トップ 基礎問題 数学2 微分法 接線・不等式 問題 14

数学2 接線・不等式 問題 14 解説

数学2 接線・不等式 問題 14 解説

方針・初手

(1) は放物線の接線の方程式を立て、それが原点を通るという条件から接点の座標を決定し、接線の傾きを $a, b$ で表します。 (2) は「直線の傾きが $\tan$ で表される」ことを利用し、2倍角の公式を用いて $l_{\text{Q}}$ の傾きを求めます。 (3) は与えられた条件式に対して相加平均と相乗平均の関係を用い、傾きの値の範囲を評価します。 (4) は (2) で求めた傾きを $\sqrt{ab}$ の関数とみなし、(3) で得られた定義域においてその関数の増減を調べます。

解法1

(1) $f(x) = ax^2 + b$ とおくと、$f'(x) = 2ax$ である。 点 $\text{P}(t, at^2 + b)$ における接線 $l_{\text{P}}$ の方程式は

$$y - (at^2 + b) = 2at(x - t)$$

$$y = 2atx - at^2 + b$$

これが原点を通るので、$-at^2 + b = 0$ すなわち $at^2 = b$ が成り立つ。 $a, b$ および $t$ は正の実数であるから、$t = \sqrt{\frac{b}{a}}$ となる。 このとき、$l_{\text{P}}$ の傾きは $2at = 2a\sqrt{\frac{b}{a}} = 2\sqrt{ab}$ である。 $l_{\text{P}}$ の傾きが $1$ 未満となるための必要十分条件は

$$2\sqrt{ab} < 1$$

両辺は正であるから、2乗して整理すると

$$4ab < 1 \iff ab < \frac{1}{4}$$

(2) $l_{\text{P}}$ の傾きは正であり、$1$ 未満であるから、$l_{\text{P}}$ と $x$ 軸のなす鋭角 $\theta$ について、$\tan\theta = 2\sqrt{ab}$ が成り立ち、$0 < \theta < \frac{\pi}{4}$ である。 点 $\text{Q}(s, as^2 + b)$ における接線 $l_{\text{Q}}$ の傾きは $2as$ であり、$a > 0, s > 0$ より正である。 $l_{\text{Q}}$ と $x$ 軸のなす鋭角が $2\theta$ である。ここで $0 < \theta < \frac{\pi}{4}$ より $0 < 2\theta < \frac{\pi}{2}$ であるから、鋭角 $2\theta$ に対する正接がそのまま接線の傾きとなる。 すなわち、$l_{\text{Q}}$ の傾きは $\tan 2\theta$ である。 2倍角の公式より

$$\tan 2\theta = \frac{2\tan\theta}{1 - \tan^2\theta}$$

$\tan\theta = 2\sqrt{ab}$ を代入すると

$$\tan 2\theta = \frac{2 \cdot 2\sqrt{ab}}{1 - (2\sqrt{ab})^2} = \frac{4\sqrt{ab}}{1 - 4ab}$$

これが $l_{\text{Q}}$ の傾きの値である。

(3) $a, b$ は正の実数であるから、相加平均と相乗平均の関係より

$$\frac{a + b}{2} \geqq \sqrt{ab}$$

$a + b = \frac{1}{2}$ を代入すると

$$\frac{1}{4} \geqq \sqrt{ab}$$

(1) より $l_{\text{P}}$ の傾きは $2\sqrt{ab}$ である。上の不等式から

$$2\sqrt{ab} \leqq 2 \cdot \frac{1}{4} = \frac{1}{2} < 1$$

したがって、$l_{\text{P}}$ の傾きは $1$ 未満であることが示された。

(4) (2) より、$l_{\text{Q}}$ の傾きを $M$ とすると

$$M = \frac{4\sqrt{ab}}{1 - 4ab}$$

$x = \sqrt{ab}$ とおくと、(3) の議論より $a > 0, b > 0$ かつ $a + b = \frac{1}{2}$ のとき、$0 < \sqrt{ab} \leqq \frac{1}{4}$ であるから、$0 < x \leqq \frac{1}{4}$ である。 このとき $M$ を $x$ の関数として $g(x)$ とおくと

$$g(x) = \frac{4x}{1 - 4x^2}$$

$g(x)$ を $x$ で微分すると

$$g'(x) = \frac{4(1 - 4x^2) - 4x(-8x)}{(1 - 4x^2)^2} = \frac{4 + 16x^2}{(1 - 4x^2)^2}$$

$0 < x \leqq \frac{1}{4}$ において $g'(x) > 0$ であるから、$g(x)$ は単調に増加する。 したがって、$g(x)$ は $x = \frac{1}{4}$ のとき、すなわち $\sqrt{ab} = \frac{1}{4}$($ab = \frac{1}{16}$)のとき最大となる。 $a + b = \frac{1}{2}$ かつ $ab = \frac{1}{16}$ をみたす $a, b$ は、二次方程式 $u^2 - \frac{1}{2}u + \frac{1}{16} = 0$ の解である。

$$16u^2 - 8u + 1 = 0 \iff (4u - 1)^2 = 0$$

これを解いて $u = \frac{1}{4}$ を得る。 よって、求める $a, b$ の値は $a = \frac{1}{4}, b = \frac{1}{4}$ である。

解説

微積分、三角関数の加法定理(2倍角の公式)、相加・相乗平均の関係と関数の増減を組み合わせた総合問題です。 直線の傾き $m$ と $x$ 軸の正の向きとなす角 $\theta$ の間に $m = \tan\theta$ の関係があることは頻出の事項です。今回は鋭角という指定があるため、$\tan$ の値がそのまま正の傾きになることに注意します。(4) の最大値問題は、(3) で得られた $ab$ の上限を活用し、$\sqrt{ab}$ を1つの変数と見て微分して単調性を調べるのが簡明な処理となります。

答え

(1)

$ab < \frac{1}{4}$

(2)

$\frac{4\sqrt{ab}}{1 - 4ab}$

(3)

解説の通り(相加平均と相乗平均の関係を用いて $2\sqrt{ab} \leqq \frac{1}{2} < 1$ が導かれるため)

(4)

$a = \frac{1}{4}, b = \frac{1}{4}$

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