数学2 接線・不等式 問題 5 解説

方針・初手
点 $\text{P}$ の $x$ 座標を文字 $t$ でおき、$\text{P}$ における接線と法線の方程式を立てる。接線の $x$ 切片、法線の $y$ 切片から $\text{OQ}$ と $\text{OR}$ の長さを $t$ の式で表し、その比を関数として立式して最小値を求める。
解法1
$C$ 上の点 $\text{P}$ の座標を $(t, t^3)$ とする。点 $\text{P}$ は $C$ 上の $x > 0$ の部分を動くため、$t > 0$ である。
$y = x^3$ について $y' = 3x^2$ であるから、点 $\text{P}$ における接線の傾きは $3t^2$ である。 したがって、接線の方程式は、
$$y - t^3 = 3t^2(x - t)$$
すなわち、
$$y = 3t^2x - 2t^3$$
となる。 点 $\text{Q}$ はこの接線と $x$ 軸の交点であるから、$y = 0$ を代入して、
$$0 = 3t^2x - 2t^3$$
$t > 0$ より $t^2 \neq 0$ であるため、$x = \frac{2}{3}t$ を得る。 よって、点 $\text{Q}$ の座標は $\left(\frac{2}{3}t, 0\right)$ であり、$\text{OQ} = \frac{2}{3}t$ となる。
次に、点 $\text{P}$ における法線の方程式を求める。 $t > 0$ より接線の傾き $3t^2$ は $0$ ではないため、法線の傾きは $-\frac{1}{3t^2}$ となる。 したがって、法線の方程式は、
$$y - t^3 = -\frac{1}{3t^2}(x - t)$$
すなわち、
$$y = -\frac{1}{3t^2}x + \frac{1}{3t} + t^3$$
となる。 点 $\text{R}$ はこの法線と $y$ 軸の交点であるから、$x = 0$ を代入して、$y = t^3 + \frac{1}{3t}$ を得る。 $t > 0$ より $t^3 + \frac{1}{3t} > 0$ であるため、点 $\text{R}$ の座標は $\left(0, t^3 + \frac{1}{3t}\right)$ であり、$\text{OR} = t^3 + \frac{1}{3t}$ となる。
これらを用いて、求める比 $\frac{\text{OR}}{\text{OQ}}$ を計算する。
$$\frac{\text{OR}}{\text{OQ}} = \frac{t^3 + \frac{1}{3t}}{\frac{2}{3}t} = \frac{3}{2t} \left( t^3 + \frac{1}{3t} \right) = \frac{3}{2}t^2 + \frac{1}{2t^2}$$
$t > 0$ より $\frac{3}{2}t^2 > 0$、$\frac{1}{2t^2} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係により、
$$\frac{3}{2}t^2 + \frac{1}{2t^2} \geqq 2\sqrt{\frac{3}{2}t^2 \cdot \frac{1}{2t^2}} = 2\sqrt{\frac{3}{4}} = \sqrt{3}$$
が成り立つ。 等号が成立するのは、$\frac{3}{2}t^2 = \frac{1}{2t^2}$ のときである。 これを解くと、$3t^4 = 1$ より $t^4 = \frac{1}{3}$ であり、$t > 0$ を満たす実数 $t = \frac{1}{\sqrt[4]{3}}$ が存在する。 以上より、$\frac{\text{OR}}{\text{OQ}}$ の最小値は $\sqrt{3}$ である。
解法2
$C$ 上の点 $\text{P}$ を $(t, t^3)$ とする。ただし $t > 0$ である。 $y' = 3x^2$ より、$\text{P}$ における接線の方程式は $y = 3t^2(x - t) + t^3$ すなわち $y = 3t^2x - 2t^3$ である。 $y = 0$ とすると $x = \frac{2}{3}t$ となるので、$\text{Q}\left(\frac{2}{3}t, 0\right)$ であり $\text{OQ} = \frac{2}{3}t$ となる。
また、$\text{P}$ における法線の方程式は $y = -\frac{1}{3t^2}(x - t) + t^3$ すなわち $y = -\frac{1}{3t^2}x + \frac{1}{3t} + t^3$ である。 $x = 0$ とすると $y = \frac{1}{3t} + t^3$ となるので、$\text{R}\left(0, t^3 + \frac{1}{3t}\right)$ であり $\text{OR} = t^3 + \frac{1}{3t}$ となる。
したがって、求める比は、
$$\frac{\text{OR}}{\text{OQ}} = \frac{t^3 + \frac{1}{3t}}{\frac{2}{3}t} = \frac{3}{2}t^2 + \frac{1}{2t^2}$$
となる。この関数を $f(t)$ とおき、微分法を用いて最小値を求める。
$$f(t) = \frac{3}{2}t^2 + \frac{1}{2t^2} \quad (t > 0)$$
$f(t)$ を $t$ で微分すると、
$$f'(t) = 3t - \frac{1}{t^3} = \frac{3t^4 - 1}{t^3}$$
$t > 0$ において $f'(t) = 0$ となるのは、$3t^4 - 1 = 0$ すなわち $t = \frac{1}{\sqrt[4]{3}}$ のときである。 $t > 0$ における $f(t)$ の増減表は以下のようになる。
| $t$ | $(0)$ | $\cdots$ | $\frac{1}{\sqrt[4]{3}}$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|
| $f'(t)$ | $-$ | $0$ | $+$ | |
| $f(t)$ | $\searrow$ | 極小 | $\nearrow$ |
増減表より、$f(t)$ は $t = \frac{1}{\sqrt[4]{3}}$ のとき最小となる。 そのときの最小値は、
$$\begin{aligned} f\left(\frac{1}{\sqrt[4]{3}}\right) &= \frac{3}{2} \left( \frac{1}{\sqrt[4]{3}} \right)^2 + \frac{1}{2} \left( \frac{1}{\sqrt[4]{3}} \right)^{-2} \\ &= \frac{3}{2} \cdot \frac{1}{\sqrt{3}} + \frac{1}{2} \cdot \sqrt{3} \\ &= \frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{\sqrt{3}}{2} \\ &= \sqrt{3} \end{aligned}$$
よって、求める最小値は $\sqrt{3}$ である。
解説
接線・法線の方程式を正しく立式し、指定された交点 $\text{Q}, \text{R}$ の座標を正確に求めることが第一歩である。 得られた比の式が $t^2$ と $\frac{1}{t^2}$ の和の形になっていることに着目すれば、解法1のように相加平均と相乗平均の大小関係を用いることで、微分の計算を避けて簡潔に最小値を求めることができる。 もちろん、解法2のように微分法を用いて増減を調べても確実に正答に至るため、どちらの手法でも完答できるようにしておきたい。
答え
$\sqrt{3}$
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