数学2 最大最小・解の個数 問題 19 解説

方針・初手
与えられた方程式には $\theta$, $2\theta$, $3\theta$ と異なる角が含まれているため、まずは倍角の公式および三倍角の公式を用いて、すべて $\cos \theta$ の式に統一する。 その後、$x = \cos \theta$ と置き換え、$x$ についての3次方程式の実数解の個数の問題に帰着させる。その際、$x$ の値と対応する $\theta$ の個数の関係に注意しながら、$y = a$ のグラフと曲線の共有点を考える。
解法1
倍角の公式 $\cos 2\theta = 2\cos^2 \theta - 1$ と、三倍角の公式 $\cos 3\theta = 4\cos^3 \theta - 3\cos \theta$ を与式に代入する。
$$(4\cos^3 \theta - 3\cos \theta) - (2\cos^2 \theta - 1) + 3\cos \theta - 1 = a$$
左辺を整理すると、次の方程式が得られる。
$$4\cos^3 \theta - 2\cos^2 \theta = a$$
ここで、$x = \cos \theta$ とおく。$0 \leqq \theta < 2\pi$ であるから、$x$ のとりうる値の範囲は以下の通りである。
$$-1 \leqq x \leqq 1$$
方程式は $x$ の3次方程式として次のように表される。
$$4x^3 - 2x^2 = a \quad (-1 \leqq x \leqq 1)$$
$x = \cos \theta$ ($0 \leqq \theta < 2\pi$) における、$x$ の値と $\theta$ の個数の対応関係は次のようになる。
- $-1 < x < 1$ のとき、1つの $x$ に対して $\theta$ は2個存在する。
- $x = 1, -1$ のとき、1つの $x$ に対して $\theta$ は1個存在する。
左辺を $f(x) = 4x^3 - 2x^2$ とおき、$-1 \leqq x \leqq 1$ における増減を調べる。$f(x)$ を $x$ で微分すると、
$$f'(x) = 12x^2 - 4x = 4x(3x - 1)$$
$f'(x) = 0$ となるのは $x = 0, \frac{1}{3}$ のときである。したがって、$-1 \leqq x \leqq 1$ における $f(x)$ の増減表は次のようになる。
$$\begin{array}{c|ccccccc} x & -1 & \cdots & 0 & \cdots & \frac{1}{3} & \cdots & 1 \\ \hline f'(x) & & + & 0 & - & 0 & + & \\ \hline f(x) & -6 & \nearrow & 0 & \searrow & -\frac{2}{27} & \nearrow & 2 \\ \end{array}$$
求める $\theta$ の個数は、$xy$ 平面上の曲線 $y = f(x)$ ($-1 \leqq x \leqq 1$) と直線 $y = a$ の共有点の $x$ 座標を調べ、そこから得られる $\theta$ の個数を足し合わせたものになる。増減表より、グラフの端点および極値の座標は $(-1, -6)$, $(0, 0)$, $\left(\frac{1}{3}, -\frac{2}{27}\right)$, $(1, 2)$ である。定数 $a$ の値によって場合分けを行う。
(i) $a < -6$ または $a > 2$ のとき 共有点はない。したがって、対応する $\theta$ は $0$ 個である。
(ii) $a = -6$ のとき 共有点は $x = -1$ のみである。$x = -1$ に対して $\theta$ は $1$ 個存在する。
(iii) $-6 < a < -\frac{2}{27}$ のとき 共有点は $-1 < x < 0$ の範囲に $1$ つ存在する。この $x$ は $-1 < x < 1$ を満たすため、対応する $\theta$ は $2$ 個である。
(iv) $a = -\frac{2}{27}$ のとき 極小点である $x = \frac{1}{3}$ で接し、さらに $-1 < x < 0$ の範囲にもう $1$ つの共有点をもつ。($f(x) = -\frac{2}{27}$ を解くと $x = \frac{1}{3}, -\frac{1}{6}$ である)。これら $2$ つの $x$ はいずれも $-1 < x < 1$ を満たすため、それぞれに対して $\theta$ が $2$ 個ずつ存在する。よって、計 $4$ 個である。
(v) $-\frac{2}{27} < a < 0$ のとき 共有点は $-1 < x < 0$, $0 < x < \frac{1}{3}$, $\frac{1}{3} < x < 1$ の範囲にそれぞれ $1$ つずつ、合計 $3$ つ存在する。これらはすべて $-1 < x < 1$ を満たすため、それぞれに対して $\theta$ が $2$ 個ずつ存在する。よって、計 $2 \times 3 = 6$ 個である。
(vi) $a = 0$ のとき 極大点である $x = 0$ で接し、さらにもう $1$ つの共有点をもつ($f(x) = 0$ を解くと $x = 0, \frac{1}{2}$ である)。これら $2$ つの $x$ はいずれも $-1 < x < 1$ を満たすため、それぞれに対して $\theta$ が $2$ 個ずつ存在する。よって、計 $4$ 個である。
(vii) $0 < a < 2$ のとき 共有点は $0 < x < 1$ の範囲に $1$ つ存在する。この $x$ は $-1 < x < 1$ を満たすため、対応する $\theta$ は $2$ 個である。
(viii) $a = 2$ のとき 共有点は $x = 1$ のみである。$x = 1$ に対して $\theta$ は $1$ 個存在する。
解説
三角関数の倍角・三倍角の公式を用いて多項式に帰着させ、実数解の個数を調べる典型的な問題である。 置き換えた変数 $x$ と元の変数 $\theta$ の対応関係が $1$ 対 $1$ ではない点に最大の注意が必要である。単に $3$ 次方程式の実数解の個数を数えるだけでなく、「その実数解が $-1 \leqq x \leqq 1$ のどの範囲にあるか」と「端点 $x = \pm 1$ を含んでいるか」を正確に把握することで、正しい個数にたどり着くことができる。
答え
$a < -6, \quad a > 2$ のとき: $0$ 個
$a = -6, \quad a = 2$ のとき: $1$ 個
$-6 < a < -\frac{2}{27}, \quad 0 < a < 2$ のとき: $2$ 個
$a = -\frac{2}{27}, \quad a = 0$ のとき: $4$ 個
$-\frac{2}{27} < a < 0$ のとき: $6$ 個
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