数学2 最大最小・解の個数 問題 42 解説

方針・初手
(1) は導関数を求めて増減表を作成し、関数の極値を調べる基本的な問題である。展開してから微分するか、積の微分公式を用いる。(2) は (1) で得られたグラフの概形を利用して、曲線 $y=f(x)$ と直線 $y=a$ の上下関係から共有点の個数を視覚的に判断する。(3) は絶対値のついた関数のグラフの概形を描き、同様に直線 $y=a$ との共有点の個数を調べる。絶対値のグラフは $x$ 軸より下の部分を折り返すことで得られることに着目する。
解法1
(1)
与えられた関数を展開してから微分する。
$$\begin{aligned} f(x) &= (x+1)^2(x-3) \\ &= (x^2+2x+1)(x-3) \\ &= x^3 - x^2 - 5x - 3 \end{aligned}$$
$x$ について微分する。
$$\begin{aligned} f'(x) &= 3x^2 - 2x - 5 \\ &= (3x-5)(x+1) \end{aligned}$$
$f'(x) = 0$ とすると、$x = -1, \frac{5}{3}$ である。 これより、$f(x)$ の増減表は以下のようになる。
| $x$ | $\cdots$ | $-1$ | $\cdots$ | $\frac{5}{3}$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $f(x)$ | $\nearrow$ | $0$ | $\searrow$ | $-\frac{256}{27}$ | $\nearrow$ |
ここで、$f(-1)$ および $f\left(\frac{5}{3}\right)$ の値は以下のように計算できる。
$$f(-1) = (-1+1)^2(-1-3) = 0$$
$$f\left(\frac{5}{3}\right) = \left(\frac{5}{3}+1\right)^2 \left(\frac{5}{3}-3\right) = \left(\frac{8}{3}\right)^2 \left(-\frac{4}{3}\right) = -\frac{256}{27}$$
したがって、$f(x)$ は $x=-1$ で極大値 $0$ をとり、$x=\frac{5}{3}$ で極小値 $-\frac{256}{27}$ をとる。
(2)
$y=f(x)$ のグラフと $y=a$ のグラフの共有点の個数は、方程式 $f(x)=a$ の実数解の個数と等しい。 (1) の増減表より、$y=f(x)$ のグラフは点 $(-1, 0)$ で極大となり、点 $\left(\frac{5}{3}, -\frac{256}{27}\right)$ で極小となる3次関数の曲線である。 このグラフと直線 $y=a$ の上下関係から、共有点の個数は以下のようになる。
(i) $a > 0$ のとき、1個
(ii) $a = 0$ のとき、2個
(iii) $-\frac{256}{27} < a < 0$ のとき、3個
(iv) $a = -\frac{256}{27}$ のとき、2個
(v) $a < -\frac{256}{27}$ のとき、1個
(3)
$y=|f(x)|$ のグラフは、$y=f(x)$ のグラフのうち $y < 0$ となる部分を $x$ 軸に関して対称に折り返したものである。 (1) の結果から $f(3) = 0$ であることがわかるため、グラフの折り返しによって新たに $x=3$ で極小値 $0$ をとる。 また、元のグラフの極小点 $\left(\frac{5}{3}, -\frac{256}{27}\right)$ は、折り返されて極大点 $\left(\frac{5}{3}, \frac{256}{27}\right)$ となる。 元の極大点 $(-1, 0)$ は $y \geqq 0$ の領域にあるため、折り返し後も極小値としてそのまま保たれる。
したがって、$y=|f(x)|$ のグラフは $x=-1, 3$ で極小値 $0$ をとり、$x=\frac{5}{3}$ で極大値 $\frac{256}{27}$ をとる。 このグラフと直線 $y=a \ (a \geqq 0)$ との共有点の個数は以下のようになる。
(ア) $a > \frac{256}{27}$ のとき、2個
(イ) $a = \frac{256}{27}$ のとき、3個
(ウ) $0 < a < \frac{256}{27}$ のとき、4個
(エ) $a = 0$ のとき、2個
解説
微分の基本的な計算と、極値を用いたグラフの概形の把握を問う標準的な問題である。 (1) で正確に増減表を作成し極値を求めることが、(2) および (3) の正答に直結する。特に分数の累乗の計算ミスに注意したい。 (2) は方程式の実数解の個数をグラフの交点の個数に帰着させる定石通りに解く。 (3) の絶対値を含む関数のグラフは、$x$ 軸より下の部分を上に折り返すことで描画できる。折り返した後の極大値と極小値の $y$ 座標の値を正しく押さえることが重要である。
答え
(1) 増減表は以下の通りである。
| $x$ | $\cdots$ | $-1$ | $\cdots$ | $\frac{5}{3}$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $f(x)$ | $\nearrow$ | $0$ | $\searrow$ | $-\frac{256}{27}$ | $\nearrow$ |
極大値をとるときの $x$ の値は $-1$、そのときの $f(x)$ の値は $0$
極小値をとるときの $x$ の値は $\frac{5}{3}$、そのときの $f(x)$ の値は $-\frac{256}{27}$
(2) $a > 0$ または $a < -\frac{256}{27}$ のとき、1個
$a = 0, -\frac{256}{27}$ のとき、2個
$-\frac{256}{27} < a < 0$ のとき、3個
(3) $a > \frac{256}{27}$ のとき、2個
$a = \frac{256}{27}$ のとき、3個
$0 < a < \frac{256}{27}$ のとき、4個
$a = 0$ のとき、2個
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