トップ 基礎問題 数学2 微分法 最大最小・解の個数 問題 14

数学2 最大最小・解の個数 問題 14 解説

数学2 最大最小・解の個数 問題 14 解説

方針・初手

与えられた条件式 $x^2+y^2=2x$ を変形すると、平面上の円の方程式になります。求める値 $x+y$ を文字 $k$ とおき、$k$ のとりうる値の範囲を求めるという定石を用います。

アプローチとしては、以下の3つが考えられます。

  1. 円と直線が共有点をもつ条件を、点と直線の距離の公式を用いて処理する方法。
  2. $x, y$ の連立方程式とみなし、実数解をもつ条件を2次方程式の判別式を用いて処理する方法。
  3. 円上の点であることを利用し、三角関数を用いた媒介変数表示によって1変数の関数の問題に帰着させる方法。

解法1

条件式 $x^2+y^2=2x$ は、次のように変形できる。

$$(x-1)^2+y^2=1$$

これは、中心が点 $(1, 0)$、半径が $1$ の円を表す。 ここで、求める値 $x+y$ を $k$ とおく。

$$x+y=k$$

これを変形すると $x+y-k=0$ となり、これは傾きが $-1$、 $y$ 切片が $k$ の直線を表す。 実数 $x, y$ が条件式を満たすということは、この円と直線が少なくとも1つの共有点をもつということである。

円と直線が共有点をもつための条件は、円の中心 $(1, 0)$ と直線 $x+y-k=0$ との距離 $d$ が、円の半径 $1$ 以下になることである。 点と直線の距離の公式より、

$$d = \frac{|1+0-k|}{\sqrt{1^2+1^2}} = \frac{|1-k|}{\sqrt{2}}$$

したがって、次の不等式が成り立つ。

$$\frac{|1-k|}{\sqrt{2}} \leqq 1$$

両辺に $\sqrt{2}$ を掛け、絶対値を外して整理する。

$$\begin{aligned} |1-k| &\leqq \sqrt{2} \\ -\sqrt{2} &\leqq 1-k \leqq \sqrt{2} \\ -\sqrt{2}-1 &\leqq -k \leqq \sqrt{2}-1 \\ 1-\sqrt{2} &\leqq k \leqq 1+\sqrt{2} \end{aligned}$$

よって、$k$ の最大値は $1+\sqrt{2}$、最小値は $1-\sqrt{2}$ である。

解法2

$x+y=k$ とおき、$y$ について解くと、

$$y=k-x$$

これを条件式 $x^2+y^2=2x$ に代入する。

$$x^2+(k-x)^2=2x$$

展開して $x$ についての2次方程式として整理する。

$$\begin{aligned} x^2+k^2-2kx+x^2-2x &= 0 \\ 2x^2-2(k+1)x+k^2 &= 0 \end{aligned}$$

$x, y$ は実数であり、$x$ が決まれば $y=k-x$ より $y$ も実数として一つに定まる。したがって、この $x$ についての2次方程式が実数解をもてばよい。 この2次方程式の判別式を $D$ とすると、実数解をもつ条件は $D \geqq 0$ である。

$$\begin{aligned} \frac{D}{4} &= \{-(k+1)\}^2 - 2 \cdot k^2 \\ &= k^2+2k+1-2k^2 \\ &= -k^2+2k+1 \end{aligned}$$

したがって、不等式は次のようになる。

$$\begin{aligned} -k^2+2k+1 &\geqq 0 \\ k^2-2k-1 &\leqq 0 \end{aligned}$$

2次方程式 $k^2-2k-1=0$ の解は、解の公式より $k = 1 \pm \sqrt{2}$ であるから、不等式の解は、

$$1-\sqrt{2} \leqq k \leqq 1+\sqrt{2}$$

よって、$k$ の最大値は $1+\sqrt{2}$、最小値は $1-\sqrt{2}$ である。

解法3

条件式 $x^2+y^2=2x$ より、$(x-1)^2+y^2=1$ である。 点 $(x, y)$ は中心 $(1, 0)$、半径 $1$ の円周上の点であるから、偏角を $\theta$ ($0 \leqq \theta < 2\pi$) として次のように媒介変数表示できる。

$$\begin{cases} x-1 = \cos\theta \\ y = \sin\theta \end{cases}$$

すなわち、$x = \cos\theta+1$、$y = \sin\theta$ と表せる。 このとき、求める式 $x+y$ は次のように計算できる。

$$\begin{aligned} x+y &= (\cos\theta+1) + \sin\theta \\ &= \sin\theta+\cos\theta+1 \end{aligned}$$

三角関数の合成を用いると、式は次のように変形できる。

$$x+y = \sqrt{2}\sin\left(\theta+\frac{\pi}{4}\right)+1$$

$\theta$ は $0 \leqq \theta < 2\pi$ の範囲を動くため、$\sin\left(\theta+\frac{\pi}{4}\right)$ のとりうる値の範囲は $-1 \leqq \sin\left(\theta+\frac{\pi}{4}\right) \leqq 1$ である。 したがって、$x+y$ のとりうる値の範囲は、

$$\begin{aligned} \sqrt{2} \cdot (-1) + 1 &\leqq x+y \leqq \sqrt{2} \cdot 1 + 1 \\ 1-\sqrt{2} &\leqq x+y \leqq 1+\sqrt{2} \end{aligned}$$

よって、最大値は $1+\sqrt{2}$、最小値は $1-\sqrt{2}$ である。

解説

2つの変数が関係式を満たしながら変化するときの、式の最大値・最小値を求める典型的な問題です。 数学IIの図形と方程式の知識を用いる解法1(点と直線の距離)や解法2(判別式)のほか、三角関数を用いた媒介変数表示(解法3)も非常に有効です。 どの方針を選んでも計算量はそれほど多くありませんが、複数のアプローチを習得しておくことで、より複雑な問題設定になった際にも柔軟に対応できるようになります。

答え

最大値 $1+\sqrt{2}$、最小値 $1-\sqrt{2}$

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