数学2 最大最小・解の個数 問題 59 解説

方針・初手
(1) 与えられた関数 $f(x)$ を微分して増減を調べる。$p$ が正であることに注意する。
(2) (1) で求めた極大値と極小値の積の符号を調べる。3次関数が極大値と極小値をもち、その積が負であれば、実数解は3つ存在する。
(3) (2) の結果と合わせて、$x = -2p$ および $x = 2p$ での $f(x)$ の値の符号を調べ、中間値の定理の考え方を用いて解の存在範囲を特定する。
(4) $\cos 3\theta = 4\cos^3\theta - 3\cos\theta$ の3倍角の公式を利用する形になることを見越して、式変形を行う。
解法1
(1)
$$f(x) = x^3 - 3p^2x + q$$
を微分すると、
$$f'(x) = 3x^2 - 3p^2 = 3(x-p)(x+p)$$
となる。$p > 0$ であるから、$f'(x) = 0$ となるのは $x = \pm p$ のときである。$f(x)$ の増減は以下のようになる。
$x < -p$ のとき $f'(x) > 0$
$x = -p$ のとき $f'(x) = 0$
$-p < x < p$ のとき $f'(x) < 0$
$x = p$ のとき $f'(x) = 0$
$x > p$ のとき $f'(x) > 0$
したがって、$f(x)$ は $x = -p$ で極大、$x = p$ で極小となる。それぞれの極値は、
$$f(-p) = (-p)^3 - 3p^2(-p) + q = 2p^3 + q$$
$$f(p) = p^3 - 3p^2(p) + q = -2p^3 + q$$
となる。
(2)
与えられた条件 $-2p^3 < q < 2p^3$ より、
$$2p^3 + q > 0$$
かつ
$$-2p^3 + q < 0$$
が成り立つ。よって、(1) で求めた極大値と極小値について、
$$f(-p) > 0, \quad f(p) < 0$$
となる。関数 $f(x)$ は連続であり、$f(-p) > 0$ かつ $f(p) < 0$ であることから、$x < -p$、$-p < x < p$、$p < x$ の各区間にそれぞれ1つずつ、合計3つの相異なる実数解を持つことが示された。
(3)
$x = -2p$ および $x = 2p$ における $f(x)$ の値を調べる。
$$f(-2p) = (-2p)^3 - 3p^2(-2p) + q = -8p^3 + 6p^3 + q = -2p^3 + q$$
$$f(2p) = (2p)^3 - 3p^2(2p) + q = 8p^3 - 6p^3 + q = 2p^3 + q$$
条件 $-2p^3 < q < 2p^3$ より、
$$f(-2p) < 0, \quad f(2p) > 0$$
であることが分かる。
(1), (2) の結果と合わせて、$f(-2p) < 0$、$f(-p) > 0$、$f(p) < 0$、$f(2p) > 0$ であるから、$f(x) = 0$ の3つの解を $\alpha, \beta, \gamma$ ($\alpha < \beta < \gamma$) とすると、
$$-2p < \alpha < -p$$
$$-p < \beta < p$$
$$p < \gamma < 2p$$
が成り立つ。したがって、3つの解はすべて $-2p < x < 2p$ をみたすことが示された。
(4)
$2p\cos\theta$ が $f(x) = 0$ の解であるから、$f(2p\cos\theta) = 0$ が成り立つ。代入して整理すると、
$$\begin{aligned} f(2p\cos\theta) &= (2p\cos\theta)^3 - 3p^2(2p\cos\theta) + q \\ &= 8p^3\cos^3\theta - 6p^3\cos\theta + q \\ &= 2p^3(4\cos^3\theta - 3\cos\theta) + q = 0 \end{aligned}$$
となる。3倍角の公式 $\cos 3\theta = 4\cos^3\theta - 3\cos\theta$ を用いると、
$$2p^3\cos 3\theta + q = 0$$
が成り立つ。
次に、$x = 2p\cos\left(\theta + \frac{2\pi}{3}\right)$ を $f(x)$ に代入する。
$$\begin{aligned} f\left(2p\cos\left(\theta + \frac{2\pi}{3}\right)\right) &= \left(2p\cos\left(\theta + \frac{2\pi}{3}\right)\right)^3 - 3p^2\left(2p\cos\left(\theta + \frac{2\pi}{3}\right)\right) + q \\ &= 2p^3\left(4\cos^3\left(\theta + \frac{2\pi}{3}\right) - 3\cos\left(\theta + \frac{2\pi}{3}\right)\right) + q \end{aligned}$$
ここでも3倍角の公式を用いると、
$$\begin{aligned} 4\cos^3\left(\theta + \frac{2\pi}{3}\right) - 3\cos\left(\theta + \frac{2\pi}{3}\right) &= \cos\left(3\left(\theta + \frac{2\pi}{3}\right)\right) \\ &= \cos(3\theta + 2\pi) \\ &= \cos 3\theta \end{aligned}$$
となるため、
$$f\left(2p\cos\left(\theta + \frac{2\pi}{3}\right)\right) = 2p^3\cos 3\theta + q = 0$$
となり、$2p\cos\left(\theta + \frac{2\pi}{3}\right)$ も解であることが示された。
同様に、$x = 2p\cos\left(\theta + \frac{4\pi}{3}\right)$ を $f(x)$ に代入する。
$$\begin{aligned} f\left(2p\cos\left(\theta + \frac{4\pi}{3}\right)\right) &= 2p^3\left(4\cos^3\left(\theta + \frac{4\pi}{3}\right) - 3\cos\left(\theta + \frac{4\pi}{3}\right)\right) + q \\ &= 2p^3\cos\left(3\left(\theta + \frac{4\pi}{3}\right)\right) + q \\ &= 2p^3\cos(3\theta + 4\pi) + q \\ &= 2p^3\cos 3\theta + q = 0 \end{aligned}$$
となり、$2p\cos\left(\theta + \frac{4\pi}{3}\right)$ も解であることが示された。
解説
3次方程式の実数解の個数と解の存在範囲、および三角関数の公式を組み合わせた標準的な問題である。
(1) と (2) は極値の積の符号から実数解の個数を判定する典型的な手法を用いる。
(3) は中間値の定理を活用し、端点での関数値の符号を調べることで解の存在範囲を絞り込む。
(4) は、チェビシェフの多項式と関連する有名問題である。$4\cos^3\theta - 3\cos\theta$ という形が現れたら、すかさず3倍角の公式を利用できるようにしておきたい。周期性を利用して他の解も表現できることが実感できるだろう。
答え
(1)
$x = -p$ のとき、極大値 $2p^3 + q$
$x = p$ のとき、極小値 $-2p^3 + q$
(2)
解法1の通り証明された。
(3)
解法1の通り証明された。
(4)
解法1の通り証明された。
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