数学2 グラフ・増減・極値 問題 6 解説

方針・初手
(1) 円に内接する正方形の中心は円の中心(原点)と一致する。したがって、1つの頂点を原点の周りに $90^\circ, 180^\circ, 270^\circ$ 回転させることで残りの頂点を求めることができる。
(2) (1)で求めた4点がすべて $y=f(x)$ 上にある条件から、$f(x)$ の係数についての連立方程式を立てる。関数であるため、4点の $x$ 座標はすべて異なることに注意し、$f(x)$ が奇関数であることを導く。その後、「4点のみを共有する」という条件を、連立して得られる方程式の実数解の個数、あるいはグラフの接条件に言い換えて処理する。
解法1
(1)
円 $x^2 + y^2 = 1$ に内接する正方形の中心は、円の中心である原点 $(0,0)$ に一致する。 1つの頂点を $\text{A}(p,q)$ とすると、残りの頂点は点 $\text{A}$ を原点の周りに $90^\circ, 180^\circ, 270^\circ$ ($-90^\circ$) 回転させた点である。 座標平面における原点周りの $90^\circ$ 回転は $(x, y) \mapsto (-y, x)$、$180^\circ$ 回転(原点対称)は $(x, y) \mapsto (-x, -y)$、$-90^\circ$ 回転は $(x, y) \mapsto (y, -x)$ であるから、求める残りの頂点の座標は以下のようになる。
$$(-q, p), \ (-p, -q), \ (q, -p)$$
(2)
(1)の4点が曲線 $y = f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d$ 上にある。 関数 $y=f(x)$ は1つの $x$ に対して $y$ の値がただ1つ定まるため、これら4点の $x$ 座標 $p, -q, -p, q$ はすべて異なっていなければならない。 したがって、$p \neq 0, q \neq 0$ かつ $p \neq \pm q$ である。 4点の座標を $y = f(x)$ に代入すると、以下の4式が成り立つ。
$$\begin{cases} q = ap^3 + bp^2 + cp + d & \cdots \text{①} \\ p = -aq^3 + bq^2 - cq + d & \cdots \text{②} \\ -q = -ap^3 + bp^2 - cp + d & \cdots \text{③} \\ -p = aq^3 + bq^2 + cq + d & \cdots \text{④} \end{cases}$$
①と③の辺々を足すと $0 = 2bp^2 + 2d$ となり、$bp^2 + d = 0$ を得る。 ②と④の辺々を足すと $0 = 2bq^2 + 2d$ となり、$bq^2 + d = 0$ を得る。 これら2式の辺々を引くと $b(p^2 - q^2) = 0$ となる。 $p \neq \pm q$ より $p^2 - q^2 \neq 0$ であるから $b=0$ であり、これより $d=0$ も従う。 よって、$f(x) = ax^3 + cx$ であり、$f(x)$ は奇関数となる。
次に、曲線 $y = ax^3 + cx$ と円 $x^2 + y^2 = 1$ の共有点について考える。 共有点の $x$ 座標は、方程式 $x^2 + (ax^3+cx)^2 = 1$ すなわち以下の6次方程式の実数解である。
$$a^2 x^6 + 2ac x^4 + (c^2+1)x^2 - 1 = 0 \cdots \text{⑤}$$
条件より、共有点は正方形の4頂点のみであるから、⑤の実数解は $x = \pm p, \pm q$ の4つのみである。 したがって、⑤の左辺は $(x^2-p^2)(x^2-q^2)$ を因数にもつ。実数の定数 $r$ を用いて次のように因数分解できる。
$$a^2 x^6 + 2ac x^4 + (c^2+1)x^2 - 1 = a^2(x^2-p^2)(x^2-q^2)(x^2-r)$$
