数学2 最大最小・解の個数 問題 6 解説

方針・初手
与えられた不等式 $|x+y|+|x-y| \leqq 2$ から $x$ と $y$ のとり得る値の範囲を求める。その後、求まった $x$ の範囲において、2次関数 $f(x) = x^2 - 2ax$ の最大値と最小値を $a$ の値で場合分けして求める。問題文の「$y = x^2 - 2ax$」は、条件式の $y$ とは独立した関数の値(値域)を指していると解釈して処理する。
解法1
条件式 $|x+y|+|x-y| \leqq 2$ は、両辺が0以上であるため、両辺を2乗しても同値である。
$$(|x+y|+|x-y|)^2 \leqq 4$$
左辺を展開して整理する。
$$(x+y)^2 + 2|x+y||x-y| + (x-y)^2 \leqq 4$$
$$(x^2 + 2xy + y^2) + 2|x^2 - y^2| + (x^2 - 2xy + y^2) \leqq 4$$
$$2x^2 + 2y^2 + 2|x^2 - y^2| \leqq 4$$
両辺を2で割る。
$$x^2 + y^2 + |x^2 - y^2| \leqq 2$$
ここで、絶対値の中身の符号によって場合分けを行う。
(i) $x^2 - y^2 \geqq 0$ (すなわち $|x| \geqq |y|$)のとき 不等式は $x^2 + y^2 + (x^2 - y^2) \leqq 2$ となる。これを整理する。
$$2x^2 \leqq 2$$
$$x^2 \leqq 1 \iff -1 \leqq x \leqq 1$$
このとき、仮定の $|x| \geqq |y|$ と合わせて、$-1 \leqq y \leqq 1$ も満たされる。
(ii) $x^2 - y^2 < 0$ (すなわち $|x| < |y|$)のとき 不等式は $x^2 + y^2 - (x^2 - y^2) \leqq 2$ となる。これを整理する。
$$2y^2 \leqq 2$$
$$y^2 \leqq 1 \iff -1 \leqq y \leqq 1$$
このとき、仮定の $|x| < |y|$ と合わせて、$-1 \leqq x \leqq 1$ も満たされる。
(i)、(ii) より、条件を満たす $(x, y)$ の範囲は $-1 \leqq x \leqq 1$ かつ $-1 \leqq y \leqq 1$ である。 したがって、$x$ のとり得る値の範囲は $-1 \leqq x \leqq 1$ である。
次に、この範囲における $f(x) = x^2 - 2ax$ の最大値と最小値を求める。 関数 $f(x)$ を平方完成する。
$$f(x) = (x-a)^2 - a^2$$
この放物線の軸は $x=a$ であり、下に凸である。定義域は $-1 \leqq x \leqq 1$ であり、その中央は $x=0$ である。
最大値については、軸 $x=a$ と定義域の中央 $x=0$ の位置関係で場合分けを行う。
(ア) $a < 0$ のとき 軸は定義域の中央より左にあるため、$x=1$ で最大となる。 最大値は $f(1) = 1 - 2a$ である。
(イ) $a = 0$ のとき 軸は定義域の中央と一致するため、$x = \pm 1$ で最大となる。 最大値は $f(\pm 1) = 1$ である。
(ウ) $a > 0$ のとき 軸は定義域の中央より右にあるため、$x=-1$ で最大となる。 最大値は $f(-1) = 1 + 2a$ である。
最小値については、軸 $x=a$ と定義域 $-1 \leqq x \leqq 1$ の位置関係で場合分けを行う。
(エ) $a < -1$ のとき 軸は定義域の左外にあるため、$x=-1$ で最小となる。 最小値は $f(-1) = 1 + 2a$ である。
(オ) $-1 \leqq a \leqq 1$ のとき 軸は定義域内にあるため、頂点 $x=a$ で最小となる。 最小値は $f(a) = -a^2$ である。
(カ) $1 < a$ のとき 軸は定義域の右外にあるため、$x=1$ で最小となる。 最小値は $f(1) = 1 - 2a$ である。
解法2
変数変換を利用して、不等式 $|x+y|+|x-y| \leqq 2$ の表す領域を求める。
$X = x+y$、$Y = x-y$ とおくと、与えられた不等式は次のように表される。
$$|X| + |Y| \leqq 2$$
これは $XY$ 平面上において、4点 $(2, 0)$、$(0, 2)$、$(X, Y) = (-2, 0)$、$(0, -2)$ を頂点とする正方形の周および内部を表す。 ここで、元の変数 $x, y$ について解くと、
$$x = \frac{X+Y}{2}, \quad y = \frac{X-Y}{2}$$
となる。したがって、$(x, y)$ 平面における領域の頂点は、上記の $(X, Y)$ の4頂点を代入することで得られ、それぞれ $(1, 1)$、$(-1, 1)$、$(-1, -1)$、$(1, -1)$ となる。 これは $xy$ 平面上において、4直線 $x=1, x=-1, y=1, y=-1$ で囲まれた正方形の周および内部である。 ゆえに、$x$ のとり得る値の範囲は $-1 \leqq x \leqq 1$ である。
次に、この範囲における $f(x) = x^2 - 2ax$ の最大値と最小値を求める。 関数 $f(x)$ を平方完成する。
$$f(x) = (x-a)^2 - a^2$$
この放物線の軸は $x=a$ であり、下に凸である。定義域は $-1 \leqq x \leqq 1$ であり、その中央は $x=0$ である。
最大値については、軸 $x=a$ と定義域の中央 $x=0$ の位置関係で場合分けを行う。
(ア) $a < 0$ のとき 軸は定義域の中央より左にあるため、$x=1$ で最大となる。 最大値は $f(1) = 1 - 2a$ である。
(イ) $a = 0$ のとき 軸は定義域の中央と一致するため、$x = \pm 1$ で最大となる。 最大値は $f(\pm 1) = 1$ である。
(ウ) $a > 0$ のとき 軸は定義域の中央より右にあるため、$x=-1$ で最大となる。 最大値は $f(-1) = 1 + 2a$ である。
最小値については、軸 $x=a$ と定義域 $-1 \leqq x \leqq 1$ の位置関係で場合分けを行う。
(エ) $a < -1$ のとき 軸は定義域の左外にあるため、$x=-1$ で最小となる。 最小値は $f(-1) = 1 + 2a$ である。
(オ) $-1 \leqq a \leqq 1$ のとき 軸は定義域内にあるため、頂点 $x=a$ で最小となる。 最小値は $f(a) = -a^2$ である。
(カ) $1 < a$ のとき 軸は定義域の右外にあるため、$x=1$ で最小となる。 最小値は $f(1) = 1 - 2a$ である。
解説
2つの絶対値を含む不等式の処理と、文字定数を含む2次関数の最大・最小を組み合わせた標準的な問題である。 前半の領域の決定については、まともに絶対値の中身で4つの場合分けを行うと煩雑になるため、解法1のような「両辺が正であることを利用した平方」や、解法2のような「和と差を変数と見なす変数変換」を用いると見通しよく処理できる。 後半の最大・最小の処理は典型的な場合分けである。下に凸の放物線において、最大値は「軸と区間の中点の位置関係」で、最小値は「軸と区間の位置関係」で場合分けするのが定石である。
答え
最大値
$a < 0$ のとき $1 - 2a$
$a = 0$ のとき $1$
$a > 0$ のとき $1 + 2a$
最小値
$a < -1$ のとき $1 + 2a$
$-1 \leqq a \leqq 1$ のとき $-a^2$
$a > 1$ のとき $1 - 2a$
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