数学2 最大最小・解の個数 問題 20 解説

方針・初手
対称式であることに着目し、$a+b$ と $ab$ を用いて条件式を整理する。$a+b=1$ が与えられているため、$a^3+b^3+c^3=1$ を変形することで $ab$ を $c$ の式で表すことができる。また、$a, b$ が正の実数であるという条件から $ab$ のとりうる値の範囲が定まり、それによって $c$ の範囲も決定される。後半は、目的の式を $c$ の1変数関数として表し、微分を用いて最大値を求める。
解法1
(1)
$a^3+b^3+c^3=1$ を対称式の基本変形を用いて書き換えると、
$$(a+b)^3 - 3ab(a+b) + c^3 = 1$$
問題の条件 $a+b=1$ を代入すると、
$$1^3 - 3ab \cdot 1 + c^3 = 1$$
整理して、
$$c^3 = 3ab$$
一方、$a, b$ は正の実数であり、$a+b=1$ を満たすことから、$b=1-a > 0$ より $0 < a < 1$ である。 このとき、$ab$ を $a$ の関数とみなすと、
$$ab = a(1-a) = -a^2+a = -\left(a-\frac{1}{2}\right)^2 + \frac{1}{4}$$
$0 < a < 1$ の範囲において、二次関数 $ab$ のとりうる値の範囲は、
$$0 < ab \leqq \frac{1}{4}$$
これに $ab = \frac{c^3}{3}$ を代入して、
$$0 < \frac{c^3}{3} \leqq \frac{1}{4}$$
$$0 < c^3 \leqq \frac{3}{4}$$
$c$ は実数(問題文の条件より $c>0$ でもある)であるから、各辺の三乗根をとって、
$$0 < c \leqq \sqrt[3]{\frac{3}{4}}$$
ここで、分母を有理化すると $\sqrt[3]{\frac{3}{4}} = \frac{\sqrt[3]{3}}{\sqrt[3]{4}} = \frac{\sqrt[3]{3} \cdot \sqrt[3]{2}}{\sqrt[3]{4} \cdot \sqrt[3]{2}} = \frac{\sqrt[3]{6}}{2}$ であるから、求める範囲は、
$$0 < c \leqq \frac{\sqrt[3]{6}}{2}$$
(2)
求める値を $K$ とおくと、
$$K = a^2+b^2+c^2 = (a+b)^2 - 2ab + c^2$$
$a+b=1$ と $ab = \frac{c^3}{3}$ を代入して、
$$K = 1^2 - 2\left(\frac{c^3}{3}\right) + c^2 = -\frac{2}{3}c^3 + c^2 + 1$$
ここで、$f(c) = -\frac{2}{3}c^3 + c^2 + 1$ とおく。これを $c$ について微分すると、
$$f'(c) = -2c^2 + 2c = -2c(c-1)$$
(1) で求めた範囲 $0 < c \leqq \frac{\sqrt[3]{6}}{2}$ において導関数の符号を調べる。 $\left(\frac{\sqrt[3]{6}}{2}\right)^3 = \frac{6}{8} = \frac{3}{4} < 1$ であるため、$\frac{\sqrt[3]{6}}{2} < 1$ が成り立つ。 したがって、考える定義域全体で $0 < c < 1$ であり、$c>0$ かつ $c-1<0$ となるため、常に $f'(c) > 0$ となる。
ゆえに、$f(c)$ は $0 < c \leqq \frac{\sqrt[3]{6}}{2}$ の範囲で単調増加する。 $f(c)$ が最大となるのは $c = \frac{\sqrt[3]{6}}{2}$ のときであり、その最大値は、
$$f\left(\frac{\sqrt[3]{6}}{2}\right) = -\frac{2}{3} \cdot \frac{3}{4} + \left(\frac{\sqrt[3]{6}}{2}\right)^2 + 1 = -\frac{1}{2} + \frac{\sqrt[3]{36}}{4} + 1 = \frac{1}{2} + \frac{\sqrt[3]{36}}{4} = \frac{2+\sqrt[3]{36}}{4}$$
解説
複数の変数が絡む条件式を扱う際の定石である「対称式」を用いた解法である。$a, b$ の対称式は和 $a+b$ と積 $ab$ で表せるため、$a+b$ が定数である本問では、すべての条件式と目的の式を $ab$ (あるいは $c$)だけの1変数に帰着できる。 (1) において、$a, b$ が正の実数であるという条件を見落とさず、$ab$ のとりうる値の範囲を正しく評価することが重要である。 (2) では三次関数の最大値を求めることになるが、定義域の右端 $\frac{\sqrt[3]{6}}{2}$ が $1$ よりも小さいことに気づけば、極大値を計算するまでもなく単調増加であることが分かり、計算の負担を減らすことができる。
答え
(1)
$$0 < c \leqq \frac{\sqrt[3]{6}}{2}$$
(2)
$$\frac{2+\sqrt[3]{36}}{4}$$
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