数学2 接線・不等式 問題 12 解説

方針・初手
- (1)は微分を用いて点 $\text{A}$ における接線 $l_1$ の方程式を求め、曲線 $C$ の方程式と連立する。接点では重解をもつ性質を利用して因数分解する。
- (2)は点 $\text{B}$ における接線 $l_2$ の傾きを求め、2直線が直交する条件「傾きの積が $-1$」を用いる。
- (3)は(2)で求めた関係式を $a$ についての方程式とみなし、$a \neq 0$ なる実数 $a$ が存在するような $k$ の条件を求める。$a^2 = t$ とおき、$t$ についての2次方程式が正の実数解をもつ条件に帰着させる。
解法1
$f(x) = x^3 - kx$ とおく。
これを $x$ について微分すると、
$$f'(x) = 3x^2 - k$$
となる。
(1)
点 $\text{A}(a, a^3 - ka)$ における接線 $l_1$ の方程式は、
$$y - (a^3 - ka) = (3a^2 - k)(x - a)$$
整理すると、
$$y = (3a^2 - k)x - 2a^3$$
となる。
$l_1$ と $C$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の解である。
$$x^3 - kx = (3a^2 - k)x - 2a^3$$
整理して、
$$x^3 - 3a^2 x + 2a^3 = 0$$
$l_1$ は $x = a$ で $C$ に接するため、左辺は $(x - a)^2$ を因数にもつ。これを考慮して因数分解すると、
$$(x - a)^2 (x + 2a) = 0$$
$a \neq 0$ より、点 $\text{A}$ 以外の交点 $\text{B}$ の $x$ 座標は、
$$x = -2a$$
である。
(2)
(1)より、点 $\text{B}$ の $x$ 座標は $-2a$ である。
点 $\text{B}$ における接線 $l_2$ の傾きは、
$$f'(-2a) = 3(-2a)^2 - k = 12a^2 - k$$
となる。
$l_1$ と $l_2$ が直交するための条件は、それぞれの傾きの積が $-1$ となることである。$l_1$ の傾きは $3a^2 - k$ であるから、
$$(3a^2 - k)(12a^2 - k) = -1$$
これが求める条件である。展開して整理すると、
$$36a^4 - 15ka^2 + k^2 + 1 = 0$$
となる。
(3)
(2)の条件をみたす $a$ が $a \neq 0$ の範囲に存在するような $k$ の条件を求める。
$$36a^4 - 15ka^2 + k^2 + 1 = 0$$
において、$t = a^2$ とおく。$a$ は $0$ でない実数であるから、$t > 0$ である。したがって、$t$ についての2次方程式
$$36t^2 - 15kt + k^2 + 1 = 0$$
が、正の実数解をもつような実数 $k$ の条件を求めればよい。
$g(t) = 36t^2 - 15kt + k^2 + 1$ とおく。$g(t) = 0$ の判別式を $D$ とすると、
$$D = (-15k)^2 - 4 \cdot 36 \cdot (k^2 + 1) = 225k^2 - 144k^2 - 144 = 81k^2 - 144 = 9(9k^2 - 16)$$
となる。
$y = g(t)$ のグラフは下に凸の放物線であり、軸の方程式は $t = \frac{15k}{72} = \frac{5k}{24}$ 、$y$ 切片は $g(0) = k^2 + 1$ である。
ここで、すべての実数 $k$ について $g(0) = k^2 + 1 > 0$ であるから、$g(t) = 0$ が実数解をもつ場合、それらは必ず同符号である。 したがって、$g(t) = 0$ が正の実数解をもつための条件は、実数解をもち($D \ge 0$)、かつ軸が正($\frac{5k}{24} > 0$)となることである。
判別式の条件 $D \ge 0$ より、
$$9(9k^2 - 16) \ge 0$$
$$(3k + 4)(3k - 4) \ge 0$$
これを解いて、
$$k \le -\frac{4}{3}, \quad \frac{4}{3} \le k$$
軸の条件 $\frac{5k}{24} > 0$ より、
$$k > 0$$
以上の共通範囲をとって求める $k$ の値の範囲は、
$$k \ge \frac{4}{3}$$
である。
解説
3次関数のグラフとその接線に関する、標準的で重要なテーマを網羅した問題です。
(1)において、接線と曲線の交点を求める際、まともに3次方程式を解こうとするのではなく、「$x = a$ で接するから $(x - a)^2$ で割り切れる」という事実を利用して因数分解を行うのが鉄則です。また、3次方程式の解と係数の関係を用いれば、$(x\text{の}2\text{次の係数}) = 0$ であることから $a + a + b = 0$ となり、直ちに交点の $x$ 座標 $b = -2a$ を得ることもできます。
(3)は、4次方程式の実数解の存在条件を、置き換えによって2次方程式の解の配置問題に帰着させる典型的な処理です。「$a \neq 0$ なる実数」という条件が、「$t > 0$ なる実数」に正しく言い換えられているかどうかがポイントになります。$y$ 切片が常に正であることに着目すると、場合分けを減らして簡潔に処理することができます。
答え
(1)
$$x = -2a$$
(2)
$$(3a^2 - k)(12a^2 - k) = -1$$
(または $36a^4 - 15ka^2 + k^2 + 1 = 0$)
(3)
$$k \ge \frac{4}{3}$$
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





