数学2 接線・不等式 問題 25 解説

方針・初手
(1) 放物線 $C$ 上の接点の $x$ 座標を文字でおき、接線の方程式を立てる。その接線が点 $\text{A}(a, -1)$ を通るという条件から、接点の $x$ 座標に関する2次方程式を導き、その方程式が異なる2つの実数解をもつことを示す。
(2) (1)で求めた2次方程式の2つの解を $\alpha, \beta$ とし、接点 $\text{P, Q}$ の座標をそれぞれ $\alpha, \beta$ を用いて表す。各接点での接線が点 $\text{A}(a, -1)$ を通るという関係式から、2点 $\text{P, Q}$ がある特定の直線上にあることを見出す。
(3) 点と直線の距離の公式を用いて $L$ を $a$ の式で表す。式の形から、根号の中身の式をひとまとめにするか、相加平均と相乗平均の大小関係が使える形に変形して最小値を求める。
解法1
(1)
$y = x^2$ について、$y' = 2x$ である。 $C$ 上の点 $(t, t^2)$ における接線の方程式は、
$$y - t^2 = 2t(x - t)$$
すなわち、
$$y = 2tx - t^2$$
これが点 $\text{A}(a, -1)$ を通るので、
$$-1 = 2at - t^2$$
整理すると、
$$t^2 - 2at - 1 = 0 \quad \cdots \text{①}$$
この $t$ についての2次方程式①の判別式を $D$ とすると、
$$\frac{D}{4} = (-a)^2 - 1 \cdot (-1) = a^2 + 1$$
$a$ は実数であるから $a^2 \geqq 0$ であり、
$$\frac{D}{4} = a^2 + 1 \geqq 1 > 0$$
となるため、$D > 0$ である。 したがって、2次方程式①は異なる2つの実数解をもつ。 2次関数 $y = x^2$ において、異なる接点からは異なる接線が引けるため、点 $\text{A}(a, -1)$ を通るような $C$ の接線はちょうど2本存在する。
(2)
点 $\text{A}(a, -1)$ から $C$ に引いた2本の接線の接点 $\text{P, Q}$ の $x$ 座標は、(1)で導いた方程式①の異なる2つの実数解である。 これらを $\alpha, \beta \ (\alpha \neq \beta)$ とすると、接点 $\text{P, Q}$ の座標は $\text{P}(\alpha, \alpha^2), \text{Q}(\beta, \beta^2)$ と表せる。 $\alpha, \beta$ は方程式 $t^2 - 2at - 1 = 0$ の解であるから、
$$\begin{cases} \alpha^2 - 2a\alpha - 1 = 0 \\ \beta^2 - 2a\beta - 1 = 0 \end{cases}$$
が成り立つ。これを変形すると、
$$\begin{cases} \alpha^2 = 2a\alpha + 1 \\ \beta^2 = 2a\beta + 1 \end{cases}$$
となる。 これは、2点 $\text{P}(\alpha, \alpha^2), \text{Q}(\beta, \beta^2)$ の座標が、ともに $x, y$ の1次方程式 $y = 2ax + 1$ を満たすことを示している。 $\alpha \neq \beta$ より $\text{P, Q}$ は異なる2点であるから、2点 $\text{P, Q}$ を通る直線の方程式はただ1つに定まり、それは
$$y = 2ax + 1$$
である。
(3)
点 $\text{A}(a, -1)$ と直線 $2ax - y + 1 = 0$ の距離 $L$ は、点と直線の距離の公式より、
$$L = \frac{|2a \cdot a - (-1) + 1|}{\sqrt{(2a)^2 + (-1)^2}} = \frac{|2a^2 + 2|}{\sqrt{4a^2 + 1}}$$
$a$ は実数であり $2a^2 + 2 > 0$ であるから、絶対値記号はそのまま外すことができ、
$$L = \frac{2a^2 + 2}{\sqrt{4a^2 + 1}}$$
となる。ここで分子を変形すると、
$$\begin{aligned} L &= \frac{\frac{1}{2}(4a^2 + 1) + \frac{3}{2}}{\sqrt{4a^2 + 1}} \\ &= \frac{1}{2}\sqrt{4a^2 + 1} + \frac{3}{2\sqrt{4a^2 + 1}} \end{aligned}$$
$a$ は実数であるから $4a^2 + 1 \geqq 1 > 0$ であり、$\frac{1}{2}\sqrt{4a^2 + 1} > 0, \ \frac{3}{2\sqrt{4a^2 + 1}} > 0$ である。 相加平均と相乗平均の大小関係より、
$$\frac{1}{2}\sqrt{4a^2 + 1} + \frac{3}{2\sqrt{4a^2 + 1}} \geqq 2 \sqrt{\frac{1}{2}\sqrt{4a^2 + 1} \cdot \frac{3}{2\sqrt{4a^2 + 1}}} = 2 \sqrt{\frac{3}{4}} = \sqrt{3}$$
が成り立つ。 等号が成立するのは、
$$\frac{1}{2}\sqrt{4a^2 + 1} = \frac{3}{2\sqrt{4a^2 + 1}}$$
のときである。両辺を $2\sqrt{4a^2 + 1}$ 倍して整理すると、
$$4a^2 + 1 = 3$$
$$a^2 = \frac{1}{2}$$
$$a = \pm \frac{1}{\sqrt{2}} = \pm \frac{\sqrt{2}}{2}$$
となる。 したがって、$L$ は $a = \pm \frac{\sqrt{2}}{2}$ のとき最小値 $\sqrt{3}$ をとる。
解説
放物線外の点から引いた2本の接線の接点を通る直線(極線)に関する有名な性質の証明と、それを応用した最大・最小問題である。 (2)において、直線の式を直接求めるために $y - \alpha^2 = \frac{\beta^2 - \alpha^2}{\beta - \alpha}(x - \alpha)$ を計算して導くことも可能だが、解法1で示したように「各接点が満たす関係式を、ある方程式の解として解釈し直す」という発想を用いると計算量が大幅に削減できる。これは「同値変形による図形的な意味の読み取り」として非常に重要な手法である。 (3)では、分数関数の最大・最小を求めるにあたり、分子の次数を下げて(あるいは分母と同じ形を作り出して)定数項と逆数を含む項の和の形に変形し、相加平均と相乗平均の大小関係を利用するのが典型的な処理である。微分を用いて増減を調べることも可能だが、計算が煩雑になるため式変形による解法を選択したい。
答え
(1) 点 $\text{A}(a, -1)$ を通る接線がちょうど2本存在することが示された。
(2) 直線 $\text{PQ}$ の方程式が $y = 2ax + 1$ であることが示された。
(3) 最小値 $\sqrt{3}$ ($a = \pm \frac{\sqrt{2}}{2}$ のとき)
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