トップ 基礎問題 数学2 微分法 最大最小・解の個数 問題 26

数学2 最大最小・解の個数 問題 26 解説

数学2 最大最小・解の個数 問題 26 解説

方針・初手

立体の体積を求めるために、回転軸に垂直な平面で切断したときの断面の図形を考える。 断面は直方体の縦と横を辺とする長方形になり、これを1つの頂点を中心に $90^\circ$ 回転させたときの通過領域の面積を求めればよい。 後半では、$V$ を $b$ と積 $ac$ を用いて表し、$b$ を固定したときの $ac$ のとりうる範囲から $V$ の範囲を絞り込む方針(予選決勝法)をとる。

解法1

(1)

直方体を、長さ $b$ の辺に垂直な平面で切断すると、その断面は辺の長さが $a$ と $c$ の長方形である。 回転軸はこの長方形の1つの頂点を通るため、座標平面上で頂点を $\text{O}(0,0)$ とし、長方形の他の頂点を $\text{A}(a,0), \text{B}(a,c), \text{C}(0,c)$ とおく。

この長方形 $\text{OABC}$ を、原点 $\text{O}$ を中心に反時計回りに $90^\circ$ 回転させたときの通過領域を $D$ とし、その面積を $S$ とする。 点 $\text{A}, \text{B}, \text{C}$ の回転後の点をそれぞれ $\text{A}'(0,a), \text{B}'(-c,a), \text{C}'(-c,0)$ とする。 線分 $\text{OB}$ は回転によって線分 $\text{OB}'$ へと移動し、その間に扇形 $\text{OBB}'$ を描く。

領域 $D$ は、原点 $\text{O}$ からの偏角 $\theta$ の範囲によって、以下の3つの部分に重なりなく分割できる。 $0 \le \theta \le \angle\text{AOB}$ の部分は直角三角形 $\text{OAB}$ である。 $\angle\text{AOB} \le \theta \le \angle\text{AOB}'$ の部分は、中心角 $90^\circ$、半径 $\text{OB} = \sqrt{a^2+c^2}$ の扇形 $\text{OBB}'$ である。 $\angle\text{AOB}' \le \theta \le 180^\circ$ の部分は直角三角形 $\text{OB}'\text{C}'$ である。

それぞれの面積を足し合わせることで $S$ が得られる。 直角三角形 $\text{OAB}$ の面積は $\frac{1}{2}ac$、扇形 $\text{OBB}'$ の面積は $\frac{\pi}{4}(a^2+c^2)$、直角三角形 $\text{OB}'\text{C}'$ の面積は $\frac{1}{2}ac$ であるから、

$$S = \frac{1}{2}ac + \frac{\pi}{4}(a^2+c^2) + \frac{1}{2}ac = ac + \frac{\pi}{4}(a^2+c^2)$$

立体 $V$ は、この断面 $D$ を底面とし、高さが $b$ の柱体であるから、その体積は

$$V = S \cdot b = b\left\{ ac + \frac{\pi}{4}(a^2+c^2) \right\}$$

(2)

$a, b, c$ は直方体の辺の長さであるから、$a>0, b>0, c>0$ である。 $a+b+c=1$ より $a+c = 1-b$ であるから、$1-b > 0$ すなわち $0 < b < 1$ が必要である。 $a^2+c^2 = (a+c)^2 - 2ac = (1-b)^2 - 2ac$ を $V$ の式に代入する。

$$\begin{aligned} V &= b \left\{ ac + \frac{\pi}{4} \left( (1-b)^2 - 2ac \right) \right\} \\ &= \left(1 - \frac{\pi}{2}\right) b \cdot ac + \frac{\pi}{4}b(1-b)^2 \end{aligned}$$

