数学2 最大最小・解の個数 問題 28 解説

方針・初手
与えられた条件式が $x$ と $y$ の対称式であることに着目する。 (1) は等式を平方完成し、円の方程式の標準形に変形する。 (2) は $x, y$ の基本対称式 $x+y, xy$ を $t$ を用いて表し、実数 $x, y$ が存在する条件(2次方程式の判別式)を利用する。または、(1) の円と直線 $x+y=t$ が共有点をもつ図形的な条件を考える。 (3) は与式を $x+y, xy$ で表し、$t$ の3次関数に帰着させる。(2)で求めた $t$ の範囲において、微分を用いて関数の最大値と最小値を求める。
解法1
(1)
与えられた等式 $x^2+y^2=x+y$ を変形する。
$$x^2 - x + y^2 - y = 0$$
$$\left(x - \frac{1}{2}\right)^2 - \frac{1}{4} + \left(y - \frac{1}{2}\right)^2 - \frac{1}{4} = 0$$
$$\left(x - \frac{1}{2}\right)^2 + \left(y - \frac{1}{2}\right)^2 = \frac{1}{2}$$
したがって、求める図形は中心 $\left(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}\right)$、半径 $\frac{1}{\sqrt{2}}$ の円である(図示は省略)。
(2)
①より、以下が成り立つ。
$$x^2+y^2 = t$$
ここで、$x^2+y^2 = (x+y)^2 - 2xy = t^2 - 2xy$ であるから、
$$t^2 - 2xy = t$$
$$xy = \frac{t^2-t}{2}$$
$x, y$ は、$X$ についての2次方程式 $X^2 - (x+y)X + xy = 0$、すなわち以下の2次方程式の2解である。
$$X^2 - tX + \frac{t^2-t}{2} = 0$$
$x, y$ は実数であるから、この2次方程式は実数解をもつ。その判別式を $D$ とすると、$D \geqq 0$ である。
$$D = (-t)^2 - 4 \cdot 1 \cdot \frac{t^2-t}{2} \geqq 0$$
$$t^2 - 2t^2 + 2t \geqq 0$$
$$-t^2 + 2t \geqq 0$$
$$t(t-2) \leqq 0$$
これを解いて、求める $t$ の範囲は以下の通りとなる。
$$0 \leqq t \leqq 2$$
(3)
$F$ を $x+y$ と $xy$ を用いて変形する。
$$\begin{aligned} F &= x^3+y^3-x^2y-xy^2 \\ &= (x+y)(x^2-xy+y^2) - xy(x+y) \\ &= (x+y)(x^2+y^2-2xy) \end{aligned}$$
$x+y = t$、$x^2+y^2 = t$、$xy = \frac{t^2-t}{2}$ を代入する。
$$\begin{aligned} F &= t \left( t - 2 \cdot \frac{t^2-t}{2} \right) \\ &= t(t - t^2 + t) \\ &= -t^3 + 2t^2 \end{aligned}$$
$t$ の関数 $F(t) = -t^3 + 2t^2$ について、$0 \leqq t \leqq 2$ の範囲で増減を調べる。
$$F'(t) = -3t^2 + 4t = -t(3t-4)$$
$F'(t) = 0$ となる $t$ の値は $t = 0, \frac{4}{3}$ である。増減表は以下のようになる。
| $t$ | $0$ | $\cdots$ | $\frac{4}{3}$ | $\cdots$ | $2$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $F'(t)$ | $0$ | $+$ | $0$ | $-$ | |
| $F(t)$ | $0$ | $\nearrow$ | $\frac{32}{27}$ | $\searrow$ | $0$ |
したがって、$t = \frac{4}{3}$ のとき最大値を取り、$t = 0, 2$ のとき最小値を取る。最大値の計算は以下の通りである。
$$F \left(\frac{4}{3}\right) = -\left(\frac{4}{3}\right)^3 + 2\left(\frac{4}{3}\right)^2 = -\frac{64}{27} + \frac{32}{9} = \frac{32}{27}$$
解法2
(2) の別解(図形的な解法)
$t = x+y$ より、以下のように変形できる。
$$y = -x + t$$
これは $xy$ 平面上において、傾き $-1$、$y$ 切片 $t$ の直線を表す。 実数 $x, y$ が等式①を満たすとは、この直線と(1)で求めた円が共有点をもつことと同値である。
円の中心 $\left(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}\right)$ と直線 $x+y-t=0$ との距離を $d$ とすると、円の半径は $\frac{1}{\sqrt{2}}$ であるから、$d \leqq \frac{1}{\sqrt{2}}$ であればよい。点と直線の距離の公式より、
$$d = \frac{\left| \frac{1}{2} + \frac{1}{2} - t \right|}{\sqrt{1^2+1^2}} = \frac{|1-t|}{\sqrt{2}}$$
したがって、以下の不等式が成り立つ。
$$\frac{|1-t|}{\sqrt{2}} \leqq \frac{1}{\sqrt{2}}$$
$$|1-t| \leqq 1$$
$$-1 \leqq 1-t \leqq 1$$
$$-2 \leqq -t \leqq 0$$
$$0 \leqq t \leqq 2$$
解説
- 対称式を利用する典型的な問題である。2変数の対称式は、基本対称式 $x+y, xy$ を用いてすべて表すことができる。
- 変数を置き換えた際は、必ず「置き換えた変数のとりうる値の範囲(定義域)」を調べる必要がある。(2)がその誘導となっている。
- (2)で文字の範囲を求める際、解法1のように「実数解の存在条件(2次方程式の判別式)」に帰着させる代数的手法と、解法2のように「図形の共有点の存在条件(点と直線の距離)」に帰着させる幾何的手法のどちらも重要であり、頻出の考え方である。
答え
(1)
中心 $\left(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}\right)$、半径 $\frac{1}{\sqrt{2}}$ の円
(2)
$0 \leqq t \leqq 2$
(3)
$F = -t^3 + 2t^2$
最大値 $\frac{32}{27}$、$t = \frac{4}{3}$ のとき
最小値 $0$、$t = 0, 2$ のとき
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