トップ 基礎問題 数学2 微分法 最大最小・解の個数 問題 75

数学2 最大最小・解の個数 問題 75 解説

数学2 最大最小・解の個数 問題 75 解説

方針・初手

与えられた条件式は $x, y, z$ について対称ではないが、$y$ と $z$ については対称であることに着目する。

したがって、$y$ と $z$ の基本対称式である $y+z$ と $yz$ を $x$ の式で表すことを第一の目標とする。これができれば、$y^3+z^3$ を基本対称式で変形して $x$ だけの式に帰着できる。

また、$x$ のとりうる値の範囲は、「実数 $y, z$ が存在する」という条件から導く。和と積がわかっているので、解と係数の関係を用いて $y, z$ を解にもつ 2 次方程式を作成し、判別式を利用する定石を用いる。

解法1

(1)

与えられた条件は以下の通りである。

$$x^2 + y^2 + z^2 = 3$$

$$y + z = \sqrt{3}$$

第 1 式を変形し、第 2 式を利用して $yz$ を $x$ の式で表す。

$$y^2 + z^2 = 3 - x^2$$

$$(y + z)^2 - 2yz = 3 - x^2$$

$$(\sqrt{3})^2 - 2yz = 3 - x^2$$

$$3 - 2yz = 3 - x^2$$

$$yz = \frac{x^2}{2}$$

求める式 $x^3 + y^3 + z^3$ は、次のように変形できる。

$$x^3 + y^3 + z^3 = x^3 + (y + z)^3 - 3yz(y + z)$$

これに $y + z = \sqrt{3}$ と $yz = \frac{x^2}{2}$ を代入する。

$$x^3 + y^3 + z^3 = x^3 + (\sqrt{3})^3 - 3 \left( \frac{x^2}{2} \right) \cdot \sqrt{3}$$

$$x^3 + y^3 + z^3 = x^3 - \frac{3\sqrt{3}}{2}x^2 + 3\sqrt{3}$$

(2)

$y, z$ は実数であり、和が $\sqrt{3}$、積が $\frac{x^2}{2}$ である。

解と係数の関係より、$y, z$ は $t$ についての以下の 2 次方程式の 2 つの実数解である。

$$t^2 - \sqrt{3}t + \frac{x^2}{2} = 0$$

この 2 次方程式が実数解をもつための条件は、判別式を $D$ とすると $D \geqq 0$ となることである。

$$D = (-\sqrt{3})^2 - 4 \cdot 1 \cdot \frac{x^2}{2} \geqq 0$$

$$3 - 2x^2 \geqq 0$$

$$x^2 \leqq \frac{3}{2}$$

これを解いて、$x$ のとりうる値の範囲を求める。

$$-\frac{\sqrt{6}}{2} \leqq x \leqq \frac{\sqrt{6}}{2}$$

(3)

(1) の結果から、(2) で求めた $x$ の範囲における関数 $f(x) = x^3 - \frac{3\sqrt{3}}{2}x^2 + 3\sqrt{3}$ の最大値と最小値を調べる。

$f(x)$ を $x$ で微分する。

$$f'(x) = 3x^2 - 3\sqrt{3}x = 3x(x - \sqrt{3})$$

$f'(x) = 0$ となるのは、$x = 0, \sqrt{3}$ のときである。

定義域は $-\frac{\sqrt{6}}{2} \leqq x \leqq \frac{\sqrt{6}}{2}$ であり、$\frac{\sqrt{6}}{2} = \frac{\sqrt{24}}{4} < \frac{\sqrt{48}}{4} = \sqrt{3}$ より、$x = \sqrt{3}$ はこの範囲に含まれない。

したがって、$-\frac{\sqrt{6}}{2} \leqq x \leqq \frac{\sqrt{6}}{2}$ における $f(x)$ の増減は以下のようになる。

増減の様子から、$f(x)$ は $x = 0$ で極大かつ最大となる。

最大値は以下の通りである。

$$f(0) = 3\sqrt{3}$$

最小値は、区間の両端である $x = -\frac{\sqrt{6}}{2}$ と $x = \frac{\sqrt{6}}{2}$ のうち、$f(x)$ の値が小さい方である。それぞれの値を計算する。

$$f\left(-\frac{\sqrt{6}}{2}\right) = \left(-\frac{\sqrt{6}}{2}\right)^3 - \frac{3\sqrt{3}}{2}\left(-\frac{\sqrt{6}}{2}\right)^2 + 3\sqrt{3}$$

$$= -\frac{6\sqrt{6}}{8} - \frac{3\sqrt{3}}{2} \cdot \frac{6}{4} + 3\sqrt{3}$$

$$= -\frac{3\sqrt{6}}{4} - \frac{9\sqrt{3}}{4} + \frac{12\sqrt{3}}{4}$$

$$= \frac{3\sqrt{3} - 3\sqrt{6}}{4}$$

同様に、$x = \frac{\sqrt{6}}{2}$ のときの値を計算する。

$$f\left(\frac{\sqrt{6}}{2}\right) = \left(\frac{\sqrt{6}}{2}\right)^3 - \frac{3\sqrt{3}}{2}\left(\frac{\sqrt{6}}{2}\right)^2 + 3\sqrt{3}$$

$$= \frac{6\sqrt{6}}{8} - \frac{9\sqrt{3}}{4} + 3\sqrt{3}$$

$$= \frac{3\sqrt{6}}{4} - \frac{9\sqrt{3}}{4} + \frac{12\sqrt{3}}{4}$$

$$= \frac{3\sqrt{3} + 3\sqrt{6}}{4}$$

$-\frac{3\sqrt{6}}{4} < \frac{3\sqrt{6}}{4}$ であるから、$f\left(-\frac{\sqrt{6}}{2}\right) < f\left(\frac{\sqrt{6}}{2}\right)$ となる。

したがって、最小値は $\frac{3\sqrt{3} - 3\sqrt{6}}{4}$ である。

解説

複数の変数を含む条件式と式の値の最大・最小を問う、典型的な対称式・交代式の問題である。本問のように一部の変数のみに対称性がある場合は、対称な変数を基本対称式でまとめて処理するのが定石となる。

(2) の「実数存在条件」は、文字を消去した際に残る文字の定義域を決定する極めて重要なプロセスである。和と積から 2 次方程式を作り、判別式に帰着させる手法は頻出である。

(3) で増減表を書く際、極値をとる $x = \sqrt{3}$ が定義域外であることを確認し忘れないように注意したい。端点の値の比較も丁寧な計算が求められる。

答え

(1)

$$x^3 + y^3 + z^3 = x^3 - \frac{3\sqrt{3}}{2}x^2 + 3\sqrt{3}$$

(2)

$$-\frac{\sqrt{6}}{2} \leqq x \leqq \frac{\sqrt{6}}{2}$$

(3)

最大値: $3\sqrt{3}$ ($x = 0$ のとき)

最小値: $\frac{3\sqrt{3} - 3\sqrt{6}}{4}$ ($x = -\frac{\sqrt{6}}{2}$ のとき)

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