ここで、$b$ を $0 < b < 1$ の範囲で固定し、$ac$ のとりうる値の範囲を考える。 $a$ と $c$ は、和が $1-b$、積が $ac$ の正の実数であるから、2次方程式 $t^2 - (1-b)t + ac = 0$ の2つの正の実数解である。 実数解をもつ条件から判別式 $D \ge 0$ より、

$$(1-b)^2 - 4ac \ge 0 \implies ac \le \frac{(1-b)^2}{4}$$

また $a>0, c>0$ より $ac > 0$ であるから、

$$0 < ac \le \frac{(1-b)^2}{4}$$

$V$ は $ac$ についての1次関数であり、傾き $\left(1 - \frac{\pi}{2}\right) b$ は負である。 したがって、$V$ は $ac$ について単調に減少する。 $ac = \frac{(1-b)^2}{4}$ のとき、$V$ は最小値をとり、

$$\begin{aligned} V &= \left(1 - \frac{\pi}{2}\right) b \cdot \frac{(1-b)^2}{4} + \frac{\pi}{4}b(1-b)^2 \\ &= \frac{b(1-b)^2}{4} \left(1 - \frac{\pi}{2} + \pi \right) \\ &= \frac{2+\pi}{8} b(1-b)^2 \end{aligned}$$

となる。 また、$ac \to 0$ のとき、$V$ は上限 $\frac{\pi}{4}b(1-b)^2$ に近づく。 よって、$b$ を固定したときの $V$ のとりうる値の範囲は、

$$\frac{2+\pi}{8} b(1-b)^2 \le V < \frac{\pi}{4}b(1-b)^2$$

となる。 次に、$b$ を $0 < b < 1$ で動かしたときの範囲を求める。 $f(b) = b(1-b)^2$ とおくと、

$$f'(b) = (1-b)^2 + b \cdot 2(1-b)(-1) = (1-b)(1-3b)$$

$0 < b < \frac{1}{3}$ で $f'(b) > 0$、$b = \frac{1}{3}$ で $f'(b) = 0$、$\frac{1}{3} < b < 1$ で $f'(b) < 0$ となるため、$f(b)$ は $b = \frac{1}{3}$ で極大かつ最大となる。 最大値は $f\left(\frac{1}{3}\right) = \frac{1}{3} \cdot \left(\frac{2}{3}\right)^2 = \frac{4}{27}$ であり、$b \to 0$ および $b \to 1$ のとき $f(b) \to 0$ となる。 したがって、$f(b)$ のとりうる値の範囲は

$$0 < f(b) \le \frac{4}{27}$$

$V$ の範囲は、各 $y = f(b) \in \left(0, \frac{4}{27}\right]$ に対応する区間 $\left[ \frac{2+\pi}{8}y, \frac{\pi}{4}y \right)$ の和集合である。 上限の最大値は、$y = \frac{4}{27}$ のときの $\frac{\pi}{4} \cdot \frac{4}{27} = \frac{\pi}{27}$ であるが、上限自身は含まれないため $V < \frac{\pi}{27}$ となる。 また下限は $y \to 0$ のとき $0$ に近づくため $V > 0$ となる。 任意の $V_0 \in \left(0, \frac{\pi}{27}\right)$ に対して、$\frac{2+\pi}{8}y \le V_0 < \frac{\pi}{4}y$ を満たす $y \in \left(0, \frac{4}{27}\right]$ が存在するか確認する。 不等式を $y$ について解くと、

$$\frac{4}{\pi}V_0 < y \le \frac{8}{2+\pi}V_0$$

ここで $\pi > 2$ より $\frac{4}{\pi} < \frac{8}{2+\pi}$ であるから、区間の幅は正である。 また $V_0 < \frac{\pi}{27}$ より $\frac{4}{\pi}V_0 < \frac{4}{27}$ であるから、この範囲に入る $y \in \left(0, \frac{4}{27}\right]$ が必ず存在する。 以上より、$V$ のとりうる値の範囲は $0 < V < \frac{\pi}{27}$ である。

解説

立体の体積を断面積から求める基本的な発想と、2変数関数の最大・最小の処理を問う典型的な問題である。 前半では、長方形の回転による通過領域を正確に把握できるかがポイントとなる。偏角に注目して図形を3つの部分(2つの直角三角形と1つの扇形)に分割することで、複雑な積分計算を回避できる。 後半では、独立な変数の選び方が重要となる。$a+c$ と $ac$ の対称式に帰着させ、$b$ を固定して $ac$ を動かす「予選決勝法」の考え方を用いると見通しが良い。値域の和集合をとる際、開区間と閉区間の扱いや、端点の極限に関する論証を丁寧に行うことが求められる。

答え

(1)

$$V = b\left\{ ac + \frac{\pi}{4}(a^2+c^2) \right\}$$

(2)

$$0 < V < \frac{\pi}{27}$$

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