右辺を展開して定数項を比較すると、$-1 = -a^2 p^2 q^2 r$ すなわち $a^2 p^2 q^2 r = 1$ となる。 $a \neq 0, p \neq 0, q \neq 0$ より $a^2 p^2 q^2 > 0$ であるから、$r > 0$ である。 ここで、もし $r \neq p^2$ かつ $r \neq q^2$ ならば、⑤は新たな実数解 $x = \pm \sqrt{r}$ を持ち、共有点が6個になってしまい条件に反する。 よって、$r = p^2$ または $r = q^2$ でなければならない。対称性から $r = p^2$ としても一般性を失わない。 このとき、⑤の左辺を展開した式の $x^4$ と $x^2$ の係数を比較すると、
$$2ac = -a^2(2p^2+q^2) \cdots \text{⑥}$$
$$c^2+1 = a^2(p^4+2p^2 q^2) \cdots \text{⑦}$$
また、$p^2+q^2=1$ であることを用いる。 ⑥より $2c = -a(p^2+1)$ すなわち $c = -\frac{a(p^2+1)}{2}$。 これを⑦に代入すると、
$$\frac{a^2(p^2+1)^2}{4} + 1 = a^2(p^4+2p^2 q^2)$$
両辺を $a^2$ で割り、$a^2 p^4 q^2 = 1$ より $\frac{1}{a^2} = p^4 q^2$ であることを用いると、
$$\frac{(p^2+1)^2}{4} + p^4 q^2 = p^4 + 2p^2 q^2$$
$q^2 = 1-p^2$ を代入して $p^2$ だけの式にする。
$$\frac{(p^2+1)^2}{4} + p^4(1-p^2) = p^4 + 2p^2(1-p^2)$$
展開して整理する。
$$\frac{p^4+2p^2+1}{4} + p^4 - p^6 = -p^4 + 2p^2$$
両辺を4倍する。
$$p^4 + 2p^2 + 1 + 4p^4 - 4p^6 = -4p^4 + 8p^2$$
$$4p^6 - 9p^4 + 6p^2 - 1 = 0$$
$t = p^2$ とおくと、$4t^3 - 9t^2 + 6t - 1 = 0$ となる。 因数定理より $t=1$ を解にもつことがわかり、$(t-1)(4t^2 - 5t + 1) = 0$ すなわち $(t-1)^2(4t-1) = 0$ と因数分解できる。 $t = p^2 = 1$ のとき $q=0$ となり不適であるから、$t = \frac{1}{4}$ すなわち $p^2 = \frac{1}{4}$ である。 このとき $q^2 = 1 - \frac{1}{4} = \frac{3}{4}$ である。 ($r=q^2$ とした場合は $p^2 = \frac{3}{4}, q^2 = \frac{1}{4}$ となるが、$p^2$ と $q^2$ の値の組は同じである)
$p^2 = \frac{1}{4}, q^2 = \frac{3}{4}$ を $a^2 p^4 q^2 = 1$ に代入すると、
$$a^2 \cdot \frac{1}{16} \cdot \frac{3}{4} = 1 \implies a^2 = \frac{64}{3} \implies a = \pm \frac{8\sqrt{3}}{3}$$
$c = -\frac{a(p^2+1)}{2}$ に代入すると、$c = -\frac{a(1/4+1)}{2} = -\frac{5}{8}a$ となる。 $a = \frac{8\sqrt{3}}{3}$ のとき、$c = -\frac{5\sqrt{3}}{3}$。 $a = -\frac{8\sqrt{3}}{3}$ のとき、$c = \frac{5\sqrt{3}}{3}$。 以上より、求める $f(x)$ が定まる。
解法2
(2)
解法1と同様にして $f(x) = ax^3+cx$ を得る。 曲線と円の共有点の $x$ 座標は、$g(x) = x^2 + (ax^3+cx)^2 - 1 = 0$ の解である。 $g(x)$ は偶関数であり、6次式である。 共有点は正方形の頂点である4点のみであるから、$g(x)=0$ の実数解は互いに異なる4つ $x = \pm p, \pm q$ のみである。 6次方程式がちょうど4つの実数解を持ち、$g(x)$ が偶関数であることから、$g(x)=0$ は $x = \pm p$ のいずれか一方で重解を持ち、他方で単解を持つことはない。したがって、$\pm p$ でともに重解を持つか、$\pm q$ でともに重解をもつかのいずれかである。
