数学2 接線・不等式 問題 24 解説

方針・初手
与えられた区間 $0 \leqq x \leqq 1$ において、関数 $f(x)$ の最小値が $0$ 以上となるような定数 $a$ の条件を求めます。
$f(x)$ を $x$ について微分し、導関数 $f'(x)$ の符号変化から極値と区間の端点における値を比較して最小値を求めるのが標準的なアプローチです。このとき、極値をとる $x$ の値が $a$ によって変化するため、極値をとる $x$ が指定された区間に含まれるかどうかで場合分けを行います。
また、不等式 $f(x) \geqq 0$ を $a$ について整理し、変数 $x$ と定数 $a$ を分離して考える方法(定数分離)も有効です。
解法1
関数 $f(x) = x^3 - 3ax + a$ を $x$ について微分すると、以下のようになります。
$$f'(x) = 3x^2 - 3a = 3(x^2 - a)$$
$0 \leqq x \leqq 1$ における $f(x)$ の最小値を $m(a)$ とおきます。$a$ の値によって $f'(x) = 0$ となる $x$ の値が変化するため、以下のように場合分けを行います。
(i) $a \leqq 0$ のとき
$x \geqq 0$ において $x^2 - a \geqq 0$ であるため、$f'(x) \geqq 0$ となります。 したがって、$f(x)$ は区間 $0 \leqq x \leqq 1$ において単調に増加します。 この区間における最小値は $x = 0$ のときにとります。
$$m(a) = f(0) = a$$
条件 $m(a) \geqq 0$ より $a \geqq 0$ となります。 場合分けの条件 $a \leqq 0$ と合わせると、$a = 0$ となります。
(ii) $0 < a < 1$ のとき
$f'(x) = 0$ を満たす $x$ は $x = \pm \sqrt{a}$ です。 $0 < a < 1$ より $0 < \sqrt{a} < 1$ であるため、区間 $0 \leqq x \leqq 1$ 内に極小値をとる $x = \sqrt{a}$ が存在します。 この区間における $f(x)$ の増減は以下のようになります。
- $0 \leqq x < \sqrt{a}$ において $f'(x) < 0$ (単調減少)
- $x = \sqrt{a}$ において $f'(x) = 0$ (極小)
- $\sqrt{a} < x \leqq 1$ において $f'(x) > 0$ (単調増加)
よって、最小値は $x = \sqrt{a}$ のときにとります。
$$m(a) = f(\sqrt{a}) = (\sqrt{a})^3 - 3a\sqrt{a} + a = a - 2a\sqrt{a} = a(1 - 2\sqrt{a})$$
条件 $m(a) \geqq 0$ より $a(1 - 2\sqrt{a}) \geqq 0$ となります。 $a > 0$ であることから両辺を $a$ で割ると、以下のようになります。
$$1 - 2\sqrt{a} \geqq 0$$
これを解いて $\sqrt{a} \leqq \frac{1}{2}$、すなわち $a \leqq \frac{1}{4}$ となります。 場合分けの条件 $0 < a < 1$ と合わせると、$0 < a \leqq \frac{1}{4}$ となります。
(iii) $a \geqq 1$ のとき
$x = \sqrt{a}$ について $\sqrt{a} \geqq 1$ となります。 したがって、区間 $0 \leqq x \leqq 1$ においては常に $x^2 \leqq 1 \leqq a$ となるため、$f'(x) \leqq 0$ となります。 $f(x)$ はこの区間で単調に減少するため、最小値は $x = 1$ のときにとります。
$$m(a) = f(1) = 1 - 3a + a = 1 - 2a$$
条件 $m(a) \geqq 0$ より $1 - 2a \geqq 0$、すなわち $a \leqq \frac{1}{2}$ となります。 これは場合分けの条件 $a \geqq 1$ と矛盾するため、解はありません。
以上 (i), (ii), (iii) より、求める $a$ の範囲は以下のようになります。
$$0 \leqq a \leqq \frac{1}{4}$$
