数学2 最大最小・解の個数 問題 65 解説

方針・初手
(1) は与えられた $t = \sqrt{3}\sin\theta + \cos\theta$ を2乗し、2倍角の公式や半角の公式を利用して式を変形することで、$f(\theta)$ の前半部分と同じ形を作り出します。
(2) は三角関数の合成を用いて $t$ を1つのサイン関数で表し、与えられた $\theta$ の定義域から値域を求めます。
(3) は (1) の結果を用いて $f(\theta) = 0$ を $t$ の2次方程式として解き、$t$ の解から対応する $\theta$ の個数を調べます。(2) の結果と合わせて、$t$ の値に対して $\theta$ がいくつ存在するか(解の個数の対応)を丁寧に場合分けして数え上げます。
解法1
(1)
$t = \sqrt{3}\sin\theta + \cos\theta$ の両辺を2乗する。
$$\begin{aligned} t^2 &= (\sqrt{3}\sin\theta + \cos\theta)^2 \\ &= 3\sin^2\theta + 2\sqrt{3}\sin\theta\cos\theta + \cos^2\theta \end{aligned}$$
2倍角の公式 $\sin 2\theta = 2\sin\theta\cos\theta$、および半角の公式 $\sin^2\theta = \frac{1-\cos 2\theta}{2}$、$\cos^2\theta = \frac{1+\cos 2\theta}{2}$ を代入する。
$$\begin{aligned} t^2 &= 3\left(\frac{1-\cos 2\theta}{2}\right) + \sqrt{3}\sin 2\theta + \frac{1+\cos 2\theta}{2} \\ &= \frac{3 - 3\cos 2\theta + 2\sqrt{3}\sin 2\theta + 1 + \cos 2\theta}{2} \\ &= \frac{2\sqrt{3}\sin 2\theta - 2\cos 2\theta + 4}{2} \end{aligned}$$
分母をはらうと、次の式が得られる。
$$2t^2 = 2\sqrt{3}\sin 2\theta - 2\cos 2\theta + 4$$
与えられた $f(\theta)$ の定義式は次のように変形できる。
$$f(\theta) = (2\sqrt{3}\sin 2\theta - 2\cos 2\theta + 4) - 4a(\sqrt{3}\sin\theta + \cos\theta)$$
先の $2t^2$ の式と $t = \sqrt{3}\sin\theta + \cos\theta$ を代入すると、
$$f(\theta) = 2t^2 - 4at$$
となり、示された。
(2)
$t = \sqrt{3}\sin\theta + \cos\theta$ に対して三角関数の合成を行う。
$$\begin{aligned} t &= 2\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta + \frac{1}{2}\cos\theta\right) \\ &= 2\sin(\theta + 30^\circ) \end{aligned}$$
ここで、$0^\circ \leqq \theta \leqq 180^\circ$ より、角 $\theta + 30^\circ$ のとりうる範囲は
$$30^\circ \leqq \theta + 30^\circ \leqq 210^\circ$$
である。この範囲において $\sin(\theta + 30^\circ)$ の値の範囲は
$$-\frac{1}{2} \leqq \sin(\theta + 30^\circ) \leqq 1$$
となる。辺々を2倍して、
$$-1 \leqq 2\sin(\theta + 30^\circ) \leqq 2$$
よって、$t$ の値の範囲は
$$-1 \leqq t \leqq 2$$
(3)
方程式 $f(\theta) = 0$ は、(1) より
$$2t^2 - 4at = 0$$
$$2t(t - 2a) = 0$$
よって、$t = 0$ または $t = 2a$ である。 $\theta$ の解の個数は、これらの方程式を満たす $0^\circ \leqq \theta \leqq 180^\circ$ の個数の和となる。
まず、$t$ の値に対する $\theta$ の個数を調べる。$x = \theta + 30^\circ$ とおくと、(2) より $\sin x = \frac{t}{2}$ ($30^\circ \leqq x \leqq 210^\circ$) を満たす $x$ の個数と $\theta$ の個数は一致する。 単位円やサインカーブを考慮すると、$t$ の値と $\theta$ の個数の対応は以下のようになる。
- $t = 2$ のとき、$x = 90^\circ$ の1個存在するため、$\theta$ は1個。
- $1 \leqq t < 2$ のとき、$x$ は $30^\circ \leqq x < 90^\circ$ と $90^\circ < x \leqq 150^\circ$ の範囲に1つずつ存在するため、$\theta$ は2個。
- $-1 \leqq t < 1$ のとき、$x$ は $150^\circ < x \leqq 210^\circ$ の範囲に1個存在するため、$\theta$ は1個。
- $t < -1$ または $t > 2$ のとき、解は存在しないため、$\theta$ は0個。
方程式の解の1つは $t = 0$ であり、これは $-1 \leqq t < 1$ の範囲に含まれるため、これに対応する $\theta$ は1個存在する。 もう1つの解 $t = 2a$ について、定数 $a$ の値で場合分けを行い、全体の $\theta$ の個数を調べる。
(i) $2a < -1$ または $2a > 2$、すなわち $a < -\frac{1}{2}$ または $a > 1$ のとき
$t = 2a$ に対応する $\theta$ は0個。 $t = 0$ に対応する $\theta$ は1個。 合計して、解の個数は1個。
(ii) $-1 \leqq 2a < 1$、すなわち $-\frac{1}{2} \leqq a < \frac{1}{2}$ のとき
$t = 2a$ に対応する $\theta$ は1個存在する。 ここで、$2a = 0$ すなわち $a = 0$ のときは $t = 0$ の重解となるため、全体の解の個数は1個となる。 $a \neq 0$ のときは、$t = 0$ と $t = 2a$ からそれぞれ1個ずつ異なる $\theta$ が得られるため、合計して解の個数は2個。
(iii) $1 \leqq 2a < 2$、すなわち $\frac{1}{2} \leqq a < 1$ のとき
$t = 2a$ に対応する $\theta$ は2個存在する。 $t = 0$ に対応する $\theta$ は1個。 これらは重複しないため、合計して解の個数は3個。
(iv) $2a = 2$、すなわち $a = 1$ のとき
$t = 2a = 2$ に対応する $\theta$ は1個存在する。 $t = 0$ に対応する $\theta$ は1個。 これらは重複しないため、合計して解の個数は2個。
以上をまとめると、求める解の個数が得られる。
解説
三角関数の置き換えを用いて、2次方程式の解の個数問題に帰着させる標準的な問題です。
(1) のように $t = a\sin\theta + b\cos\theta$ と置換する問題では、$t^2$ を計算することで $\sin 2\theta$ と $\cos 2\theta$ を作り出せるという関係性を利用します。
(3) における最大のポイントは、「$t$ の値の範囲」だけでなく「$t$ の値1つに対して $\theta$ がいくつ存在するか」を正確に把握することです。$\sin x = k$ の解の個数は $k$ の値によって $0, 1, 2$ 個と変化するため、グラフなどを描いて視覚的に対応関係を整理すると数え漏れや重複を防ぐことができます。特に $t=0$ の重解となる $a=0$ のケースは別扱いにする必要がある点に注意が必要です。
答え
(1) 略(本文参照)
(2) $-1 \leqq t \leqq 2$
(3)
$a < -\frac{1}{2}, \quad a = 0, \quad a > 1$ のとき: 1個
$-\frac{1}{2} \leqq a < 0, \quad 0 < a < \frac{1}{2}, \quad a = 1$ のとき: 2個
$\frac{1}{2} \leqq a < 1$ のとき: 3個
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