数学2 最大最小・解の個数 問題 70 解説

方針・初手
曲線 $C: y = ax^3 - 2x$ と円 $x^2 + y^2 = 1$ の共有点の個数を求める問題である。 連立方程式の実数解 $(x, y)$ の個数を調べればよい。
代数的に $y$ を消去して $x$ の方程式に帰着させる方法と、円上の点を三角関数でパラメータ表示して $a$ を分離する方法が考えられる。本稿では、計算量の少ないパラメータ表示による定数分離の手法を解法1として、代数的な処理を解法2として解説する。
解法1
円 $x^2 + y^2 = 1$ 上の点は、 $\theta$ を $0 \le \theta < 2\pi$ として $(x, y) = (\cos \theta, \sin \theta)$ と表せる。 これが曲線 $C$ 上にあるとき、代入して以下の関係式を得る。
$$\sin \theta = a \cos^3 \theta - 2 \cos \theta$$
$$a \cos^3 \theta = \sin \theta + 2 \cos \theta$$
ここで $\cos \theta = 0$ と仮定すると $\sin \theta = 0$ となるが、これは $\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1$ に反するため不適である。 したがって $\cos \theta \neq 0$ であり、両辺を $\cos^3 \theta$ で割ることができる。
$$a = \frac{\sin \theta}{\cos \theta} \cdot \frac{1}{\cos^2 \theta} + 2 \cdot \frac{1}{\cos^2 \theta}$$
$\tan \theta = u$ とおくと、 $\frac{1}{\cos^2 \theta} = 1 + \tan^2 \theta = 1 + u^2$ であるから、
$$a = u(1 + u^2) + 2(1 + u^2)$$
$$a = u^3 + 2u^2 + u + 2$$
実数 $u$ に対して、 $\tan \theta = u$ を満たす $\theta$ は $0 \le \theta < 2\pi$ の範囲にちょうど2つ($\theta$ と $\theta + \pi$)存在する。 これは単位円上で原点に関して対称な2点に対応し、それぞれ曲線 $C$ 上にある。 したがって、円と $C$ の共有点が6個であるための条件は、 $u$ の3次方程式 $u^3 + 2u^2 + u + 2 - a = 0$ が異なる3つの実数解を持つことである。
$g(u) = u^3 + 2u^2 + u + 2$ とおく。 関数 $y = g(u)$ のグラフと直線 $y = a$ が異なる3つの共有点を持つ条件を求めればよい。
$$g'(u) = 3u^2 + 4u + 1 = (3u + 1)(u + 1)$$
$g'(u) = 0$ を解くと $u = -1, -\frac{1}{3}$ となる。 $g(u)$ は $u = -1$ で極大値、 $u = -\frac{1}{3}$ で極小値をとる。
$$g(-1) = -1 + 2 - 1 + 2 = 2$$
$$g\left(-\frac{1}{3}\right) = -\frac{1}{27} + \frac{2}{9} - \frac{1}{3} + 2 = \frac{-1 + 6 - 9 + 54}{27} = \frac{50}{27}$$
$y = g(u)$ のグラフと $y = a$ が異なる3つの共有点を持つのは、直線 $y = a$ が極小値と極大値の間にあるときであるから、
$$\frac{50}{27} < a < 2$$
これは $a$ が正の実数であるという条件も満たしている。
解法2
連立方程式
$$\begin{cases} y = ax^3 - 2x \\ x^2 + y^2 = 1 \end{cases}$$
から $y$ を消去する。
$$x^2 + (ax^3 - 2x)^2 = 1$$
$$x^2 + a^2 x^6 - 4ax^4 + 4x^2 = 1$$
$$a^2 x^6 - 4ax^4 + 5x^2 - 1 = 0$$
$t = x^2$ とおく。実数 $x$ は $-1 \le x \le 1$ を満たすので、 $0 \le t \le 1$ である。
$$a^2 t^3 - 4a t^2 + 5t - 1 = 0$$
$x$ の値が1つ決まれば、 $y = ax^3 - 2x$ によって実数 $y$ はただ1つ定まる。 $t$ と $x$ の対応は以下のようになる。
- $t=0$ のとき、 $x=0$ (1個)
- $t=1$ のとき、 $x=\pm 1$ (2個)
- $0 < t < 1$ のとき、 $x=\pm\sqrt{t}$ (2個)
共有点が6個となるのは、 $t$ の3次方程式が $0 < t < 1$ の範囲に異なる3つの実数解をもつときである。
$f(t) = a^2 t^3 - 4a t^2 + 5t - 1$ とおく。 関数 $y = f(t)$ のグラフが $0 < t < 1$ で $t$ 軸と3回交わるための条件を求める。
$$f'(t) = 3a^2 t^2 - 8at + 5 = (3at - 5)(at - 1)$$
$a > 0$ より、 $f'(t) = 0$ となるのは $t = \frac{1}{a}, \frac{5}{3a}$ のときである。 $\frac{1}{a} < \frac{5}{3a}$ であるから、 $f(t)$ は $t = \frac{1}{a}$ で極大値、 $t = \frac{5}{3a}$ で極小値をとる。
求める条件は、以下の (i)、(ii)、(iii) をすべて満たすことである。
(i) 2つの極値をとる $t$ の値がともに $0 < t < 1$ にあること
$$0 < \frac{1}{a} < 1 \text{ かつ } 0 < \frac{5}{3a} < 1$$
これより $a > \frac{5}{3}$ である。
(ii) 極大値が正、極小値が負であること 極大値について、
$$f\left(\frac{1}{a}\right) = \frac{1}{a} - \frac{4}{a} + \frac{5}{a} - 1 = \frac{2}{a} - 1 > 0$$
これより $a < 2$ である。
極小値について、
$$f\left(\frac{5}{3a}\right) = \frac{125}{27a} - \frac{100}{9a} + \frac{25}{3a} - 1 = \frac{50}{27a} - 1 < 0$$
これより $a > \frac{50}{27}$ である。
(iii) 区間の両端において $f(0) < 0$ かつ $f(1) > 0$ となること $f(0) = -1 < 0$ は常に成り立つ。
$$f(1) = a^2 - 4a + 4 = (a - 2)^2 > 0$$
これより $a \neq 2$ である。
(i)、(ii)、(iii) の共通範囲をとる。 $\frac{50}{27} = 1.85\dots$、$\frac{5}{3} = \frac{45}{27} = 1.66\dots$ であることに注意して整理すると、以下の範囲を得る。
$$\frac{50}{27} < a < 2$$
解説
連立方程式の解の個数を考える標準的な問題であるが、方針によって計算量に大きな差が出る。 解法2のように文字消去をして1変数の高次方程式に帰着させるのが自然な発想であるが、定数 $a$ をきれいに分離することができないため、3次関数の極値を用いた解の配置問題に持ち込む必要があり、論理の確認事項が多くなる。
一方で、円と関数の連立方程式においては、解法1のように「円の方程式を三角関数でパラメータ表示して曲線の方程式に代入する」という手法が非常に有効である。これにより見事に定数 $a$ が分離され、増減表を書くだけの容易な問題に帰着できる。
答え
$$\frac{50}{27} < a < 2$$
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