数学2 最大最小・解の個数 問題 15 解説

方針・初手
- (1) 点対称移動の定義に従い、軌跡を求める。$C_2$ 上の点を $(x, y)$、$C_1$ 上の点を $(X, Y)$ とおき、その中点が対称の中心と一致するという条件式を立てる。
- (2) $C_1$ と $C_2$ の方程式から $y$ を消去した $x$ についての2次方程式が、異なる2つの実数解をもつ条件を判別式を用いて求める。
- (3) (2)の2次方程式の解を $\alpha, \beta$ とおき、解と係数の関係を利用する。三角形の面積は、頂点の1つが原点にくるように平行移動して公式を用いると計算が簡略化できる。得られた面積の式を微分して最大値を調べる。
解法1
(1)
曲線 $C_1: y=x^2$ 上の点を $(X, Y)$ とし、この点を点 $\left(a, \frac{2}{3}a^2+1\right)$ に関して対称移動した点を $(x, y)$ とする。 線分の中点が $\left(a, \frac{2}{3}a^2+1\right)$ となるので、
$$\frac{X+x}{2} = a, \quad \frac{Y+y}{2} = \frac{2}{3}a^2 + 1$$
が成り立つ。これを $X, Y$ について解くと、
$$X = 2a - x, \quad Y = -y + \frac{4}{3}a^2 + 2$$
点 $(X, Y)$ は $C_1$ 上の点であるから、
$$Y = X^2$$
代入して整理すると、
$$-y + \frac{4}{3}a^2 + 2 = (2a - x)^2$$
$$y = -(x - 2a)^2 + \frac{4}{3}a^2 + 2$$
$$y = -x^2 + 4ax - 4a^2 + \frac{4}{3}a^2 + 2$$
$$y = -x^2 + 4ax - \frac{8}{3}a^2 + 2$$
これが曲線 $C_2$ の方程式である。
(2)
$C_1$ と $C_2$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の実数解である。
$$x^2 = -x^2 + 4ax - \frac{8}{3}a^2 + 2$$
整理して、
$$2x^2 - 4ax + \frac{8}{3}a^2 - 2 = 0$$
$$x^2 - 2ax + \frac{4}{3}a^2 - 1 = 0 \quad \cdots (*)$$
$C_1$ と $C_2$ が異なる2点で交わるための条件は、2次方程式 $(*)$ が異なる2つの実数解をもつことである。 判別式を $D$ とすると、$D > 0$ であればよい。
$$\frac{D}{4} = (-a)^2 - 1 \cdot \left(\frac{4}{3}a^2 - 1\right)$$
$$= a^2 - \frac{4}{3}a^2 + 1 = 1 - \frac{1}{3}a^2$$
したがって、
$$1 - \frac{1}{3}a^2 > 0$$
$$a^2 < 3$$
問題文より $a$ は正の数であるから、$a > 0$ と合わせて、
$$0 < a < \sqrt{3}$$
(3)
方程式 $(*)$ の2つの実数解を $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$) とする。 解と係数の関係より、
$$\alpha + \beta = 2a, \quad \alpha\beta = \frac{4}{3}a^2 - 1$$
また、$(\beta - \alpha)^2$ の値は、
$$(\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta = (2a)^2 - 4\left(\frac{4}{3}a^2 - 1\right) = 4 - \frac{4}{3}a^2$$
$\beta > \alpha$ より $\beta - \alpha > 0$ であるから、
$$\beta - \alpha = \sqrt{4 - \frac{4}{3}a^2} = 2\sqrt{1 - \frac{1}{3}a^2}$$
交点 P, Q の座標は $(\alpha, \alpha^2), (\beta, \beta^2)$ であり、点 R の座標は $(0, 2)$ である。 点 R を原点に重ねるように三角形 PQR を平行移動すると、3頂点の座標はそれぞれ以下のようになる。
$$(-\alpha, -\alpha^2), \text{等の平行移動ではなく、全体を } y \text{ 軸方向に } -2 \text{ 平行移動して}$$
$$(0, 0), \quad (\alpha, \alpha^2 - 2), \quad (\beta, \beta^2 - 2)$$
よって、三角形 PQR の面積 $S$ は、
$$S = \frac{1}{2} | \alpha(\beta^2 - 2) - \beta(\alpha^2 - 2) |$$
