数学2 最大最小・解の個数 問題 32 解説

方針・初手
与えられた2つの関数から $y$ を消去し、$x$ についての方程式を作ります。交点の個数は、この方程式の異なる実数解の個数に一致します。 式を整理する際、定数 $a$ を片方の辺に孤立させる「定数分離」の考え方を用いることで、$x$ に依存する関数のグラフと、$x$ 軸に平行な直線 $y=a$ の共有点の個数の問題に帰着させることができます。
解法1
3次関数 $y = x^3 - 4x^2 + 6x$ と直線 $y = x + a$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の実数解である。
$$x^3 - 4x^2 + 6x = x + a$$
これを整理して定数 $a$ を分離すると、以下のようになる。
$$x^3 - 4x^2 + 5x = a$$
ここで、$f(x) = x^3 - 4x^2 + 5x$ とおく。 求める交点の個数は、関数 $y = f(x)$ のグラフと直線 $y = a$ の共有点の個数に等しい。
関数 $f(x)$ の増減を調べるために、導関数 $f'(x)$ を求める。
$$f'(x) = 3x^2 - 8x + 5 = (3x - 5)(x - 1)$$
$f'(x) = 0$ とすると、$x = 1, \frac{5}{3}$ である。 $f(x)$ の増減表は次のようになる。
| $x$ | $\cdots$ | $1$ | $\cdots$ | $\frac{5}{3}$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $f(x)$ | $\nearrow$ | $2$ | $\searrow$ | $\frac{50}{27}$ | $\nearrow$ |
極小値 $f\left(\frac{5}{3}\right)$ の計算は以下の通りである。
$$f\left(\frac{5}{3}\right) = \left(\frac{5}{3}\right)^3 - 4\left(\frac{5}{3}\right)^2 + 5\left(\frac{5}{3}\right) = \frac{125}{27} - \frac{100}{9} + \frac{25}{3} = \frac{125 - 300 + 225}{27} = \frac{50}{27}$$
したがって、関数 $y = f(x)$ は $x = 1$ で極大値 $2$ をとり、$x = \frac{5}{3}$ で極小値 $\frac{50}{27}$ をとる。
関数 $y = f(x)$ のグラフと直線 $y = a$ の共有点の個数を調べると、定数 $a$ の値によって以下のように分類される。
(i) $a < \frac{50}{27}$ または $2 < a$ のとき グラフは1点で交わるため、交点の個数は1個である。
(ii) $a = \frac{50}{27}, 2$ のとき グラフは1点で接し、別の1点で交わるため、交点の個数は2個である。
(iii) $\frac{50}{27} < a < 2$ のとき グラフは異なる3点で交わるため、交点の個数は3個である。
解説
方程式の実数解の個数を図形的に捉える際、極めて有効な「定数分離」を用いる典型問題です。 $y = x^3 - 4x^2 + 6x$ と $y = x + a$ のグラフをそのまま描いて考えることも不可能ではありませんが、接する条件などを求める計算が煩雑になりがちです。定数 $a$ のみを分離することで、固定された3次関数のグラフに対して、真横の直線 $y=a$ を上下に動かして視覚的に交点の数を数えるだけで済むようになります。 計算ミスなく極値を求め、正確に場合分けを行うことが求められます。
答え
$a < \frac{50}{27}, 2 < a$ のとき 1個
$a = \frac{50}{27}, 2$ のとき 2個
$\frac{50}{27} < a < 2$ のとき 3個
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