トップ 基礎問題 数学2 微分法 最大最小・解の個数 問題 52

数学2 最大最小・解の個数 問題 52 解説

数学2 最大最小・解の個数 問題 52 解説

方針・初手

(1)は、角度 $\angle \text{BAP}$ を $\theta$(または $\sin\theta = t$)とおいて、直角三角形の三角比や座標平面上の直線の方程式を用いて線分QRの長さを導出する。 (2)は、(1)で求めた式が $t$ の関数となるため、微分を用いてその関数の最大・最小を調べる典型的な手法をとる。点Pが動く範囲から、変数 $t$ の定義域を正しく設定することが重要である。

解法1

(1)

$\angle \text{BAP} = \theta$ とおく。 $\triangle \text{ABP}$ は $\angle \text{B} = 90^\circ$ の直角三角形であるから、

$$ AP = \frac{AB}{\cos \theta} = \frac{1}{\cos \theta} $$

となる。

線分APの中点をMとすると、

$$ AM = \frac{1}{2} AP = \frac{1}{2\cos \theta} $$

である。

APの垂直二等分線は点Mを通りAPに垂直である。直線QRと辺ABの交点がQであるから、$\triangle \text{AMQ}$ は $\angle \text{AMQ} = 90^\circ$ の直角三角形である。 よって、

$$ AQ = \frac{AM}{\cos \theta} = \frac{1}{2\cos^2 \theta} $$

と表される。

さらに、$\triangle \text{AQR}$ は $\angle \text{QAR} = 90^\circ$ の直角三角形である。$\angle \text{MQA} = 90^\circ - \theta$ より $\angle \text{RQA} = 90^\circ - \theta$ であり、したがって $\angle \text{ARQ} = \theta$ となる。 よって、

$$ QR = \frac{AQ}{\sin \angle \text{ARQ}} = \frac{AQ}{\sin \theta} = \frac{1}{2\sin \theta \cos^2 \theta} $$

となる。

ここで $\sin \angle \text{BAP} = \sin \theta = t$ とおくと、$\cos^2 \theta = 1 - \sin^2 \theta = 1 - t^2$ であるから、

$$ QR = \frac{1}{2t(1-t^2)} $$

と表される。

(2)

$\sin \angle \text{BAP} = t$ とおく。 点Pは辺BC上(Bを除く)を動くので、$0 < \angle \text{BAP} \le \angle \text{BAC} = 45^\circ$ である。 したがって、$t$ のとり得る値の範囲は $0 < t \le \frac{1}{\sqrt{2}}$ となる。

(1)より $QR = \frac{1}{2t(1-t^2)}$ であるから、$QR$ が最小となるのは分母 $f(t) = 2t(1-t^2)$ が最大となるときである。

$$ f(t) = -2t^3 + 2t $$

を $t$ で微分すると、

$$ f'(t) = -6t^2 + 2 = -2(3t^2 - 1) $$

となる。

$f'(t) = 0$ となる $t$ の値は、$t > 0$ より $t = \frac{1}{\sqrt{3}}$ である。 $\frac{1}{\sqrt{3}} < \frac{1}{\sqrt{2}}$ を満たすので、定義域内における $f(t)$ の増減表は以下のようになる。

$t$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{1}{\sqrt{3}}$ $\cdots$ $\frac{1}{\sqrt{2}}$
$f'(t)$ $+$ $0$ $-$
$f(t)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表より、$f(t)$ は $t = \frac{1}{\sqrt{3}}$ のとき最大値をとる。 その最大値は、

$$ f\left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right) = 2 \cdot \frac{1}{\sqrt{3}} \left( 1 - \frac{1}{3} \right) = \frac{4}{3\sqrt{3}} $$

である。

よって、$QR$ の長さの最小値は、

$$ QR = \frac{1}{f\left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right)} = \frac{3\sqrt{3}}{4} $$

である。

解法2

(1)

点Aを原点 $(0,0)$、辺ABを $x$ 軸上、辺ADを $y$ 軸上にとる。 各頂点の座標は $A(0,0)$、$B(1,0)$、$C(1,1)$、$D(0,1)$ となる。 点Pは辺BC上(Bを除く)にあるため、その座標を $(1, p)$ とおく(ただし $0 < p \le 1$)。