$$= \frac{1}{2} | \alpha\beta^2 - 2\alpha - \alpha^2\beta + 2\beta |$$
$$= \frac{1}{2} | \alpha\beta(\beta - \alpha) + 2(\beta - \alpha) |$$
$$= \frac{1}{2} | (\beta - \alpha)(\alpha\beta + 2) |$$
ここで、$\alpha\beta = \frac{4}{3}a^2 - 1$ より $\alpha\beta + 2 = \frac{4}{3}a^2 + 1 > 0$ であり、$\beta - \alpha > 0$ であるから絶対値記号はそのまま外せて、
$$S = \frac{1}{2} (\beta - \alpha) (\alpha\beta + 2)$$
$$= \frac{1}{2} \cdot 2\sqrt{1 - \frac{1}{3}a^2} \cdot \left(\frac{4}{3}a^2 + 1\right)$$
$$= \sqrt{1 - \frac{1}{3}a^2} \left(\frac{4}{3}a^2 + 1\right)$$
$S > 0$ であり、$S$ が最大となるとき $S^2$ も最大となる。
$$S^2 = \left(1 - \frac{1}{3}a^2\right) \left(\frac{4}{3}a^2 + 1\right)^2$$
$t = a^2$ とおくと、(2)の範囲 $0 < a < \sqrt{3}$ より $0 < t < 3$ である。 $f(t) = \left(1 - \frac{1}{3}t\right) \left(\frac{4}{3}t + 1\right)^2$ とおき、これを微分する。
$$f'(t) = -\frac{1}{3} \left(\frac{4}{3}t + 1\right)^2 + \left(1 - \frac{1}{3}t\right) \cdot 2\left(\frac{4}{3}t + 1\right) \cdot \frac{4}{3}$$
$$= \left(\frac{4}{3}t + 1\right) \left\{ -\frac{1}{3}\left(\frac{4}{3}t + 1\right) + \frac{8}{3}\left(1 - \frac{1}{3}t\right) \right\}$$
$$= \left(\frac{4}{3}t + 1\right) \left( -\frac{4}{9}t - \frac{1}{3} + \frac{8}{3} - \frac{8}{9}t \right)$$
$$= \left(\frac{4}{3}t + 1\right) \left(-\frac{4}{3}t + \frac{7}{3}\right)$$
$f'(t) = 0$ とすると、$0 < t < 3$ より $\frac{4}{3}t + 1 > 0$ であるから、
$$-\frac{4}{3}t + \frac{7}{3} = 0 \implies t = \frac{7}{4}$$
$0 < t < 3$ における $f(t)$ の増減表は以下のようになる。
| $t$ | $(0)$ | $\cdots$ | $\frac{7}{4}$ | $\cdots$ | $(3)$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(t)$ | $+$ | $0$ | $-$ | ||
| $f(t)$ | $\nearrow$ | 極大 | $\searrow$ |
したがって、$f(t)$ は $t = \frac{7}{4}$ のとき最大値をとる。 このとき $a^2 = \frac{7}{4}$ であり、$a > 0$ より $a = \frac{\sqrt{7}}{2}$ である。
解説
- 点対称移動の軌跡は、求める図形上の点を $(x, y)$、元の図形上の点を $(X, Y)$ とおき、中点の条件から $X, Y$ を $x, y$ で表して代入するのが定石である。
- 曲線が異なる2点で交わる条件は、連立して得られる方程式が異なる2つの実数解をもつ条件に帰着させる。
- (3) の三角形の面積は、直線の方程式を求めて点と直線の距離公式を用いる正攻法でも解けるが、頂点の1つを原点に平行移動する公式を用いると計算量が大幅に減る。解と係数の関係を利用して交点の座標を直接求めずに対称式として処理するのがポイントである。
- 根号を含む関数の最大値は、中身が正であれば平方して考えることで微分の計算を簡単にすることができる。
答え
(1) $y = -x^2 + 4ax - \frac{8}{3}a^2 + 2$
(2) $0 < a < \sqrt{3}$
(3) $a = \frac{\sqrt{7}}{2}$
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