対称性から、$x = \pm p$ で重解を持つとしてよい。 $x = p$ で重解を持つことは、曲線 $y=f(x)$ と円 $x^2+y^2=1$ が点 $(p, q)$ で接することを意味する。 円の点 $(p, q)$ における接線の傾きは $-\frac{p}{q}$ であるから、$f'(p) = -\frac{p}{q}$ が成り立つ。 $f'(x) = 3ax^2+c$ であるから、点 $(p,q)$ を通る条件と合わせて以下の連立方程式を得る。
$$\begin{cases} 3ap^2 + c = -\frac{p}{q} & \cdots \text{⑧} \\ ap^3 + cp = q & \cdots \text{⑨} \\ -aq^3 - cq = p & \cdots \text{⑩} \quad (\text{点} (-q, p) \text{を通る条件}) \end{cases}$$
⑨より $c = \frac{q}{p} - ap^2$。これを⑧に代入する。
$$3ap^2 + \left( \frac{q}{p} - ap^2 \right) = -\frac{p}{q}$$
$$2ap^2 = -\frac{p}{q} - \frac{q}{p} = -\frac{p^2+q^2}{pq} = -\frac{1}{pq}$$
よって、$a = -\frac{1}{2p^3 q}$ を得る。 これを $c$ の式に代入すると、
$$c = \frac{q}{p} - \left( -\frac{1}{2p^3 q} \right)p^2 = \frac{q}{p} + \frac{1}{2pq} = \frac{2q^2+1}{2pq}$$
これらを⑩に代入する。
$$-\left( -\frac{1}{2p^3 q} \right)q^3 - \left( \frac{2q^2+1}{2pq} \right)q = p$$
$$\frac{q^2}{2p^3} - \frac{2q^2+1}{2p} = p$$
両辺に $2p^3$ を掛ける。
$$q^2 - p^2(2q^2+1) = 2p^4$$
$$q^2 - 2p^2 q^2 - p^2 = 2p^4$$
$q^2 = 1-p^2$ を代入する。
$$(1-p^2) - 2p^2(1-p^2) - p^2 = 2p^4$$
$$1 - 2p^2 - 2p^2 + 2p^4 = 2p^4$$
$$1 - 4p^2 = 0$$
よって、$p^2 = \frac{1}{4}$ となる。このとき $q^2 = 1 - \frac{1}{4} = \frac{3}{4}$ である。 $p = \pm \frac{1}{2}$、$q = \pm \frac{\sqrt{3}}{2}$ (複号任意)となるが、$p, q$ の符号によらず $p^3 q$ の値は $\pm \frac{\sqrt{3}}{16}$ となる。 $p^3 q = \frac{\sqrt{3}}{16}$ のとき、$a = -\frac{8\sqrt{3}}{3}$、$c = \frac{5\sqrt{3}}{3}$。 $p^3 q = -\frac{\sqrt{3}}{16}$ のとき、$a = \frac{8\sqrt{3}}{3}$、$c = -\frac{5\sqrt{3}}{3}$。 以上より、$f(x)$ が求まる。
解説
(1)は座標平面上での回転を考える基本問題である。複素数平面やベクトルを用いて立式してもよい。 (2)の「4点のみを共有する」という条件の処理が本問の最大の難所である。 解法1のように、$x$ についての方程式の実数解の個数に着目し、代数的に「重解をもつこと」を導き出して係数比較に持ち込む方法は、汎用性が高く確実である。 一方、解法2のように「グラフが交点を4つだけもつなら、対称性から2点で接しているはずだ」と幾何的な条件に翻訳すると、微分の知識を用いて非常に鮮やかに解き進めることができる。どちらのアプローチも重要である。
答え
(1) $(-q, p), \ (-p, -q), \ (q, -p)$
(2) $f(x) = \frac{\sqrt{3}}{3}(8x^3 - 5x), \ -\frac{\sqrt{3}}{3}(8x^3 - 5x)$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





