トップ 基礎問題 数学2 微分法 接線・不等式 問題 9

数学2 接線・不等式 問題 9 解説

数学2 接線・不等式 問題 9 解説

方針・初手

与えられた曲線 $y = |x|(1 - |x|)$ の式に着目すると、$x$ の代わりに $-x$ を代入しても式が変わらないことから、この曲線は $y$ 軸に関して対称であることがわかる。 2つの接点 $\left(\frac{2}{3}, \frac{2}{9}\right)$ と $\left(-\frac{2}{3}, \frac{2}{9}\right)$ も $y$ 軸に関して対称であるため、それぞれの点における接線も $y$ 軸に関して対称となる。 したがって、2つの接線の交点は必ず $y$ 軸上に存在し、その $x$ 座標は $0$ となる。片方の接線の方程式を求め、その $y$ 切片を計算すればよい。

解法1

$f(x) = |x|(1 - |x|)$ とおく。 $f(-x) = |-x|(1 - |-x|) = |x|(1 - |x|) = f(x)$ が成り立つため、曲線 $y = f(x)$ は $y$ 軸に関して対称な偶関数である。 接点 $\left(\frac{2}{3}, \frac{2}{9}\right)$ と $\left(-\frac{2}{3}, \frac{2}{9}\right)$ も $y$ 軸に関して対称であるから、これらの点における接線は互いに $y$ 軸に関して対称となる。 ゆえに、この2本の接線の交点は $y$ 軸上にあり、その $y$ 座標は接線の $y$ 切片に等しい。

点 $\left(\frac{2}{3}, \frac{2}{9}\right)$ における接線の方程式を求める。 $x > 0$ の範囲において、$|x| = x$ であるから、

$$f(x) = x(1 - x) = x - x^2$$

これを $x$ で微分すると、

$$f'(x) = 1 - 2x$$

$x = \frac{2}{3}$ における微分係数(接線の傾き)は、

$$f'\left(\frac{2}{3}\right) = 1 - 2 \cdot \frac{2}{3} = 1 - \frac{4}{3} = -\frac{1}{3}$$

したがって、点 $\left(\frac{2}{3}, \frac{2}{9}\right)$ における接線の方程式は、

$$y - \frac{2}{9} = -\frac{1}{3}\left(x - \frac{2}{3}\right)$$

式を整理すると、

$$y = -\frac{1}{3}x + \frac{2}{9} + \frac{2}{9}$$

$$y = -\frac{1}{3}x + \frac{4}{9}$$

求める交点は $y$ 軸上にあるため、$x = 0$ を代入して $y$ 切片を求めると、

$$y = \frac{4}{9}$$

これが求める交点の $y$ 座標である。

解説

絶対値を含む関数や、対称性を持つ関数を扱う際の定石である「グラフの図形的性質を利用する」というアプローチが有効な小問である。 今回のように $f(-x) = f(x)$ を満たす偶関数の場合、グラフが $y$ 軸対称になる。これに気づくことで、もう一方の接点 $\left(-\frac{2}{3}, \frac{2}{9}\right)$ における接線を真面目に求めて連立方程式を解くという手間を省くことができ、計算量とミスのリスクを減らせる。 もちろん、$x < 0$ の場合の関数 $y = -x(1 + x)$ を用いてもう1つの接線 $y = \frac{1}{3}x + \frac{4}{9}$ を導出し、2直線の交点を計算しても同じ結果が得られるが、試験本番においてはこのような図形的な対称性の利用が時間短縮の鍵となる。

答え

$\frac{4}{9}$

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