トップ 基礎問題 数学2 微分法 最大最小・解の個数 問題 35

数学2 最大最小・解の個数 問題 35 解説

数学2 最大最小・解の個数 問題 35 解説

方針・初手

与えられた条件式と求める式が、ともに $x, y$ の対称式であることに着目する。基本対称式である和 $x+y$ と積 $xy$ をそれぞれ文字でおき、条件式を用いて1変数の関数に帰着させる。このとき、実数 $x, y$ が存在するための条件から、変数のとりうる値の範囲(定義域)を求めることを忘れないようにする。

解法1

$u = x+y$、$v = xy$ とおく。

条件式 $x^2 + xy + y^2 = 6$ は、次のように変形できる。

$$(x+y)^2 - xy = 6$$

これに $u, v$ を代入すると、以下の関係式が得られる。

$$u^2 - v = 6$$

よって、$v$ は $u$ を用いて次のように表せる。

$$v = u^2 - 6$$

実数 $x, y$ は、2次方程式 $t^2 - (x+y)t + xy = 0$、すなわち $t^2 - ut + v = 0$ の2つの実数解である。実数解をもつ条件は、判別式を $D$ とすると $D \ge 0$ であるから、

$$u^2 - 4v \ge 0$$

これに $v = u^2 - 6$ を代入して整理する。

$$u^2 - 4(u^2 - 6) \ge 0$$

$$-3u^2 + 24 \ge 0$$

$$u^2 \le 8$$

したがって、$u$ のとりうる値の範囲は次のようになる。

$$-2\sqrt{2} \le u \le 2\sqrt{2}$$

次に、求める式を $K$ とおき、$u, v$ で表す。

$$K = x^2y + xy^2 - x^2 - 2xy - y^2 + x + y$$

$$K = xy(x+y) - (x+y)^2 + (x+y)$$

$$K = uv - u^2 + u$$

これに $v = u^2 - 6$ を代入する。

$$K = u(u^2 - 6) - u^2 + u$$

$$K = u^3 - u^2 - 5u$$

$f(u) = u^3 - u^2 - 5u$ とおき、定義域 $-2\sqrt{2} \le u \le 2\sqrt{2}$ における $f(u)$ の値の範囲を調べる。

$f(u)$ を微分すると、

$$f'(u) = 3u^2 - 2u - 5 = (3u - 5)(u + 1)$$

$f'(u) = 0$ となるのは、$u = -1, \frac{5}{3}$ のときである。これらはともに定義域 $-2\sqrt{2} \le u \le 2\sqrt{2}$ ($-2.82\dots \le u \le 2.82\dots$)に含まれる。

$f(u)$ の増減は以下のようになる。

$u = -2\sqrt{2}$ のとき

$$f(-2\sqrt{2}) = -16\sqrt{2} - 8 + 10\sqrt{2} = -8 - 6\sqrt{2}$$

$u = -1$ のとき

$$f(-1) = -1 - 1 + 5 = 3$$

$u = \frac{5}{3}$ のとき

$$f\left(\frac{5}{3}\right) = \frac{125}{27} - \frac{25}{9} - \frac{25}{3} = -\frac{175}{27}$$

$u = 2\sqrt{2}$ のとき

$$f(2\sqrt{2}) = 16\sqrt{2} - 8 - 10\sqrt{2} = -8 + 6\sqrt{2}$$

これらの値を比較して最大値と最小値を求める。

最大値の候補は $3$ と $-8 + 6\sqrt{2}$ である。$6\sqrt{2} = \sqrt{72} < \sqrt{81} = 9$ であるから、$-8 + 6\sqrt{2} < 1$ となり、最大値は $3$ である。

最小値の候補は $-8 - 6\sqrt{2}$ と $-\frac{175}{27}$ である。$-8 - 6\sqrt{2} = -8 - \sqrt{72}$ であり、$8 < \sqrt{72} < 9$ であるから、$-17 < -8 - 6\sqrt{2} < -16$ である。一方、$-\frac{175}{27} = -6.48\dots$ であるから、最小値は $-8 - 6\sqrt{2}$ である。

したがって、$K$ のとりうる値の範囲は $-8 - 6\sqrt{2} \le K \le 3$ である。

解説

2変数の対称式を扱う際の非常に典型的な問題である。$x+y=u, xy=v$ とおくことで式を簡略化し、最終的に1変数の微分の問題に帰着させる。

この解法における最大の注意点は、置換した変数 $u$ の定義域(隠れた条件)を見落とさないことである。実数 $x, y$ が存在するための条件「$u^2 - 4v \ge 0$」から $u$ の範囲を絞り込む手続きは、対称式を扱う上で必須の処理である。これを忘れると、$u$ がすべての実数値をとると勘違いし、正しい最大値・最小値を得ることができない。

また、増減を調べた後の値の比較において、無理数と有理数の大小関係を正確に評価することも求められる。平方根の値を評価する基本的な技術があれば問題なく処理できる。

答え

$$-8 - 6\sqrt{2} \le x^2y + xy^2 - x^2 - 2xy - y^2 + x + y \le 3$$

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