数学2 最大最小・解の個数 問題 43 解説

方針・初手
$f(x)$ の導関数を求めて増減を調べ、$y = f(x)$ のグラフの概形をつかむ。その後、$x$軸の下側にある部分を上側に折り返して $y = |f(x)|$ のグラフの概形を決定する。(2)では(1)のグラフを利用して、固定された区間 $[-1, 1]$ と極大値を与える $x=a$ の位置関係、および区間の両端における値の大小を $a$ の値で場合分けして比較する。
解法1
(1) $f(x) = \frac{1}{3}x^3 - a^2x - \frac{2}{3}a^3$ について、導関数を求める。
$$f'(x) = x^2 - a^2 = (x - a)(x + a)$$
$a > 0$ であるから、$f'(x) = 0$ となるのは $x = \pm a$ のときである。 $f(x)$ の増減は以下のようになる。
$x < -a$ のとき $f'(x) > 0$、$f(x)$ は単調に増加する。 $x = -a$ のとき $f'(x) = 0$、$f(x)$ は極大値 $0$ をとる。 $-a < x < a$ のとき $f'(x) < 0$、$f(x)$ は単調に減少する。 $x = a$ のとき $f'(x) = 0$、$f(x)$ は極小値 $-\frac{4}{3}a^3$ をとる。 $x > a$ のとき $f'(x) > 0$、$f(x)$ は単調に増加する。
また、$f(x) = 0$ を解くと、
$$\frac{1}{3}(x^3 - 3a^2x - 2a^3) = 0$$
$$\frac{1}{3}(x+a)^2(x-2a) = 0$$
よって、$y=f(x)$ のグラフは点 $(-a, 0)$ で $x$ 軸に接し、点 $(2a, 0)$ で $x$ 軸と交わる。 $y = |f(x)|$ のグラフは、$y = f(x)$ のグラフのうち $x \leqq 2a$ ($f(x) \leqq 0$)の部分を $x$ 軸に関して対称に折り返したものである。 このとき、$x = a$ で極大値 $\frac{4}{3}a^3$ をとり、$x = -a, 2a$ で極小値 $0$ をとる。 グラフは、$x \leqq -a$ で減少し、$-a \leqq x \leqq a$ で増加、$a \leqq x \leqq 2a$ で減少し、$x \geqq 2a$ で増加する概形となる。
(2) $g(x) = |f(x)|$ とおく。(1) のグラフより、$g(x)$ は $-a \leqq x \leqq a$ で単調増加し、$x=a$ で極大値 $g(a) = \frac{4}{3}a^3$ をとる。 区間 $-1 \leqq x \leqq 1$ における最大値を調べるため、$a$ の値によって場合分けを行う。 あらかじめ $f(-1)$ および $f(1)$ の値を計算しておく。
$$f(-1) = -\frac{1}{3} + a^2 - \frac{2}{3}a^3 = -\frac{1}{3}(a-1)^2(2a+1)$$
$$f(1) = \frac{1}{3} - a^2 - \frac{2}{3}a^3 = \frac{1}{3}(a+1)^2(1-2a)$$
$a>0$ より常に $f(-1) \leqq 0$ であるため、$g(-1) = \frac{2}{3}a^3 - a^2 + \frac{1}{3}$ となる。
(i) $0 < a \leqq \frac{1}{2}$ のとき $a \leqq 1$ より区間 $[-1, 1]$ に極大点 $x=a$ が含まれる。 $1-2a \geqq 0$ より $f(1) \geqq 0$ であるから、$g(1) = f(1) = -\frac{2}{3}a^3 - a^2 + \frac{1}{3}$ となる。 最大値の候補は $g(-1), g(a), g(1)$ である。
$$g(-1) - g(1) = \frac{4}{3}a^3 > 0$$
$$g(-1) - g(a) = \frac{2}{3}a^3 - a^2 + \frac{1}{3} - \frac{4}{3}a^3 = \frac{1}{3}(1-2a)(a+1)^2 \geqq 0$$
よって $g(-1) \geqq g(a) > g(1)$ となり、最大値は $x=-1$ のとき $g(-1) = \frac{2}{3}a^3 - a^2 + \frac{1}{3}$ である。
(ii) $\frac{1}{2} < a \leqq 1$ のとき 区間 $[-1, 1]$ に極大点 $x=a$ が含まれる。 $1-2a < 0$ より $f(1) < 0$ であるから、$g(1) = -f(1) = \frac{2}{3}a^3 + a^2 - \frac{1}{3}$ となる。 最大値の候補は $g(-1), g(a), g(1)$ である。
$$g(a) - g(-1) = \frac{4}{3}a^3 - \left(\frac{2}{3}a^3 - a^2 + \frac{1}{3}\right) = \frac{1}{3}(2a-1)(a+1)^2 > 0$$
$$g(a) - g(1) = \frac{4}{3}a^3 - \left(\frac{2}{3}a^3 + a^2 - \frac{1}{3}\right) = \frac{1}{3}(a-1)^2(2a+1) \geqq 0$$
よって $g(a) > g(-1)$ かつ $g(a) \geqq g(1)$ となり、最大値は $x=a$ のとき $g(a) = \frac{4}{3}a^3$ である。
(iii) $1 < a$ のとき 区間 $[-1, 1]$ は極大点 $x=a$ より左側にあり、区間全体が $-a < x < a$ の単調増加の範囲に含まれる。 この範囲で $g(x)$ は単調増加であるため、最大値は右端の $x=1$ のときとる。 $a > 1 > \frac{1}{2}$ より $f(1) < 0$ であるから、最大値は $g(1) = \frac{2}{3}a^3 + a^2 - \frac{1}{3}$ である。
解説
絶対値を含む関数の最大値を求める典型問題である。(1)で正確なグラフの概形を描き、(2)で区間と極大点の位置関係を把握することが重要である。特に、区間の両端における関数の値と極大値の大小比較を漏れなく行うことで、正しい場合分けの境界である $a=\frac{1}{2}$ および $a=1$ を見つけることができる。差をとって因数分解する基本処理を確実に実行したい。
答え
(1) 以下の特徴を持つグラフを描く。
$x \leqq -a$ で減少、$-a \leqq x \leqq a$ で増加、$a \leqq x \leqq 2a$ で減少、$x \geqq 2a$ で増加する。
点 $(-a, 0)$ および $(2a, 0)$ で $x$ 軸に接する(または折れ曲がる)ように共有し、極小値 $0$ をとる。
点 $(a, \frac{4}{3}a^3)$ で極大値をとる。
$y$ 軸との交点は $(0, \frac{2}{3}a^3)$ である。
(2)
$0 < a \leqq \frac{1}{2}$ のとき:$\frac{2}{3}a^3 - a^2 + \frac{1}{3}$
$\frac{1}{2} < a \leqq 1$ のとき:$\frac{4}{3}a^3$
$1 < a$ のとき:$\frac{2}{3}a^3 + a^2 - \frac{1}{3}$
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





