トップ 基礎問題 数学2 微分法 接線・不等式 問題 4

数学2 接線・不等式 問題 4 解説

数学2 接線・不等式 問題 4 解説

方針・初手

証明すべき不等式の左辺が $x^n$ と $(n-1)y^n$ の和で表されており、右辺には $x$ の1乗と $y$ の $n-1$ 乗の積が現れていることに着目する。 この形から、$n$ 個の正の数に対する相加平均と相乗平均の大小関係を用いる方針が有効である。 また、片方の文字を定数とみて、もう片方の文字についての関数として微分し、最小値を求める方針でも示すことができる。

解法1

$x > 0, y > 0$ であり、$n$ は正の整数である。

(i) $n=1$ のとき 不等式の左辺は $x^1 + 0 \cdot y^1 = x$ となり、右辺は $1 \cdot x \cdot y^0 = x$ となる。 したがって、両辺が等しくなり不等式は成立する。

(ii) $n \geqq 2$ のとき $x^n$ が $1$ 個、$y^n$ が $n-1$ 個あると考え、これら合計 $n$ 個の正の数に対して、相加平均と相乗平均の大小関係を適用する。

$$\frac{x^n + \overbrace{y^n + y^n + \cdots + y^n}^{n-1 \text{個}}}{n} \geqq \sqrt[n]{x^n \cdot \underbrace{y^n \cdot y^n \cdot \cdots \cdot y^n}_{n-1 \text{個}}}$$

左辺の分子をまとめ、右辺の根号の中身を計算する。

$$\frac{x^n + (n-1)y^n}{n} \geqq \sqrt[n]{x^n \cdot (y^n)^{n-1}}$$

$$\frac{x^n + (n-1)y^n}{n} \geqq \sqrt[n]{x^n y^{n(n-1)}}$$

右辺の根号を外すと、以下のようになる。

$$\frac{x^n + (n-1)y^n}{n} \geqq x y^{n-1}$$

両辺を $n$ 倍することで、証明すべき不等式が得られる。

$$x^n + (n-1)y^n \geqq n x y^{n-1}$$

等号が成立するのは、$n=1$ のとき、または $n \geqq 2$ かつ相加平均と相乗平均の大小関係において等号が成立するとき、すなわち $x^n = y^n$ のときである。 $x>0, y>0$ であるから、等号成立条件は $x=y$ のときである。

以上より、すべての正の整数 $n$ について不等式は成立する。

解法2

$y$ を固定された正の定数とみなし、$x$ の関数 $f(x)$ を次のように定義する。

$$f(x) = x^n + (n-1)y^n - n x y^{n-1} \quad (x > 0)$$

(i) $n=1$ のとき $f(x) = x + 0 \cdot y - 1 \cdot x \cdot 1 = 0$ となり、$f(x) \geqq 0$ が成立する。

(ii) $n \geqq 2$ のとき $f(x)$ を $x$ について微分する。

$$f'(x) = n x^{n-1} - n y^{n-1} = n(x^{n-1} - y^{n-1})$$

$f'(x) = 0$ となるのは $x^{n-1} = y^{n-1}$ のときであり、$x > 0, y > 0$ より $x = y$ のときである。 $n \geqq 2$ のとき $x^{n-1}$ は単調増加関数であるため、$x$ の増減に伴う $f(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $(0)$ $\cdots$ $y$ $\cdots$
$f'(x)$ $-$ $0$ $+$
$f(x)$ $\searrow$ 極小 $\nearrow$

増減表より、$f(x)$ は $x=y$ のとき最小となる。 最小値 $f(y)$ を計算する。

$$f(y) = y^n + (n-1)y^n - n y y^{n-1} = n y^n - n y^n = 0$$

したがって、$x > 0$ において常に $f(x) \geqq 0$ が成り立つ。 すなわち、

$$x^n + (n-1)y^n - n x y^{n-1} \geqq 0$$

移項して、求める不等式が得られる。

$$x^n + (n-1)y^n \geqq n x y^{n-1}$$

等号成立は最小値をとるときであり、増減表から $x=y$ のときであるとわかる。

解説

$n$ 文字の相加平均と相乗平均の大小関係を用いると鮮やかに示せる典型問題である。係数から、「$1$ 個のもの」と「$n-1$ 個のもの」を足し合わせていると見抜くことがポイントとなる。 また、不等式の証明において「片方の文字を固定して微分する」アプローチは、相加相乗平均が思いつかない場合や、より複雑な不等式において非常に汎用性が高いため、解法2の手法も確実に身につけておくべきである。微分を用いる際、$n=1$ の場合を分けて議論することを忘れないよう注意が必要である。

答え

示された

等号成立条件は $x=y$ のときである

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