トップ 基礎問題 数学2 微分法 最大最小・解の個数 問題 47

数学2 最大最小・解の個数 問題 47 解説

数学2 最大最小・解の個数 問題 47 解説

方針・初手

直円錐の高さまたは底面の半径を変数として設定し、体積をその変数の関数として表すのが基本方針である。ここでは直円錐の高さを変数 $h$ とおき、底面の半径を $h$ と球の半径 $a$ を用いて表す。その後、体積を $h$ の式として立式し、微分法を用いて最大値を求める。

解法1

直円錐の高さを $h$ とする。直円錐が球に内接するとき、頂点から底面に下ろした垂線は球の中心を通る。

球の中心から直円錐の底面までの距離は $|h - a|$ となる。直円錐の底面の半径を $r$ とすると、三平方の定理より

$$r^2 + (h - a)^2 = a^2$$

が成り立つ。これを $r^2$ について整理すると、

$$r^2 = a^2 - (h - a)^2 = a^2 - (h^2 - 2ah + a^2) = 2ah - h^2$$

となる。直円錐が存在するためには $r^2 > 0$ が必要であり、$a > 0$ であるから $2ah - h^2 > 0$ より $h(2a - h) > 0$ となる。したがって、$h$ のとりうる値の範囲は

$$0 < h < 2a$$

である。このとき、直円錐の体積 $V$ は、

$$V = \frac{1}{3}\pi r^2 h = \frac{\pi}{3} (2ah - h^2) h = \frac{\pi}{3} (2ah^2 - h^3)$$

と表される。ここで、$f(h) = 2ah^2 - h^3$ とおき、$f(h)$ の増減を調べる。$h$ について微分すると、

$$f'(h) = 4ah - 3h^2 = -3h\left(h - \frac{4}{3}a\right)$$

となる。$f'(h) = 0$ となるのは $h = 0, \frac{4}{3}a$ のときである。$0 < h < 2a$ における $f(h)$ の符号の変化を調べると以下のようになる。

$0 < h < \frac{4}{3}a$ において $f'(h) > 0$ であり、$f(h)$ は単調に増加する。 $h = \frac{4}{3}a$ において $f'(h) = 0$ となる。 $\frac{4}{3}a < h < 2a$ において $f'(h) < 0$ であり、$f(h)$ は単調に減少する。

したがって、$f(h)$ は $h = \frac{4}{3}a$ のとき極大かつ最大となる。このときの $f(h)$ の値は

$$f\left(\frac{4}{3}a\right) = 2a\left(\frac{4}{3}a\right)^2 - \left(\frac{4}{3}a\right)^3 = \frac{32}{9}a^3 - \frac{64}{27}a^3 = \frac{32}{27}a^3$$

である。ゆえに、求める体積の最大値は

$$V = \frac{\pi}{3} \cdot \frac{32}{27}a^3 = \frac{32}{81}\pi a^3$$

となる。

解法2

直円錐の高さを $h$ 、底面の半径を $r$ とおく。解法1と同様にして、$r^2 = 2ah - h^2$ ($0 < h < 2a$) を得る。体積 $V$ は

$$V = \frac{\pi}{3} (2ah - h^2) h = \frac{\pi}{3} h^2 (2a - h)$$

である。ここで、$0 < h < 2a$ より $\frac{h}{2} > 0$ および $2a - h > 0$ であるから、正の数における相加平均と相乗平均の大小関係を用いると、

$$\frac{\frac{h}{2} + \frac{h}{2} + (2a - h)}{3} \geqq \sqrt[3]{\frac{h}{2} \cdot \frac{h}{2} \cdot (2a - h)}$$

が成り立つ。左辺を計算して整理すると、

$$\frac{2a}{3} \geqq \sqrt[3]{\frac{h^2(2a - h)}{4}}$$

両辺は正であるから3乗して、

$$\frac{8a^3}{27} \geqq \frac{h^2(2a - h)}{4}$$

したがって、以下の不等式を得る。

$$h^2(2a - h) \leqq \frac{32}{27}a^3$$

等号が成立するのは、相加平均と相乗平均の大小関係における各項が等しいとき、すなわち $\frac{h}{2} = 2a - h$ のときである。これを解くと $h = 4a - 2h$ より $h = \frac{4}{3}a$ となり、$0 < h < 2a$ を満たしている。

よって、$h = \frac{4}{3}a$ のとき、$h^2(2a - h)$ は最大値 $\frac{32}{27}a^3$ をとる。ゆえに、体積の最大値は

$$V = \frac{\pi}{3} \cdot \frac{32}{27}a^3 = \frac{32}{81}\pi a^3$$

である。

解説

空間図形の最大・最小問題における典型的な処理である。立体の体積を1つの変数(本問では高さ $h$)で表し、その定義域を正しく求めたうえで微分法によって関数の増減を調べるのが最も確実な基本方針である。

また、解法2のように、多項式の積の形になっている式に対して相加平均と相乗平均の大小関係を工夫して適用することで、微分を回避して最大値を求めることも可能である。変数の和が定数になるように項を分割する(ここでは $h^2$ に着目し、$h$ を $\frac{h}{2}$ と $\frac{h}{2}$ に分けた)ことがこの手法を用いる際のポイントである。

答え

円錐の高さ: $\frac{4}{3}a$

体積の最大値: $\frac{32}{81}\pi a^3$

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