数学2 最大最小・解の個数 問題 12 解説

方針・初手
方程式 $x^3 - 2x^2 - k = 0$ の実数解の個数は、定数 $k$ を分離して、曲線 $y = x^3 - 2x^2$ と直線 $y = k$ の共有点の個数として図形的に捉える方針が基本である。あるいは、関数 $f(x) = x^3 - 2x^2 - k$ が極大値と極小値をもち、それらが異符号となる条件((極大値) $\times$ (極小値) $<0$)を考える方針も有効である。
解法1
方程式を次のように変形し、定数 $k$ を分離する。
$$x^3 - 2x^2 = k$$
この方程式が異なる3つの実数解をもつ条件は、関数 $f(x) = x^3 - 2x^2$ のグラフと、直線 $y = k$ が異なる3つの共有点をもつことである。
関数 $f(x)$ を微分すると、次のようになる。
$$f'(x) = 3x^2 - 4x = x(3x - 4)$$
$f'(x) = 0$ とすると、$x = 0, \frac{4}{3}$ である。 これより、$f(x)$ の増減表は次のようになる。
| $x$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ | $\frac{4}{3}$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $f(x)$ | $\nearrow$ | $0$ | $\searrow$ | $-\frac{32}{27}$ | $\nearrow$ |
ここで、極大値および極小値は以下の通りである。
$$f(0) = 0$$
$$f\left(\frac{4}{3}\right) = \left(\frac{4}{3}\right)^3 - 2\left(\frac{4}{3}\right)^2 = \frac{64}{27} - \frac{32}{9} = -\frac{32}{27}$$
関数 $y = f(x)$ のグラフと直線 $y = k$ が異なる3点で交わるための条件は、直線 $y = k$ が極大値と極小値の間を通ることである。したがって、求める $k$ の範囲は次のようになる。
$$-\frac{32}{27} < k < 0$$
解法2
$g(x) = x^3 - 2x^2 - k$ とおく。 方程式 $g(x) = 0$ が異なる3つの実数解をもつための条件は、3次関数 $g(x)$ が極大値と極小値をもち、かつ(極大値)$\times$(極小値)$< 0$ となることである。
関数 $g(x)$ を微分すると、次のようになる。
$$g'(x) = 3x^2 - 4x = x(3x - 4)$$
$g'(x) = 0$ を解くと、$x = 0, \frac{4}{3}$ である。これらは異なる2つの実数解であるため、$g(x)$ は $x = 0$ で極大、$x = \frac{4}{3}$ で極小となる。 それぞれの極値は以下の通りである。
$$g(0) = -k$$
$$g\left(\frac{4}{3}\right) = \left(\frac{4}{3}\right)^3 - 2\left(\frac{4}{3}\right)^2 - k = -\frac{32}{27} - k$$
条件(極大値)$\times$(極小値)$< 0$ より、次の不等式が成り立つ。
$$(-k)\left(-\frac{32}{27} - k\right) < 0$$
これを整理して解くと、求める $k$ の値の範囲が得られる。
$$k\left(k + \frac{32}{27}\right) < 0$$
$$-\frac{32}{27} < k < 0$$
解説
方程式の実数解の個数を問う問題の典型パターンである。「定数分離」を行い、グラフの共有点の個数に帰着させる解法(解法1)は視覚的に分かりやすく、計算ミスも防ぎやすいため、第一選択となる。
一方、3次方程式に特有の性質を用いた「(極大値) $\times$ (極小値) $<0$」という条件(解法2)も強力であり、特に定数が分離しにくい形で入っている場合や、定数分離すると分数関数の微分が必要になってしまう場合には非常に有効である。本問ではどちらの解法を選んでも計算量はそれほど変わらないため、両方のアプローチを理解しておきたい。
答え
$$-\frac{32}{27} < k < 0$$
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