数学2 最大最小・解の個数 問題 40 解説

方針・初手
接点の $x$ 座標を $s$ とおき、接線の方程式を立てる。 その接線が点 $\text{P}(1, t)$ を通るという条件から、$s$ の3次方程式を導き、その実数解の個数を調べる。 面積 $S(t)$ は $s$ を用いて表すことができるため、(1) で求めた $t$ の範囲に対応する $s$ の範囲を求め、$S(t)$ の範囲に変換する。
解法1
(1)
$f(x) = x^3 - x$ とおくと、$f'(x) = 3x^2 - 1$ である。 曲線 $C$ 上の点 $(s, s^3 - s)$ における接線の方程式は、
$$y - (s^3 - s) = (3s^2 - 1)(x - s)$$
整理すると、
$$y = (3s^2 - 1)x - 2s^3$$
となる。 この接線が点 $\text{P}(1, t)$ を通るので、
$$t = 3s^2 - 1 - 2s^3$$
$$2s^3 - 3s^2 + 1 = -t$$
3次関数のグラフにおいて、接点が異なれば接線も異なる。 したがって、引ける接線の本数は、この $s$ についての3次方程式の実数解の個数に一致する。 $g(s) = 2s^3 - 3s^2 + 1$ とおくと、
$$g'(s) = 6s^2 - 6s = 6s(s - 1)$$
$g'(s) = 0$ となるのは $s = 0, 1$ のときであり、$g(s)$ の増減表は次のようになる。
| $s$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ | $1$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $g'(s)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $g(s)$ | $\nearrow$ | $1$ | $\searrow$ | $0$ | $\nearrow$ |
接線がちょうど1本だけ引ける条件は、$y = g(s)$ のグラフと直線 $y = -t$ が共有点をちょうど1つだけ持つことである。 増減表より、その条件は
$$-t < 0 \quad \text{または} \quad -t > 1$$
したがって、求める $t$ の範囲は
$$t < -1, \quad 0 < t$$
(2)
接線 $y = (3s^2 - 1)x - 2s^3$ と曲線 $C$ の共有点の $x$ 座標を求める。
$$x^3 - x = (3s^2 - 1)x - 2s^3$$
$$x^3 - 3s^2 x + 2s^3 = 0$$
左辺は $(x - s)^2$ を因数に持つので、
$$(x - s)^2 (x + 2s) = 0$$
これより、接点以外の交点の $x$ 座標は $x = -2s$ である。 $t < -1, \ 0 < t$ のとき、接点は1つのみであるから $s \neq 0$ であり、$s \neq -2s$ となる。 接線と $C$ で囲まれた部分の面積 $S(t)$ は、
$$S(t) = \left| \int_{-2s}^{s} (x^3 - 3s^2 x + 2s^3) dx \right|$$
$$= \left| \int_{-2s}^{s} (x - s)^2 (x + 2s) dx \right|$$
$$= \frac{1}{12} |s - (-2s)|^4 = \frac{81}{12} s^4 = \frac{27}{4} s^4$$
ここで、$t$ が (1) で求めた範囲を動くときの $s$ の範囲を調べる。 $t < -1$ のとき、$-t > 1$ より $g(s) > 1$ となる。
$$2s^3 - 3s^2 + 1 > 1$$
$$s^2 (2s - 3) > 0$$
$s \neq 0$ より、これを解いて $s > \frac{3}{2}$ を得る。 一方、$t > 0$ のとき、$-t < 0$ より $g(s) < 0$ となる。
$$2s^3 - 3s^2 + 1 < 0$$
$$(s - 1)^2 (2s + 1) < 0$$
$s \neq 1$ より、これを解いて $s < -\frac{1}{2}$ を得る。 よって $s$ のとりうる範囲は $s < -\frac{1}{2}$ または $s > \frac{3}{2}$ である。 $s < -\frac{1}{2}$ のとき $s^4 > \frac{1}{16}$ であり、$s > \frac{3}{2}$ のとき $s^4 > \frac{81}{16}$ である。 合わせた範囲は $s^4 > \frac{1}{16}$ となるため、
$$S(t) > \frac{27}{4} \cdot \frac{1}{16} = \frac{27}{64}$$
これが求める面積の範囲である。
解説
- (1) は「3次関数の接線の本数は、接点の個数に一致する」という事実を利用し、接点の $x$ 座標についての3次方程式の実数解の個数問題に帰着させる典型的な問題である。定数を分離してグラフの交点を考えると見通しが良い。
- (2) の面積計算では、3次関数とその接線の差が $(x - \alpha)^2 (x - \beta)$ と因数分解できることを利用する。積分公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)^2 (\beta - x) dx = \frac{1}{12}(\beta - \alpha)^4$ を用いると計算量が劇的に減り、計算ミスも防げる。
- 最後に $S(t)$ の範囲を求める際、$s$ の2つの不等式から得られる範囲の和集合を正しくとる必要がある。
答え
(1)
$t < -1, \quad 0 < t$
(2)
$S(t) > \frac{27}{64}$
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