数学2 最大最小・解の個数 問題 61 解説

方針・初手
(1) は与えられた関数 $f(x)$ を構成する2つの2次式をそれぞれ $0$ とおいて方程式を解き、得られた解の大小を比較します。
(2) は (1) で求めた解を利用して4次不等式 $f(x) \leqq 0$ を解き、その解の区間に含まれる整数を求めます。
(3) は $n$ が整数であることから $f(n)$ も整数になるという性質を利用します。$f(n) \leqq 1$ という不等式を、$f(n) \leqq 0$ の場合と $f(n) = 1$ の場合に分けて考えます。あるいは、関数値が急激に大きくなることを利用して調べるべき整数の範囲を絞り込む方針も有効です。
解法1
(1)
方程式 $f(x) = 0$ は、$(x^2 - 2)(x^2 - 4x + 2) = 0$ であるから、
$$x^2 - 2 = 0 \quad \text{または} \quad x^2 - 4x + 2 = 0$$
$x^2 - 2 = 0$ より、
$$x = \pm \sqrt{2}$$
$x^2 - 4x + 2 = 0$ より、
$$x = \frac{4 \pm \sqrt{16 - 8}}{2} = 2 \pm \sqrt{2}$$
得られた4つの実数解 $-\sqrt{2}, \sqrt{2}, 2-\sqrt{2}, 2+\sqrt{2}$ の大小関係を比較する。 $1 < \sqrt{2} < 2$ であるから、各値のおおよその範囲を考えると、
$$\begin{aligned} -\sqrt{2} &< 0 \\ 0 &< 2 - \sqrt{2} < 1 \\ 1 &< \sqrt{2} < 2 \\ 3 &< 2 + \sqrt{2} < 4 \end{aligned}$$
となり、$-\sqrt{2} < 2-\sqrt{2} < \sqrt{2} < 2+\sqrt{2}$ であることがわかる。 よって、小さい順に並べると、
$$-\sqrt{2}, \quad 2-\sqrt{2}, \quad \sqrt{2}, \quad 2+\sqrt{2}$$
(2)
$f(x) \leqq 0$ の解は、関数 $y = f(x)$ のグラフが $x$ 軸およびそれより下側にある $x$ の範囲である。 (1) の結果と $f(x)$ の最高次の係数が正であることから、$f(x) \leqq 0$ を満たす $x$ の範囲は、
$$-\sqrt{2} \leqq x \leqq 2-\sqrt{2}, \quad \sqrt{2} \leqq x \leqq 2+\sqrt{2}$$
ここで、$1.41 < \sqrt{2} < 1.42$ を用いて区間の端点を評価すると、
$$\begin{aligned} -1.42 &< -\sqrt{2} < -1.41 \\ 0.58 &< 2-\sqrt{2} < 0.59 \\ 1.41 &< \sqrt{2} < 1.42 \\ 3.41 &< 2+\sqrt{2} < 3.42 \end{aligned}$$
したがって、求める範囲は概ね $-1.4 \leqq x \leqq 0.5$ または $1.4 \leqq x \leqq 3.4$ となる。 この範囲に含まれる整数 $n$ は、
$$n = -1, 0, 2, 3$$
(3)
$n$ は整数であるから、$n^2 - 2$ および $n^2 - 4n + 2$ はともに整数である。 したがって、$f(n) = (n^2 - 2)(n^2 - 4n + 2)$ も整数となる。 $f(n)$ が整数であるとき、不等式 $f(n) \leqq 1$ は以下の2つの場合に分けられる。
(i) $f(n) \leqq 0$ のとき (2) の結果より、これを満たす整数 $n$ は $n = -1, 0, 2, 3$ である。
(ii) $f(n) = 1$ のとき $(n^2 - 2)(n^2 - 4n + 2) = 1$ であり、左辺の2つの因数はともに整数であるから、かけて $1$ になる整数の組を考えると、以下の2パターンに限られる。
パターンア:$n^2 - 2 = 1$ かつ $n^2 - 4n + 2 = 1$ $n^2 - 2 = 1$ より $n^2 = 3$。これを満たす整数 $n$ は存在しないため不適。
パターンイ:$n^2 - 2 = -1$ かつ $n^2 - 4n + 2 = -1$ $n^2 - 2 = -1$ より $n^2 = 1$。よって $n = \pm 1$。 $n = 1$ のとき、$1^2 - 4\cdot 1 + 2 = -1$ となり条件を満たす。 $n = -1$ のとき、$(-1)^2 - 4(-1) + 2 = 7 \neq -1$ となり不適。 よって、$n = 1$。
(i), (ii) より、不等式 $f(n) \leqq 1$ を満たす整数 $n$ は、
$$n = -1, 0, 1, 2, 3$$
解法2
(3) の別解を示す。
$f(n) = (n^2 - 2)\{(n - 2)^2 - 2\}$ と変形する。 $n$ が大きくなる、または小さくなると $f(n)$ の値は急激に大きくなることを利用し、調べるべき $n$ の範囲を絞り込む。
$n \geqq 4$ のとき、$n^2 - 2 \geqq 16 - 2 = 14$、$(n - 2)^2 - 2 \geqq 4 - 2 = 2$ であるから、
$$f(n) \geqq 14 \times 2 = 28 > 1$$
$n \leqq -2$ のとき、$n^2 - 2 \geqq 4 - 2 = 2$、$(n - 2)^2 - 2 \geqq 16 - 2 = 14$ であるから、
$$f(n) \geqq 2 \times 14 = 28 > 1$$
したがって、$f(n) \leqq 1$ を満たす可能性がある整数 $n$ の範囲は $-1 \leqq n \leqq 3$ に限られる。 この範囲の整数について、順に $f(n)$ の値を計算する。
$$\begin{aligned} n = -1 &\text{ のとき } f(-1) = (-1) \times 7 = -7 \leqq 1 \\ n = 0 &\text{ のとき } f(0) = (-2) \times 2 = -4 \leqq 1 \\ n = 1 &\text{ のとき } f(1) = (-1) \times (-1) = 1 \leqq 1 \\ n = 2 &\text{ のとき } f(2) = 2 \times (-2) = -4 \leqq 1 \\ n = 3 &\text{ のとき } f(3) = 7 \times (-1) = -7 \leqq 1 \end{aligned}$$
いずれの場合も $f(n) \leqq 1$ を満たす。 以上より、求める整数 $n$ は $n = -1, 0, 1, 2, 3$ である。
解説
(1), (2) は多項式の方程式・不等式の基本的な解法手順を確認する問題です。(1) で求めた無理数の解について、近似値を用いて数直線上での位置関係を正しく把握できるかが問われています。
(3) は「文字が整数である」という条件をどう活かすかがポイントです。 解法1のように、$f(n)$ が整数であることに着目し、$f(n) \leqq 1$ を $f(n) \leqq 0$ と $f(n) = 1$ に分割することで、(2) の結果をそのまま利用でき、残るは整数問題の定石である「積=整数の形から因数を絞り込む」処理に帰着できます。 また、解法2のように、多項式の値が変数の絶対値が大きくなると急速に増大することを用いて、条件を満たす可能性がある整数の範囲を有限個に絞り込み、あとはしらみつぶしに代入して調べるという手法も、整数問題において非常に強力で実践的なアプローチです。
答え
(1) $-\sqrt{2}, \quad 2-\sqrt{2}, \quad \sqrt{2}, \quad 2+\sqrt{2}$
(2) $n = -1, 0, 2, 3$
(3) $n = -1, 0, 1, 2, 3$
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