f(1) &= 1 \\ f(3) &= 0 \end{aligned}$$
それぞれに具体的な式を代入すると、次の連立方程式が得られる。
$$\begin{aligned} 3a + 2b + c &= 0 \quad \cdots \text{①} \\ 27a + 6b + c &= 0 \quad \cdots \text{②} \\ a + b + c + d &= 1 \quad \cdots \text{③} \\ 27a + 9b + 3c + d &= 0 \quad \cdots \text{④} \end{aligned}$$
②から①を辺々引くと次式を得る。
$$24a + 4b = 0$$
これより $b = -6a$ となる。これを①に代入して $c$ を $a$ で表す。
$$3a + 2(-6a) + c = 0$$
$$c = 9a$$
$b = -6a$ と $c = 9a$ を③に代入する。
$$a - 6a + 9a + d = 1$$
$$4a + d = 1 \quad \cdots \text{⑤}$$
同様に、④に代入する。
$$27a + 9(-6a) + 3(9a) + d = 0$$
$$27a - 54a + 27a + d = 0$$
$$d = 0$$
$d=0$ を⑤に代入して $a$ を求める。
$$4a = 1$$
$$a = \frac{1}{4}$$
これより、$b, c$ の値も定まる。
$$b = -6 \cdot \frac{1}{4} = -\frac{3}{2}$$
$$c = 9 \cdot \frac{1}{4} = \frac{9}{4}$$
以上により、$a, b, c, d$ の値の候補が求まった。次に、このとき関数が実際に条件を満たすか(十分性)を確認する。
$$f(x) = \frac{1}{4}x^3 - \frac{3}{2}x^2 + \frac{9}{4}x$$
$$f'(x) = \frac{3}{4}x^2 - 3x + \frac{9}{4} = \frac{3}{4}(x^2 - 4x + 3) = \frac{3}{4}(x-1)(x-3)$$
$f'(x) = 0$ となるのは $x=1, 3$ のときである。$x$ の前後における $f'(x)$ の符号の変化を調べると、$x < 1$ で正、$1 < x < 3$ で負、$x > 3$ で正となる。
したがって、$f(x)$ は $x=1$ で極大値、$x=3$ で極小値をもち、与えられた条件を満たすことが確認できた。
解法2
$f(x)$ は3次関数であり、$x=1, 3$ で極値をもつことから、導関数 $f'(x)$ は $x=1, 3$ を解にもつ2次方程式 $f'(x)=0$ を構成する。$f(x)$ の最高次 $x^3$ の係数が $a$ であるから、$f'(x)$ の最高次 $x^2$ の係数は $3a$ である。よって、$f'(x)$ は次のように表せる。
$$f'(x) = 3a(x-1)(x-3) = 3a(x^2 - 4x + 3)$$
これを積分して $f(x)$ を求める。積分定数を $C$ とする。
$$f(x) = 3a \left( \frac{1}{3}x^3 - 2x^2 + 3x \right) + C = ax^3 - 6ax^2 + 9ax + C$$
元の式 $f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d$ と係数を比較すると、以下の関係が得られる。
$$b = -6a$$
$$c = 9a$$
$$d = C$$
極値の条件 $f(1) = 1$、$f(3) = 0$ を用いる。
$$f(1) = a - 6a + 9a + d = 4a + d = 1 \quad \cdots \text{⑥}$$
$$f(3) = 27a - 54a + 27a + d = d = 0 \quad \cdots \text{⑦}$$
⑦より $d=0$ である。これを⑥に代入する。
$$4a = 1$$
$$a = \frac{1}{4}$$
$a = \frac{1}{4} > 0$ であるため、導関数 $f'(x) = \frac{3}{4}(x-1)(x-3)$ は下に凸の放物線を表す。これにより、$f'(x)$ の符号は $x=1$ の前後で正から負へ、$x=3$ の前後で負から正へと変化する。
したがって、$f(x)$ は確かに $x=1$ で極大、$x=3$ で極小となり、十分性が満たされる。
残りの係数を計算する。
$$b = -6 \cdot \frac{1}{4} = -\frac{3}{2}$$
$$c = 9 \cdot \frac{1}{4} = \frac{9}{4}$$
解説
「$x=\alpha$ で極値をもつ」という条件を処理する際、$f'(\alpha)=0$ は必要条件でしかないことに注意が必要である。$f'(\alpha)=0$ であっても、その前後で $f'(x)$ の符号が変化しなければ極値とはならないためである。
したがって、係数を求めた後に増減表(または $f'(x)$ のグラフの概形や最高次係数の符号)を用いて、極大・極小が問題の指定通りになることを確認する記述が必須となる。解法2のように導関数から逆算するアプローチは、係数比較が容易になるため計算ミスの軽減に有効である。
答え
$a = \frac{1}{4}$
$b = -\frac{3}{2}$
$c = \frac{9}{4}$
$d = 0$
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