線分APの中点Mの座標は $\left(\frac{1}{2}, \frac{p}{2}\right)$ である。 直線APの傾きは $p$ であるから、APの垂直二等分線の傾きは $-\frac{1}{p}$ となる。 よって、垂直二等分線の方程式は、

$$ y - \frac{p}{2} = -\frac{1}{p} \left( x - \frac{1}{2} \right) $$

と表される。

点Qは辺AB($x$ 軸)上の点であるから、$y=0$ を代入して、

$$ -\frac{p}{2} = -\frac{1}{p} \left( x - \frac{1}{2} \right) $$

$$ x = \frac{p^2 + 1}{2} $$

よって $Q\left(\frac{p^2 + 1}{2}, 0\right)$ となる。

点Rは辺ADまたはその延長($y$ 軸)上の点であるから、$x=0$ を代入して、

$$ y - \frac{p}{2} = \frac{1}{2p} $$

$$ y = \frac{p^2 + 1}{2p} $$

よって $R\left(0, \frac{p^2 + 1}{2p}\right)$ となる。

線分QRの長さの2乗は、

$$ QR^2 = \left( \frac{p^2 + 1}{2} \right)^2 + \left( \frac{p^2 + 1}{2p} \right)^2 = \frac{(p^2 + 1)^2}{4} \left( 1 + \frac{1}{p^2} \right) = \frac{(p^2 + 1)^3}{4p^2} $$

となるので、

$$ QR = \frac{(p^2 + 1)\sqrt{p^2 + 1}}{2p} $$

である。

ここで $\angle \text{BAP} = \theta$、$\sin \theta = t$ とおく。 $\tan \theta = p$ であり、$p^2 + 1 = \tan^2 \theta + 1 = \frac{1}{\cos^2 \theta} = \frac{1}{1-t^2}$ となる。 また、$p = \frac{\sin \theta}{\cos \theta} = \frac{t}{\sqrt{1-t^2}}$ であるから、これらを $QR$ の式に代入すると、

$$ QR = \frac{1}{2 \frac{t}{\sqrt{1-t^2}}} \left( \frac{1}{1-t^2} \right)^{\frac{3}{2}} = \frac{\sqrt{1-t^2}}{2t} \cdot \frac{1}{(1-t^2)\sqrt{1-t^2}} = \frac{1}{2t(1-t^2)} $$

と表される。

(2)

$\sin \angle \text{BAP} = t$ とおく。 点Pは辺BC上(Bを除く)を動くので、$0 < \angle \text{BAP} \le 45^\circ$ である。 したがって、$t$ のとり得る値の範囲は $0 < t \le \frac{1}{\sqrt{2}}$ となる。

(1)より $QR = \frac{1}{2t(1-t^2)}$ である。 分母を $f(t) = -2t^3 + 2t$ とおき、$t$ で微分すると、

$$ f'(t) = -6t^2 + 2 = -2(3t^2 - 1) $$

となる。

$f'(t) = 0$ となる $t$ の値は、$t > 0$ より $t = \frac{1}{\sqrt{3}}$ である。 $0 < t \le \frac{1}{\sqrt{2}}$ における $f(t)$ の増減表は以下のようになる。

$t$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{1}{\sqrt{3}}$ $\cdots$ $\frac{1}{\sqrt{2}}$
$f'(t)$ $+$ $0$ $-$
$f(t)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表より、$f(t)$ は $t = \frac{1}{\sqrt{3}}$ のとき最大値 $\frac{4}{3\sqrt{3}}$ をとる。

よって、$QR$ は分母が最大のときに最小となるため、その最小値は、

$$ QR = \frac{3\sqrt{3}}{4} $$

である。

解説

(1)は初等幾何的に長さを追いかけるか、座標を設定して計算するかの選択となる。どちらの手法を選んでも計算量はそれほど変わらないため、自分が確実に立式できる方針を選択するとよい。 (2)は(1)で求めた関数を微分する基本的な問題であるが、点Pの可動範囲から変数 $t$ の定義域($0 < t \le \frac{1}{\sqrt{2}}$)を正確に押さえることが最大のポイントである。定義域を誤ると、誤った増減表や極値の判定につながるため注意が必要である。

答え

(1) $\frac{1}{2 \sin \angle \text{BAP} (1 - \sin^2 \angle \text{BAP})}$

(2) $\frac{3\sqrt{3}}{4}$

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