解法2
条件 $f(x) \geqq 0$ は、次のように変形できます。
$$x^3 - 3ax + a \geqq 0$$
$$x^3 \geqq a(3x - 1)$$
$0 \leqq x \leqq 1$ を満たすすべての $x$ に対して、この不等式が成り立つような $a$ の範囲を求めます。$3x - 1$ の符号によって場合分けを行います。
(i) $x = \frac{1}{3}$ のとき
不等式は $\left(\frac{1}{3}\right)^3 \geqq 0$ となり、これは $a$ の値によらず常に成り立ちます。
(ii) $\frac{1}{3} < x \leqq 1$ のとき
$3x - 1 > 0$ であるため、両辺を $3x - 1$ で割ることができます。
$$a \leqq \frac{x^3}{3x - 1}$$
この不等式が $\frac{1}{3} < x \leqq 1$ の範囲で常に成り立つための条件は、$a$ がこの範囲における右辺の最小値以下となることです。 $g(x) = \frac{x^3}{3x - 1}$ とおき、微分します。
$$g'(x) = \frac{3x^2(3x - 1) - x^3 \cdot 3}{(3x - 1)^2} = \frac{6x^3 - 3x^2}{(3x - 1)^2} = \frac{3x^2(2x - 1)}{(3x - 1)^2}$$
$g'(x) = 0$ となるのは $x = 0, \frac{1}{2}$ です。 $\frac{1}{3} < x \leqq 1$ の範囲における $g(x)$ の増減を調べると、$\frac{1}{3} < x < \frac{1}{2}$ で $g'(x) < 0$、$\frac{1}{2} < x \leqq 1$ で $g'(x) > 0$ となります。 よって、$g(x)$ は $x = \frac{1}{2}$ で最小値をとります。
$$g\left(\frac{1}{2}\right) = \frac{\left(\frac{1}{2}\right)^3}{3\left(\frac{1}{2}\right) - 1} = \frac{\frac{1}{8}}{\frac{1}{2}} = \frac{1}{4}$$
したがって、$a \leqq \frac{1}{4}$ となります。
(iii) $0 \leqq x < \frac{1}{3}$ のとき
$3x - 1 < 0$ であるため、両辺を $3x - 1$ で割ると不等号の向きが変わります。
$$a \geqq \frac{x^3}{3x - 1}$$
この不等式が $0 \leqq x < \frac{1}{3}$ の範囲で常に成り立つための条件は、$a$ がこの範囲における右辺の最大値以上となることです。 右辺は $g(x)$ と同じ関数であり、$0 < x < \frac{1}{3}$ の範囲では $g'(x) < 0$ となるため $g(x)$ は単調減少します。 したがって、$g(x)$ は $x = 0$ で最大値をとります。
$$g(0) = \frac{0}{-1} = 0$$
したがって、$a \geqq 0$ となります。
以上 (i), (ii), (iii) のすべてを満たす必要があるため、求める $a$ の範囲は以下のようになります。
$$0 \leqq a \leqq \frac{1}{4}$$
解説
関数の最大・最小を考える典型的な問題です。特定の区間における不等式が常に成り立つ条件を求める際、解法1のように「区間内の最小値 $\geqq 0$」と言い換える考え方は非常に重要です。このとき、微分を用いて増減を調べる過程で、極値をとる $x$ が区間に含まれるかどうかで丁寧に場合分けをすることがポイントになります。
一方、解法2の「定数分離」は、文字定数 $a$ を含む不等式を $a \leqq g(x)$ や $a \geqq g(x)$ の形に変形し、曲線 $y = g(x)$ と直線 $y = a$ の上下関係として視覚的に捉えやすくする強力な手法です。割り算を行う際に分母の符号によって不等号の向きが変わる点に注意すれば、場合分けの負担を減らしつつ見通しよく解くことができます。
答え
$$0 \leqq a \leqq \frac{1}{4}$$
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