トップ 基礎問題 数学2 微分法 最大最小・解の個数 問題 51

数学2 最大最小・解の個数 問題 51 解説

数学2 最大最小・解の個数 問題 51 解説

方針・初手

点 $P$ と点 $Q$ の動きをそれぞれ円の媒介変数表示を用いて表す。点 $P$ は原点中心、点 $Q$ は点 $B$ 中心の円運動であることに注意し、角速度と初期位置の偏角から座標を決定する。その後、$PQ^2$ を計算し、三角関数の倍角公式を用いて $\cos\theta$ だけの式に変形する。最後に、得られた $t$ の 3 次関数について、定義域に注意しながら微分を用いて最小値を求める。

解法1

(1)

点 $P$ は原点を中心とする半径 $1$ の円 $C_1$ 上を点 $A(1, 0)$ から反時計回りに進む。$\angle AOP = \theta$ であるから、点 $P$ の座標は

$$(\cos\theta, \sin\theta)$$

と表される。

点 $Q$ は点 $B(-1, 0)$ を中心とする半径 $1$ の円 $C_2$ 上を点 $D(-2, 0)$ から出発する。 点 $Q$ の速さは点 $P$ の $2$ 倍であり、時計回りに進む。点 $P$ が角 $\theta$ だけ進む間に、点 $Q$ は時計回りに角 $2\theta$ だけ進む。 点 $B$ から見た点 $D$ の方向は $x$ 軸の負の方向(偏角 $\pi$)であるから、点 $B$ から点 $Q$ への動径の偏角は $\pi - 2\theta$ となる。 したがって、点 $Q$ の座標は

$$x = -1 + 1 \cdot \cos(\pi - 2\theta) = -1 - \cos 2\theta$$

$$y = 0 + 1 \cdot \sin(\pi - 2\theta) = \sin 2\theta$$

となり、点 $Q$ の座標は $(-1 - \cos 2\theta, \sin 2\theta)$ である。

(2)

(1) の結果より、$PQ^2$ を計算する。

$$PQ^2 = \{\cos\theta - (-1 - \cos 2\theta)\}^2 + (\sin\theta - \sin 2\theta)^2$$

$$= (\cos\theta + 1 + \cos 2\theta)^2 + (\sin\theta - \sin 2\theta)^2$$

ここで、2倍角の公式 $\cos 2\theta = 2\cos^2\theta - 1$ および $\sin 2\theta = 2\sin\theta\cos\theta$ を用いて変形する。

$$PQ^2 = (\cos\theta + 2\cos^2\theta)^2 + (\sin\theta - 2\sin\theta\cos\theta)^2$$

$$= \cos^2\theta + 4\cos^3\theta + 4\cos^4\theta + \sin^2\theta(1 - 2\cos\theta)^2$$

$\sin^2\theta = 1 - \cos^2\theta$ を用いてさらに展開する。

$$PQ^2 = \cos^2\theta + 4\cos^3\theta + 4\cos^4\theta + (1 - \cos^2\theta)(1 - 4\cos\theta + 4\cos^2\theta)$$

$$= \cos^2\theta + 4\cos^3\theta + 4\cos^4\theta + (1 - 4\cos\theta + 4\cos^2\theta - \cos^2\theta + 4\cos^3\theta - 4\cos^4\theta)$$

$$= 8\cos^3\theta + 4\cos^2\theta - 4\cos\theta + 1$$

$t = \cos\theta$ であるから、$t$ を用いて表すと

$$PQ^2 = 8t^3 + 4t^2 - 4t + 1$$

となる。

(3)

$\theta$ の範囲は $0 \leqq \theta \leqq \pi$ であるから、$t = \cos\theta$ のとりうる値の範囲は

$$-1 \leqq t \leqq 1$$

である。

$f(t) = 8t^3 + 4t^2 - 4t + 1$ とおき、この範囲における $f(t)$ の最小値を求める。 $f(t)$ を $t$ で微分すると

$$f'(t) = 24t^2 + 8t - 4 = 4(6t^2 + 2t - 1)$$

$f'(t) = 0$ となる $t$ の値は、解の公式より

$$t = \frac{-1 \pm \sqrt{1^2 - 6 \cdot (-1)}}{6} = \frac{-1 \pm \sqrt{7}}{6}$$

である。これらはともに $-1 \leqq t \leqq 1$ を満たす。 $t_1 = \frac{-1 - \sqrt{7}}{6}$, $t_2 = \frac{-1 + \sqrt{7}}{6}$ とおくと、$f(t)$ の増減表は次のようになる。

$t$ $-1$ $\cdots$ $t_1$ $\cdots$ $t_2$ $\cdots$ $1$
$f'(t)$ $+$ $0$ $-$ $0$ $+$
$f(t)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$ 極小 $\nearrow$

増減表より、最小値の候補は極小値である $f(t_2)$ と、区間の左端である $f(-1)$ のいずれかである。 $t = -1$ のときの値は

$$f(-1) = 8(-1)^3 + 4(-1)^2 - 4(-1) + 1 = -8 + 4 + 4 + 1 = 1$$

次に $f(t_2)$ の値を求める。$f(t)$ を $6t^2 + 2t - 1$ で割ると

$$f(t) = (6t^2 + 2t - 1) \left(\frac{4}{3}t + \frac{2}{9}\right) - \frac{28}{9}t + \frac{11}{9}$$

となる。$t = t_2$ のとき $6t_2^2 + 2t_2 - 1 = 0$ であるから、

$$f(t_2) = -\frac{28}{9} t_2 + \frac{11}{9} = -\frac{28}{9} \left( \frac{-1 + \sqrt{7}}{6} \right) + \frac{11}{9}$$

$$= \frac{14 - 14\sqrt{7}}{27} + \frac{33}{27} = \frac{47 - 14\sqrt{7}}{27}$$

ここで、$f(-1)$ と $f(t_2)$ の大小を比較する。

$$f(-1) - f(t_2) = 1 - \frac{47 - 14\sqrt{7}}{27} = \frac{14\sqrt{7} - 20}{27}$$

$(14\sqrt{7})^2 = 1372$, $20^2 = 400$ であり、$14\sqrt{7} > 20$ であるから $f(-1) - f(t_2) > 0$ となる。 したがって $f(t_2) < f(-1)$ であり、最小値は $t = t_2$ のときにとることがわかる。

解説

(1) では、原点以外の点を中心とする円周上の点の座標を正しく立式できるかが問われている。中心の座標に変位を加える考え方を用いる。 (2) では、得られた式を $\cos\theta$ のみに統一する計算力が求められる。2 倍角の公式を正確に適用し、式を整理する。 (3) は、3 次関数の最大・最小問題の典型である。導関数から得られる極値の $t$ 座標が無理数になる場合、関数の割り算を用いて次数を下げてから代入する手法(次数下げ)が計算の工夫として非常に有効である。また、増減表を書いたのち、極小値と区間の端点の値を比較することを忘れてはならない。

答え

(1) 点 $P(\cos\theta, \sin\theta)$, 点 $Q(-1 - \cos 2\theta, \sin 2\theta)$

(2) $PQ^2 = 8t^3 + 4t^2 - 4t + 1$

(3) $t = \frac{-1 + \sqrt{7}}{6}$ のとき、最小値 $\frac{47 - 14\sqrt{7}}{27}$

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