数学2 最大最小・解の個数 問題 56 解説

方針・初手
三角関数の方程式を扱うため、まずは角の関数を統一する。$\sin^2 x + \cos^2 x = 1$ を用いて方程式を $\cos x$ のみで表し、$\cos x = t$ と置き換える。このとき、$x$ の定義域から $t$ のとりうる値の範囲を求めるとともに、$t$ の値1つに対して $x$ の値がいくつ存在するか(対応関係)を慎重に調べる必要がある。その後、定数 $a$ を分離し、グラフの共有点の個数から解の個数を求める。
解法1
与えられた方程式 $\sin^2 x + 3\cos^2 x - 2\cos x - a = 0$ において、$\sin^2 x = 1 - \cos^2 x$ を代入すると、
$$(1 - \cos^2 x) + 3\cos^2 x - 2\cos x - a = 0$$
整理して定数 $a$ を分離すると、
$$2\cos^2 x - 2\cos x + 1 = a$$
ここで、$\cos x = t$ とおく。$x$ の変域が $-\frac{\pi}{2} \leqq x \leqq \pi$ であるから、$t$ のとりうる値の範囲は
$$-1 \leqq t \leqq 1$$
である。
また、$t$ の値1つに対する $x$ の個数は、$y = \cos x \left( -\frac{\pi}{2} \leqq x \leqq \pi \right)$ のグラフを考えることで、以下のように分類できる。
(i) $t = 1$ のとき $x = 0$ の 1個
(ii) $0 \leqq t < 1$ のとき $-\frac{\pi}{2} \leqq x < 0$ と $0 < x < \frac{\pi}{2}$ の範囲に1つずつ存在し、合計 2個
(iii) $-1 \leqq t < 0$ のとき $\frac{\pi}{2} < x \leqq \pi$ の範囲にのみ存在し、合計 1個
次に、$t$ の関数 $f(t)$ を以下のように定める。
$$f(t) = 2t^2 - 2t + 1$$
これを平方完成すると、
$$f(t) = 2\left(t - \frac{1}{2}\right)^2 + \frac{1}{2}$$
となる。与えられた方程式の解の個数は、$ty$ 平面における放物線 $y = f(t) \ (-1 \leqq t \leqq 1)$ と直線 $y = a$ の共有点の $t$ 座標に注目し、上記の対応関係を用いて $x$ の個数に換算すればよい。
$y = f(t)$ のグラフは、頂点が $\left(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}\right)$ の下に凸な放物線であり、端点や軸との交点は以下のようになる。 $f(1) = 1$ $f(0) = 1$ $f(-1) = 5$
グラフの上下関係と共有点の位置から、定数 $a$ の値によって場合分けを行う。
(1) $a < \frac{1}{2}, 5 < a$ のとき 共有点はない。したがって、$x$ の解の個数は0個である。
(2) $a = \frac{1}{2}$ のとき 共有点は $t = \frac{1}{2}$ の1つである。これは (ii) の範囲に含まれるため、$x$ の解の個数は2個である。
(3) $\frac{1}{2} < a < 1$ のとき 共有点は $0 < t < \frac{1}{2}$ に1つ、$\frac{1}{2} < t < 1$ に1つの合計2つ存在する。これらはどちらも (ii) の範囲に含まれるため、$x$ の解の個数は $2 + 2 = 4$ 個である。
(4) $a = 1$ のとき 共有点は $t = 0, 1$ の2つである。$t = 0$ は (ii) に属し(2個)、$t = 1$ は (i) に属する(1個)ため、$x$ の解の個数は $2 + 1 = 3$ 個である。
(5) $1 < a \leqq 5$ のとき 共有点は $-1 \leqq t < 0$ の範囲に1つだけ存在する。これは (iii) の範囲に含まれるため、$x$ の解の個数は1個である。
解説
文字の置き換えによって方程式を簡略化する典型問題であるが、変数の対応関係に注意が必要である。$\cos x = t$ とおいた際、$t$ の範囲だけでなく「ある $t$ に対して $x$ がいくつ存在するか」という対応個数が区間によって異なる点が本問の核心である。置き換えた後の変数のグラフと、元の変数のグラフを双方ともイメージしながら論証を進めることが求められる。
答え
$a < \frac{1}{2}, 5 < a$ のとき 0個
$1 < a \leqq 5$ のとき 1個
$a = \frac{1}{2}$ のとき 2個
$a = 1$ のとき 3個
$\frac{1}{2} < a < 1$ のとき 4個
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